『神の宝の玉手箱』、六本木開館10周年記念展、国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」修理後初公開

★簡単な紹介

2017年5月31日(水)~7月17日(月)祝日

サントリー美術館

HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_3/


1:
日本の漆芸品の最高峰の中から、手箱こと小物入れ特集。

漆芸品にも全くの素人の私CYPRESS、ただ細工の細かさと出来の良さに目が点になるのみ(笑)。
誰が見ても良品。

目玉の「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」(ふせんりゅうらでんまきえてばこ)は源頼朝の嫁の北条政子が使ったのは間違いないようで、
これを筆頭に、鎌倉時代、室町時代、南北朝時代の作がザクザク(@_@)。
古い物は800年近く前の物ですゾ(@_@)。
戦乱、火事、天災に巻き込まれなかったか、生き残ったのか、
よく今日、21世紀まで残りましたなぁ(溜息)。

化粧品を収める手箱が多いためか、いつもより女性の姿が多い様でした。
それも、年齢を重ねた方だけでなく、小中高生も多かった。


2:
「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」が最近修復され、漆は丈夫なんだけど、
元になる木が乾燥し、持たないんですナ。
明治時代、ウィーンの万博に出展した後、伊豆沖で沈没し、1年後回収したら、なんともなかった作もあり、
これにもビックリ(→作品、失念(^_^;))
また、螺鈿の輝きにもビックリ。
夜光貝、mother of pearl、貝ですよ、貝殻。
それを磨いただけなのに、「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」に使われてるのは、800年近く前の物。
磨き直したとは言え、未だに輝いている(@_@)。
ビックリ、It’s just amazing!


3:
化粧品関連で、銅鏡も10面程展示されてました。
これが、ちょっと、作りが甘い、と言うのかなぁ、
去年2016年に根津美術館で見た中国の古い銅鏡の鋭さが無い。
(参考、私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-2574.html)

何かねぇ、丸いと言うか、柔らかい、どうもキリッとしてない。
まぁ、文様が違うし、作られた意図や目的が違うから、同じ様に作る必要もありません。

それでも、漂わす雰囲気が全く違います。

これも、新たな発見で新鮮な驚きでした。


4:
逸品に圧倒される気持ちいい時間を過ごしました(^.^)。

サントリー美術館は、少々主流から外れた路線をやり大変好ましい。
今回もとても良かった。






タグ サントリー美術館



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『世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画』

★簡単な紹介

2016年11月16日(水)~2017年1月9日(月、祝日)

展示期間
2016年11月16日(水)~12月5日(月)
2016年12月7日(水)~12月12日(月)
2016年12月14日(水)~12月19日(月)
2016年12月21日(水)~2017年1月9日(月、祝日)


サントリー美術館

HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_5/


1:
解体新書」のあの扉絵を描いた絵師、
と言う事実を今回初めて知り、興味を引かれ行ってきました。


2:
ん~、どうもなぁ…
小田野直武菱田春草と同じく、志半ばで亡くなった感じ。
東洋の描き方の西洋の描き方を取り入れ、融合しようとした秋田蘭画なんですが、
画法を確立する前に、モノにする前に亡くなってしましましたナ。

背景と脇役を描き過ぎているんです。
そのため主役の力を弱めてしまっています。

その代表が

作品番号106:
「不忍池図」
重要文化財
秋田県立近代美術館蔵

画面左下、池畔の杭、これを描き込み過ぎ、目立ち過ぎ、邪魔。
チラシやHPの映像ではさほど目立たないのですが、実際に見るとかなり目立ちます。


2:
小田野直武と比べると、他の絵師の腕前もイマイチ(溜息)。

秋田藩藩主だった佐竹署山(さたけしょざん)の

作品番号121:
「松に唐鳥図」
重要文化財
個人蔵

唐鳥の赤が強過ぎ、目立ち過ぎ、空間感覚と遠近感を壊しています。
また、手前の松の樹皮の描写もイマイチ(溜息)。

角館城代だった佐竹義躬(さたけよしみ)の

作品番号130:
「松にこぶし図」
歸空庵蔵

は手前に松、奥にこぶしを描いているのですが、
手前の松を置く構成が技に走り過ぎています(溜息)。
わざわざ松を手前に置いてこぶしを強調しようとしているのですが、
明らかにやり過ぎ。


3:
前回の鈴木其一展と同じく、会期を4回にも分け、分け過ぎ。
また、巻きシワが付いた作品が非常に多く、これも目障りでした。

こんな感じでイマイチでした(溜息)。






タグ 小田野直武 解体新書 佐竹署山 秋田蘭画 菱田春草 サントリー美術館





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『鈴木其一 江戸琳派の旗手』その3

★簡単な紹介

2016年9月10日(土)~10月30日(日)

サントリー美術館
HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_4/index.html

展示換が何と、5回もあります(@_@)。
参考 展示替リストPDFファイル→http://www.suntory.com/sma/info/visual/fc14bdc6f8c3988c75985ae9e7523f4f.pdf?&__utma=198440237.1198441666.1474131857.1474131858.1474131858.1&__utmb=198440237.4.8.1474131858&__utmc=198440237&__utmx=-&__utmz=198440237.1474131858.1.1.utmcsr=(direct)|utmccn=(direct)|utmcmd=(none)&__utmv=198440237.|25=FOID=ZqzLuMynIQgMvGfgz6db1HNyVQU=1^26=FOSG=%2261855%22%2C%2263603%22%2C%2263639%22=1&__utmk=107374914

川瀬巴水の回顧展を大田区立郷土博物館でやった時は前中後期の3回に分けてやったけど、
5回も展示替えがあるのは初めて(@_@)。
¥1,300×5=¥6,500
川瀬巴水の時は入場無料だったけど、¥6,500ですゼ(^_^;)
ちょっと高過ぎない?
5回通しの前売り券¥5,000を出せば良かったのに。
前売り券を買った時に展示替えを尋ねたら、その時はまだ不明で、
メンバーズ・クラブへの入会を勧められ、その理由も納得。
年会費¥5,000だからなぁ…



1:
さてと、
全体に見ると、キッチリとまとまっています。
想像力を自由に遊ばせた絵はありません。

今年2016年前半、日本の美術界を席巻した伊藤若冲と違います。
この辺、お利口過ぎて好みが分かれるかもしれません。

ガッカリする様な絵はありません。
巧いです。


2:
作品番号:81
「暁桜・夜桜図」
花が咲いた桜の枝の双幅。
題材が美しいので変な絵になるはずなし。
暁桜の方は題名の通り明け方の桜。
面白いのは夜桜。
影、シルエットを墨だけ描いてます。
正確に描写しているので想像力を刺激し、とても美しい。
こういう絵は虚を突き、驚き、とても楽しい(^.^)。


3:
作品番号:43
「萩月図襖」
風にそよぐ満開の萩。
右上から左下へ向かう対角線の構図。
月は左側の空間、左から2枚目の襖でバランスを取っています。
あくまでバランスを取るのが役目で朧月。
主役は紅白の萩。
単純な構成ですが、とても美しい。


4:
作品番号:41
「三十六歌仙図・檜図屏風」
八曲一双で右隻四曲が三十六歌仙、左隻四曲が檜。
檜図は金地に墨で檜。
これがキレイなんだなぁ(^.^)。
年月を経ている事もあるんでしょうが、金地が落ち着きギラギラ感が完全に無くなり、
墨の檜との対比がとてもいい。


5:
作品番号:50
「芒野図屏風」
これぞ琳派と言うべき屏風。
銀地に濃墨と薄墨でススキを意匠化し描いているだけ。
ただ薄墨のススキを光琳の「紅白図屏風」の川の流れの様に描き画面にリズムを与えてます。
縦型構図の黄金律であるジグザグ型の構図。
色使いが寒色で残暑にウンザリしている頃に出してきて、お客さんに涼を感じてもらおうとしてたんでしょうね。
秋口でも使える色使いです。
こういう作品を見る度に日本人が古から自然と添い寝してきて、自然がとても身近で近しい存在であったのが分かります。
こういう絵は西欧文化では生まれません。


6:
作品番号:67
朝顔図屏風
今回の展覧会の目玉。
個人的には光琳の「燕子花図屏風」、抱一の「八ッ橋図屏風」を見て以来、とても見たかった作品。
まず、この絵、一般の屏風よりデカい、一回りデカい。

でも、どうやら大きさだけではありません。
アサガオの花、葉、蔓、蕾、全てデカく見えます。
この迫力、全く予想していませんでした(@_@)。
そしてネットの画像で見た通り生き生きしているし、動きや躍動感もあります。
光琳と抱一のカキツバタの安定とリズム感に対し、生命感と躍動感のアサガオを作り出した訳です。
更に対角線の構図にくるくる回る動きも加えた構成の見事さ。
「燕子花図屏風」と「八ッ橋図屏風」から見事に進化しています。
素晴らしい描写です。

予想通りの素晴らしさで、やはり他の作品とは頭一つ抜け出しています。
しかも回転の動き!
こんな絵、西欧絵画にありません。

また、江戸時代最後の琳派の絵師だけあり、保存状態がとてもいいのも嬉しい。
退色、剥落、汚れが少なく出来た当時の状態に近い。
こういう絵を見る事の出来る幸せ!(^^)!。

こりゃ、メトロポリタンが買うはずダワ(^.^)。


7:
作品番号:190
「迦陵頻図絵馬」
何と、浅草寺に奉納された絵馬です(@_@)。
浅草のあの浅草寺ですよ、浅草寺(@_@)。
それを鈴木其一が描いていたとは…(@_@)。
こういう寺社仏閣の奉納されたものは記録に残りやすいので、
天保12年(1841年)の作と分かっているとか。


8:
予想通り全体にとても良かった(^.^)。
次回行くのは、東京富士美術館蔵「風神雷神図襖」が展示される10月5日(水)~10月30日(日)の間。
これ、「屏風」でなく「襖」、「襖」です。
俵谷宗達、尾形光琳、酒井抱一と描き続けた風神様と雷神様がどうなってるか、非常に楽しみです(^.^)。

今回の鈴木其一オリジナルのお土産は少なかった。
朝顔図屏風」のクリアファイルかマグカップが欲しかったんですが、無し(涙)。
代わりに「風神雷神図襖」のクリアファイルを買いました。





タグ 鈴木其一 サントリー美術館 朝顔図屏風





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『鈴木其一 江戸琳派の旗手』その2

サントリー美術館へガレを見に行ったら『鈴木其一 江戸琳派の旗手』の新しいチラシがありました。
前回紹介したのはA4一枚。
今回はよくあるA4二つ折り(=A3横長)

HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_4/index.html

HPにはまだ出品目録が無く、また作品保護のための展示替えがあり、作品毎の期間はほんの一部しか載ってません。
新しいチラシの方がその点少々詳しく書いてあります。

まず、期間は、2016年9月10日(土)~10月30日(日)

前期は9月10日(土)~10月3日(月)
後期は10月5日(水)~10月30日(日)

全期間展示(2016年9月10日(土)~10月30日(日))
「群鶴図屏風」:ファインバーグコレクション、米国
「朝顔図屏風」:メトロポリタン美術館、米国

前期展示(9月10日(土)~10月3日(月))
「三十六歌仙図」:出光美術館
「水辺家鴨図屏風」:細見美術館、京都
(巡回で細見美術館でも2017年にやります。HP→http://www.emuseum.or.jp/exhibition/next_exhi.html)
「籐花図」:細見美術館、京都

後期展示(10月5日(水)~10月30日(日))
「夏秋渓流図屏風」:根津美術館
「蔬菜群虫図」:出光美術館
「風神雷神図襖」:東京富士美術館


いよいよ次回展覧会なんですなぁ…
期待が高まります!(^^)!。





タグ 鈴木其一 サントリー美術館




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『オルセー美術館特別協力 生誕170年 エミール・ガレ』

★簡単な紹介

2016年6月29日(水)~8月28日(日)

サントリー美術館
HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_3/index.html


『開運!なんでも鑑定団』でお馴染みのガレ。
本物を見た記憶が無いので、見に行くと…

まず、地下鉄六本木の出口を間違えた(笑)。
いつの間にか六本木ヒルズ方面へ向かい、
気が付くとあの胸糞悪い森アーツセンターギャラリーがある森ビルへと向かうエスカレーターに乗ってた(笑)。
方向が逆だ(笑)。
で、気を取り直して、落ち着いて調べると、何だ、まだそんなに進んでなかったから、反対方向へ行ったら…
六本木の交差点へ着き、渡り、左折、人通りの多さに閉口し、着いた(笑)。

人混みが嫌いで、都会も嫌いだからこうなるのだ(笑)。

でも、サントリー美術館へ午後6:00過ぎに行ったら空いてて良かった(^.^)。


1:
ガレは日本で言えば幕末から明治に掛けての人。
ガラスと陶器の人。
今回は下絵も展示。

う~ん、こういう3次元の物はどうも心に響かないんだよなぁ…
2次元の絵画は心に響くんですがねぇ。
完成され想像力の遊び場、飛び立つ空間なんてものが無いんです、立体物には。

そうなると、まず見るべき所は技術。
ガラスでは、う~ん、素人目には優秀さが分かりませぬ。
陶器でも、宮川香山の釉下彩には敵わないなぁ。

下絵を見ると、見事。
写実力があるのが分かります。
ただ、下絵ですから職人の絵です。
芸術作品ではありませんから、
絵心というものが当然入ってません。

どの作品も一回見れば十分でした。


2:
しかし、
「腐ってもガレ」、なんでしょうか(笑)。
木で作った家具が凄かった(@_@)。

1877年に父親から陶器工場を受け継ぎ、
家具の方は1885年から作り始めたそうですが、全く知りませんでした(@_@)。
陶器やガラス器と同じく、花鳥風月、山川草木を描いてます。
寄木と象嵌で描いています。

多種多様な木を使って昆虫や植物を象嵌しているのは、
当然というか、想像出来る範囲内です。
ところが、さすが、「腐ってもガレ」(笑)、
板目を使い、年輪の間隔の違いで遠近感を表し、風景画にしているんです(@_@)。

2-1:
その一つ目が、

作品番号:107ティーテーブル「水仙」

水仙は象嵌です。
水仙が生える水辺を年輪で表し、年輪の間隔が大きくなることで奥行を表しています。
この年輪の間隔の差が予想以上に効果的。
ガラスや粘土は出来る範囲がかなり大きいですが、年輪となると人の技が全く入らず全て木頼み。
使えそうな木を探す時間と手間、それを活かす想像力、こりゃ我等素人には全くの想像の埒外(@_@)。
すげぇ~よ、これ。

2-2:
二つ目がもっと凄い。

作品番号:125本棚「蛾」

本棚と言うより、英語で言う”coffee table”です。
飲み物や本を置く天板があり、その下に雑誌や大判の本を入れるラックがある造りです。

近景と遠景(空)で木を変え、色が違っています。
近景も2種類の木を使い分け、土と水を表しています。
これには板目を使い、年輪の不等間隔が巧く空や地面の質感 遠近感を表しています。
それらしい板をみつけるのに、どれ位掛かったことやら(溜息)。

中景が林と言うか、木立と言うか、とにかくこんもりした木が沢山ある様に象嵌しています。
ここに使っているのが、何と、鳥目杢(とりめもく、=バーズアイ=bird’s-eye)とか瘤杢(こぶもく、=burl)と言われている杢目。
美しく希少品ですから高価。
惜しげも無く木立に使い、それが木立に見え効果的、大成功(@_@)。
楓のバーズアイが有名と言うか、結構なお値段が付いた小物入れとか見たことあるんですが、
こういう使い方、象嵌に使うのは初めて見ました。

完全に風景画です(溜息)。

鳥が近景の枝に留まっているんですが、
どれが蛾でどこにいるか分からない(笑)。

大きくないんで、欲しかった(笑)。

冗談はさておき、
三井記念美術館で見た源氏物語45丈を入れる専用の蒔絵の小箪笥にもビックリしましたが、
この本棚にもビックリしました(笑)。
作る手間、暇を考えれば当然ながら注文制作で、お値段も超絶的でしょう。

2-3:
象嵌と寄せ木は表面の化粧版。
下から覗くと下側は当然ながら模様無し(笑)。
一枚板なのは間違いありません。
「蛾」の方は天板に枠があり、化粧版と下板(?)の繋ぎ目が分からない作りです。
素人に直ぐ分かる細工や工作は、残念ながらこれ位。
触りながら拡大鏡を使って、隅々まで観たかったです、「蛾」を筆頭に展示された家具全て(^.^)。


3:
展覧会でよく買うクリアファイルを今回は超絶技巧の家具のヤツをさがしたけど、
無し(溜息)。
やはり、ガラスと陶器の人だワイ。
その中でも黒地にガラス器8点を写した物と白地にガラス器11点を写した物が中々美しかったので、
買いました。


4:
陶器とガラス器は予想通り心動かされませんでしたが、
寄せ木と象嵌の家具にはやられました!(^^)!。

エミール・ガレ、歴史に名を残しているだけあり、
やはり、並の芸術家ではありません。






タグ エミール・ガレ サントリー美術館






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『没後100年 宮川香山』

★簡単な紹介

2016年2月24日(水)~4月17日(日)

サントリー美術館
HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2016_1/index.html

宮川香山を知ったのは『美の巨人たち』の放送で。

「渡蟹水盤」
2008年1月19日(土)放送
放送分HP→http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/080119/index.html
私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1641.html

「葡萄ノ蔓ニ蜂ノ巣花瓶」
2011年12月10日(土)放送
放送分HP→http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/111210/index.html
私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1656.html

明治の超絶技巧の工芸品なんですが、
『超絶技巧! 明治工芸の粋』(2014年4月19日(土)~7月13日(日)、三井記念美術館)
には、なぜか出品されませんでした。
(私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1758.html)



1:
今回展示されたのは、二つの技法に分かれます。
渡蟹と猫に代表される「高浮彫
それと、
素地に各色の絵や文様を描き、それから釉薬をかけ焼成する「釉下彩」。


2:
高浮彫

2-1:
作品番号139:高取釉高浮彫蟹花瓶

宮川香山と言えば蟹か猫。
その蟹が最初に展示されています。

東京国立博物館にもありますが、重文故か、まだ見たことありません。

見事です。
いつ動き出してもおかしくありません。
形、質感共に素晴らしいですが、今回近付いてよく見るともっと凄いのが分かりました。
目です。
少々知性がありそうな蟹の目をしているんです。

フィギャやプラモデルを作った事のある方なら御存じだと思いますが、
目を入れる、目を塗るのは非常に難しい。
TVで人形師の方が面相筆で目を簡単そうに入れていますが、
その道数十年の方だから簡単そうに入れている様に視聴者には見えるだけです。
我等素人にはとても出来る技ではありません。
我等素人の好き者が人形に目を入れると、単なる黒丸で知性や感情等脳の動きが分かりません。

ところがこの宮川香山の蟹には、本能に動かされてるだけとは言え、蟹独自のあの表情が目にあるのです。

この蟹花瓶、見飽きることがありませんでした(^.^)。


2-2:
ところが、
「第二章 高浮彫の世界」
で他の超絶技巧の高浮彫を見て行くと、5作品も見ないうちに疲れました。
高取釉高浮彫蟹花瓶は二匹の蟹のみ超絶技巧の細密写実表現で、花瓶は釉薬で作った模様だけです。
ところがそれ以外はエラくゴチャゴチャしています。
高浮彫はどれも見事なんですが、視線を跳ね返し直ぐに「満腹」状態。
このコーナー、全部で56作品、更に対になってる物もあるのでそれ以上実際にはあります。

明治時代の外貨獲得のための輸出用が多いので、白人の好みなのかもしれません。
マイセンの磁器を見ると、宮川香山のゴテゴテ具合も納得行きます。
有田焼や『超絶技巧! 明治工芸の粋』で見た薩摩の超絶技巧品のまとまり具合とかなり違います。

と言う訳で蟹以外は私の趣味に合いませんでした。


3:
釉下彩

釉下彩というのは、器の素地に彩色しその上に釉薬をかけ焼成する方法。
こういう風に書くと簡単そうですが、実際には焼成で多くの色を発色させるのは大変難しいらしい。
宮川香山の凄さは一回の焼成で何色も発色出来た事だそうです。

釉下彩の難しさは焼き物に関しては全くの門外漢なので宮川香山の評価を出来ませんが、
作品の出来栄えは、こんな私でも分かります。
特に高浮彫で「お腹一杯」状態だったので、簡素で優雅とも言う作品ばかりで目が洗われる思いでした。

3-1:
作品番号105:青華蟹図平花瓶

精華とは染付の事で、有田焼でお馴染み。
白地に呉須(酸化コバルト)で紋様や絵を描き、ガラス質の透明釉を掛け焼成し、
藍色に発色させた磁器。

高浮彫の蟹同様にこの蟹の目も、ちゃんと蟹の目になっています。

3-2:
作品番号120:釉下彩紫陽花図花瓶

紫陽花の花の中央をくり抜き、透明釉を入れ焼成してます。
内側から見るとどうなっているかと、反対側に回って見ると、
何と、
アゲハチョウが(@_@)。
同じ様にくり抜き、透明釉を入れ羽の模様にしています。

これには意表を突かれました(^.^)。
中々おしゃれな作りです。

3-3:
作品番号89:釉裏紅暗花柳図花瓶
釉裏紅(ゆうりこう)は染付の一種で、銅系の顔料を使い透明釉をかけ焼成し、紅色を発色させる技法。
暗花(あんか)とは中国の陶磁器の技法の一つで、
素地に軽く模様をつけ、釉薬をかけ焼成し、模様が薄く透けて見える技法。

つまり、ヤナギの模様を素地に軽く彫り銅系顔料を塗り透明釉をかけ焼成した花瓶。
離れると紅色の花瓶ですが、近くで見るとヤナギが現れてきます(^.^)。
これも凝ったお洒落な作りです。

3-4:
作品番号117:釉下彩籐花図大花瓶
藤の花を描いた花瓶は並河靖之も七宝で作ったのよなぁ、と思って見ていたら、
解説にも書いてあった(笑)。


4:
まとめ

高浮彫の派手さは正にアールヌーボー。
宮川香山の焼き物は殖産興業のための輸出品が多く、商売だから当然お客さんの好みに合わせます。
19世紀後半の欧米はアールヌーボー全盛期ですから、当然この手のゴテゴテ型になるでしょう。
これは日本だけでなく、当時のマイセンでもゴテゴテした作品が少なくありません。
しかし蟹、猫、鳩等、動物をモチーフにした作品は日本独自の物。
蜂の巣と蜂なんか、白人には絶対発想出来ない作品です。
欧米人の度肝を抜いたのも容易に想像出来ます。

とても素晴らしい作品しかこの展覧会には展示されていません。
日本人の発想、想像力、技術力、研究心、これらの特異性、素晴らしさを堪能するには最適の展覧会です。
高浮彫のゴテゴテ感にウンザリするか(笑)、心を奪われるか(笑)、自分で確かめに行くのも面白いと思います。





タグ 宮川香山 サントリー美術館 高浮彫 釉下彩 釉裏紅 暗花 並河靖之





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鈴木其一(仮称)、サントリー美術館で開催予定(^.^)

サントリー美術館で『鈴木其一(仮称)』展が開催されます。
2016年9月10日(土)~10月30日(土)

琳派でも江戸後期、幕末の絵師ですから残っている作品の状態が大変良好。
完成した当時の状態に近い。

まだハッキリとは分かりませんが、N.Y.のメトロポリタン美術館蔵の『朝顔図屏風』も展示される様です。
光琳、酒井抱一の『燕子花屏風』に触発され、更に新たな作品になった屏風です。
その出来栄えは、まだ実物を見たことありませんが、世界最高峰の絵画です。
相変らず日本人の想像力と発想の独自性と奔放さを見事に実証した絵画です。
時計の様に回転する構図で、白人には決して発想出来る作品ではありません。

たとえ『朝顔図屏風』が展示されなくても、鈴木其一のみの展覧会はここ数年開催されていませんから、
是非、何が何でも見に行きたい展覧会です(^.^)。

参考
サントリー美術館HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/future.html




タグ 鈴木其一 朝顔図屏風 サントリー美術館





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宮川香山の回顧展開催!

明治の超絶技巧の工芸品の作者の一人、焼き物の宮川香山の回顧展が開かれます(^.^)。

○場所
サントリー美術館

○日時
2016年2月24日(水)~4月17日(日)

○HP
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2016_1/index.html

サントリー美術館はまだ行ったことがなくて、ちょっと油断していて、最近まで開催されるのを知りませんでした(^_^;)。
宮川香山は『美の巨人たち』で2回取り上げられ(2008年、2011年)、以前から知ってました。
(私の記事『美の巨人たち 宮川香山 「渡蟹水盤」』→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1641.html)
(私の記事『美の巨人たち 宮川香山 「葡萄ノ蔓ニ蜂ノ巣花瓶」』→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1656.html)

宮川香山 眞葛ミュージアムは知ってたんですが、横浜だし、土日しかやってないんでちょっと行く機会がありませんでした(^_^;)。
(HP→http://kozan-makuzu.com/)

今回は宮川香山研究の第一人者田邊哲人(たなべてつんど)氏のコレクションが中心だとのこと。
田邊氏のHPの「一般公開」によると、かなり展覧会が開かれ、展示されていた(^_^;)。
参考HP→http://www.tanabetetsuhito-collection.jp/open.html

神奈川県立歴史博物館では常設展もやってる(^_^;)。

今から非常に楽しみです(^.^)。




タグ 宮川香山 サントリー美術館 田邊哲人



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好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
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