『ミュシャ展』
2017年3月8日(水)~6月5日(月)
国立新美術館
HP→http://www.mucha2017.jp/
1:
この画家もかなり前から知っていて、でも、それ程有名じゃないから日本に来ることはないだろうと思っていましたが、
来た(笑)。
だからと言って、
画集とかでゆっくり、じっくり見たこともないですが、スラヴの歴史を描いた連作があり、かなりの大きさだと言う事も、
知らない事もない、その程度でした。
スラヴ叙事詩、全20作、勢揃いで来日。
次はいつ来るか分かりませんから、行ってきました。
2:
土曜日の午前10:30頃到着。
あの地下鉄乃木坂駅から階段を登り切った所にある屋外の当日券売り場は、
草間弥生展もやっているので、ざっと見、20分待ち。
前売り券を持っていたので2階の展示室へ。
ぎょっ(@_@)
な、並んでる。
入場待ち行列アリ。
待つのは苦になりませんが、並ぶのは大嫌い。
でも並ばにゃは入れん(涙)。
それでもありがたい事に、12分で入れた(^.^)。
帰りは正午頃で、入場待ち行列は無し(@_@)。
ちぇっ、いいなぁ(笑)。
当日券売り場も20人位に減っていました。
3:
一般的に、展覧会会場に入ると大型のポスターがよく吊られていて、この『ミュシャ展』も入って早々に、
ドデカいのが
あると思ったら、
ち、違う(@_@)。
実物だ(@_@)。
スラヴ叙事詩2番目、「ルヤーナ島でのスヴァントヴィート祭」であります。
大きさ610cm×810cm。
ど、ドデカい(@_@)。
日本画の屏風もデカいけど、桁違い(@_@)。
一撃で圧倒されました(笑)。
こんなデカい絵、それだけで、存在しているだけで圧倒されます。
入場待ち行列があるくらいですから、会場内は大盛況。
かなりの入場者数です。
しかし、そんな大人数をものともしない大きさ。
つまり、デカいから遠くからでもよく見える(笑)。
映画と同じく、一度に大人数でも見られるように作ったのでしょうか?
4:
そのデカさで、構図とか画面構成、色、そんなもの考えさせません、
少なくとも私にはね(笑)。
雰囲気とか漂わせてもいません。
その大きさで見る人を圧倒しますが、学校の授業以外で絵を描いたことがある方なら、
ミュシャの精神力と情熱に圧倒されるのが分かると思います。
絵を描いている時は、興奮状態になりますから、描き終わると疲労感を覚えます。
小さな絵しか描かない私CYPRESSでも疲れるのに、あんなドデカい描くとなるとどうなるでしょう?
しかも、一枚ではなく、20枚ですよ、20枚(@_@)。
精神力の地力だけでなく、持久力も無ければ完成させられません。
もう一つ圧倒するのが、1912年から1926年まで14年間も描き続けた情熱。
ミュシャの創造力を動かし続けた情熱。
その強さと熱さ、我等素人の横好きには無縁、想像も出来ません。
日本人とチェコ人との違いなんでしょうか?
5:
その昔、印刷物で見た時、色使いは日本で一時期よく目にしたイラスト風でしたが、
実際に見ると確かに淡い色使いです。
薄塗りの油彩(とテンペラだそうです)。
人物には同系色の暗色を使い輪郭線を入れ、これも印刷されるとイラスト風に見える原因だと分かりました。
英語を少々勉強した方なら御存じと思いますが、
英語の”slave”(=奴隷)の語源が中世ラテン語の”sclavus”、スラヴ人の意。
ランダムハウス英語大辞典によると、「中世初期に多くのスラヴ人が奴隷にされたことから」
だから、描いている題材はその色使いと筆致とは程遠く、殺戮と戦争が多い。
反語、逆説なんでしょう。
流れた血、斬られた筋肉と骨、飛び出た内臓、それらの裏側、陰画なんです。
悲しみ、絶望、慟哭を隠すカーテンなんです。
声高に語るだけが説得力を持つのとは違います。
そうした悲しみや怒り、絶望が垣間見えるのが、一枚目の「原故郷のスラブ民族」だと思えます。
舞台は夜。
背後に迫る戦禍と戦火。
多神教の祭司は存在しても、地に付かず宙に浮いている。
チェコ民族の救いとなるのか?
夜空に星は数多(=あまた)あれど、希望の星になるのか?
6:
これだけドデカい絵、簡単には描けません。
ゴッホの様に赤貧だと小さな絵しか描けません。
まず、絵具代が幾ら掛かるのか、空恐ろしい(笑)。
だからミュシャの場合、アメリカ人のチャールズ・クレインから金銭援助を受け、
チェコのズビロフ城のホールで描いたとか。
NHKが2017年3月16日(木)に放送したミュシャの特番でやってましたが、
そのホール、そこも美術館の展示室並みにドデカい。
絵の出来栄え、色の効果や構図などを確認するために絵から離れて見る必要があるので、
スラヴ叙事詩並の絵だと10mから15mは離れる必要があります。
これ位デカいホールが同然必要なんですなぁ(溜息)。
ミュシャ、絵を描いたり、絵の出来栄えを調べるんで行ったり来たりとかなり大変だったゾ。
7:
このNHKの特番ではミュシャがゲシュタポに捕まり、拷問された所まで放送され、
多部未華子が言葉を失っていました。
ミュシャはその後釈放され、4ヶ月後に亡くなったとか…
自分自身で描いたスラヴ民族を同じ様に亡くなるとは…
8:
やはり、世界は広い。
こんなドデカい連作20点もあるとは…(溜息)。
絵画好き、芸術好きなら見ても決して損にはなりません。
圧倒されました(溜息)。
タグ ミュシャ 国立新美術館 スラヴ叙事詩 多部未華子
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術