『原安三郎コレクション 広重ビビッド』

★簡単な紹介

2016年4月29日(金)~6月12日(日)

サントリー美術館

HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_2/


江戸名所百景は去年2015年に江戸東京博物館で全部見たから、まぁそれ程見たくはなく、
今回の目玉はまだ本物を一枚も見てない六十余州名所図会であります。

原安二郎が集めた初摺り、それも時期が早い状態がいいヤツばかりだそうです。
日本国内でも数セットしかないと言うんで、ウキウキと行ってきました。


1:
あらまぁ、今迄画集で見て「六十余州名所図会」は地味だなぁと思ってましたが、
実物も地味だ(笑)。

基本的に上下にジグザグ型の構図になってますな。
特に海や川を取り入れた作品では。
人体の彫刻や人物の全体像の絵画と同じ構図です。
ミロのヴィーナスを初めとするギリシャ彫刻の頃から変わらない動きを与えながらも安定する縦型構図の典型です。
日本の彫刻では、国宝の東大寺南大門の金剛力士像の二体等があり、これもギリシャ彫刻と同じです。
秦の始皇帝の兵馬俑は、副葬品であり始皇帝と一緒に埋めちゃうんでジグザグ型にはなっとりません。

縦型の絵ばかりの六十余州名所図会ですから、絵画の才能に限らず空間感覚、立体感覚があれば同じ様な構図になるのです。

芸術の黄金律は時代と場所を変えても不変であり、これらの六十余州名所図会でも分かります。


私の目を引いたのは、
作品番号23:美濃 養老ノ瀧
作品番号27:下野 日光山 裏見ノ瀧
二つ共題名通り瀧を題材にし、見事に単純化してあるし、その描き方が面白い。
特に養老ノ瀧なんか、太く真っ直ぐな柱ですよ、あれじゃ(笑)。
でも、それがいいんだなぁ(笑)。


2:
名所江戸百景

六十余州名所図会は展示替え無しですが、名所江戸百景は前期後期で半分が展示替えされます。
前期:4月29日(金)~5月23日(月)
後期:5月25日(水)~6月12日(日)

まぁ、これは広重がノリノリの作品はぶっ飛んでいて文句有りません(^.^)。
個人的には近像型が好きなんで、前期展示なら、
作品番号5:日本橋江戸橋
作品番号31:芝愛宕山
作品番号119:はんねたのわたし 弁天の杜
なんかは、堪りませぬ(笑)。


3:
葛飾北斎の「千絵の海

10枚揃うのは先ず無いとのこと。
現存数が非常に少なく、原安二郎の存命中は9枚までは入手出来ましたが、
残念ながら最後の一枚(題名失念(^_^;))は入手出来なかったとか。
死後、最後の一枚がようやく手に入り、揃い、今回の展示になったそうです。
悪い作品は当然ありませんが、希少性が強調されるシリーズです。


4:
土曜日の午後6:00過ぎに行ったので、お客さんの数は若冲とは大違い。
まぁ、人気と珍しさが違いますから当然。
でも、ゆっくり見られるのはいいもんでした。

原宿の太田記念美術館で広重の「東海道五十三次」と「富士三十六景」をやってるんで、こっちも行くゼ(^.^)。





タグ 原安二郎 広重 葛飾北斎 六十余州名所図会 名所江戸百景 千絵の海 東海道五十三次 富士三十六景





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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

『特別公開 広重「名所江戸百景展」』後期展

★簡単な紹介

前期:2015年3月28日(土)~4月19日(日)
後期:4月21日(火)~5月10日(日)

東京都江戸東京博物館

HP→http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/s-exhibition/project/3811/%e7%89%b9%e5%88%a5%e5%85%ac%e9%96%8b%e3%80%80%e5%ba%83%e9%87%8d%e3%80%8c%e5%90%8d%e6%89%80%e6%b1%9f%e6%88%b8%e7%99%be%e6%99%af%e3%80%8d%e5%b1%95/


1:
行ってきました、後期展も。
今回は祝日。
だもんで、午前10:45頃到着。
今回も3回吹き曝し入場券売り場を目指す。
あの広い階段に人影無し。
「らっき~」と喜んだのも束の間。
何と、前回土曜日正午前より全然多い人間が並んでいる(@_@)。

その数、ざっと見、300人(@_@)。

ウォークマンでビートルズを聞きながら岩波文庫版『孟子』上巻を読みながら、
大人しく並び、待ちました。

ありがたい事に、吹き抜ける風が初夏一歩手前で非常に心地良かった(^.^)。
これが8月とかだったらエライ事ですよ。

20分位並んで買えました。
休日なんで働いてる時と違い時間を気にせず。
30分くらいだったかもしれません。

この入場券購入行列、帰り午後1:00頃は、何と、来た時より少なく、ざっと見、100人程。
何だ、こんなんだったらもっとゆっくり来ればよかった、
と思うのもちゃんと早く来たから(笑)。


2:
作品

2-1:
近像型
さて、今回は何点あるか、絵を見ながら、また「近像型」と呼ぶにはびみょーな物もあるので考えながら、数えてみました。
個人的な判断なのでアダチ版画だとか、渡邊美術木版画舗とかの専門家の皆様方とは違うかもしれません。
悪しからず。

次の19点。

展示番号21:芝愛宕山
展示番号35:隅田川水神の森真崎
展示番号37:墨田川橋場の渡かわら竈(=かま)
展示番号39:吾妻橋金龍山遠望
展示番号43:日本橋江戸ばし
展示番号45:八つ見の橋
展示番号51:糀町一丁目山王まつりねり込
展示番号55:佃しま住吉の祭り
展示番号61:浅草川首尾の松御厩河岸(=まつのおんまやがし)
展示番号62:綾瀬川鐘か淵
展示番号65:亀戸天神境内
展示番号73:市中繁栄七夕祭
展示番号75:神田紺屋町
展示番号77:鉄砲洲稲荷橋湊神社
展示番号81:高輪うしまち
展示番号89:上野山内月のまつ
展示番号99:浅草金龍山
展示番号101:浅草田甫酉の町詣
展示番号115:高田の馬場

2-1-1:
近像型と言っても、ぶっ飛んだ「広重型」と言う物ばかりでなく、大人しい(笑)、真面な(笑)作品も在ります。

展示番号35:隅田川水神の森真崎
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail323.html)

展示番号99:浅草金龍山
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail279.html?sights=sensoji)

遠近法に挑戦する様なマネばかりしている訳ではないのです。
「隅田川水神の森真崎」は桜の花の美しさ、視線の邪魔をする物が無く広がる風景の気持ち良さを表し、
「浅草金龍山」は雪景色の美しさ、雪の静謐さ、そして鳥居自体ではなく、鳥居に掛かる大提灯で神域を表し同時に神聖さも表しています。
厳かな雰囲気、人々の金龍山(=浅草寺)に対する思いが大変よく伝わってきます。

2-1-2:
驚天動地の才能躍如
私の様に絵画の「いろは」を知ってるとその驚き倍増、倍増、倍増、倍増、倍増(笑)。
虚を突かれ、心が一瞬消し飛ぶのであります。
プロの絵描きでなくて良かったと安堵のため息が何回も出ます(笑)。
こんな絵見せられちゃ、描き続けられんゼ。
19世紀末から20世紀初頭のパリのサロンの重鎮達は広重や北斎の傑作を見てどうしたんでしょう?

2-1-2-1:
展示番号21:芝愛宕山
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail143.html)
これ、絵の主題は神事を行う神職が持ってる杓文字か(笑)?
厳島神社のつもり(笑)?
オマケにこの杓文字で絵を縦に二分、どっか~ん(笑)。

2-1-2-2:
展示番号37:墨田川橋場の渡かわら竈(=かま)
(参考→http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1312273)
だいたい立ち上る煙を主題にしようとした絵なんて、他にある(笑)?
大気汚染反対、脱硫装置促進のポスターなんじゃないの、これ(笑)?
広重は当時のロンドンの石炭の排煙の被害を知っていたのか(笑)?

2-1-2-3:
展示番号43:日本橋江戸ばし
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail084.html)
これはちょっと面倒臭いので正確な割合を計ってませんが、橋の欄干で画面の三分の一を隠すとは何なんだ(笑)?

2-1-2-4:
展示番号55:佃しま住吉の祭り
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail060.html?sights=tsukudajima)
この絵は題名から分かる通り祭を主題にした絵で、どう考えても中央の神輿と担ぐ人々が主題のはずなんですが、
なんでその神輿と人々を幟でぶった切り隠すんでしょう(笑)?
オマケにこの絵でも幟で絵を縦に二分、どっか~ん(笑)。

2-1-2-5:
展示番号77:鉄砲洲稲荷橋湊神社
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail065.html)
竹竿を二本も立てて何をしたいんだ(笑)?
絵の中ではこういう物は強力で、画面左の竹竿は富士山の稜線をぶった切っています。
そこで富士山の存在感をかなり弱め、竹竿と竿を支える二本の綱で富士山の代わりの「富士山」型を作ってます。
その「富士山型」竹竿の根本は隅田川、そこに浮かぶは米俵を満載した船、船。
そして河岸には蔵、蔵、蔵。
ほ~、ここまで見ると分かってきました。
この絵、富士山を眺め広大な江戸の町並みを楽しむ絵ではありません。
設定された季節は秋ですから、五穀豊穣、人々繁栄を願った絵なんです。

2-1-2-6:
展示番号81:高輪うしまち
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail179.html)
「どひゃぁ~」な絵(笑)。
こんな単純な風景画の中に大八車を入れ見る人々の意表を突く絵。
大八車の車輪は絵の中で強力この上なく、二匹の子豚の如き子犬の存在感を見事に半減(笑)、
普通の子犬にしている、つもりか(笑)?
いや、どう見ても子豚、ミニ豚じゃないか(笑)。
まぁ、そんな戯言を考えさせる程この大八車は強力なんです。
画面左手の虹はこの大八車を画面上でバランスを取るための脇役にすぎません。

2-1-2-7:
展示番号89:上野山内月のまつ
(参考→http://www.bestweb-link.net/PD-Museum-of-Art/ukiyoe/ukiyoe/edo100/No.089.jpg)
こんな松、あるはずねーだろー、
と思ったのは19世紀末の白人も現代の私CYPRESSも同じ。
し、か、し、だ皆の衆。
あるんだ(@_@)。
上野経済新聞の記事↓
http://ueno.keizai.biz/headline/1241/

何もゆー事はありません(笑)。

2-2:
天才の凄味。
天才の恐ろしい程の能力。

近像型で数々のぶっ飛んだ才能を見せた歌川広重
そのもう一つの才能の面を示した一枚が在りました。
それもぶっ飛んだ絵を何枚も示した連作の中に入れました。
広重の伝記や研究書を読んでないので確かなことは分かりませんが、
広重自身は間違い無く近像型の画面構成、構図は絵を壊す事を知っていたに違いありません。
そして自身には絵を壊さずに近像型の作品を作れる才能がある事も知っていたに違いありません。
それを示した、実証した作品が、

展示番号75:神田紺屋町
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail023.html?artists=utagawa-hiroshige-1)

近景の藍染した浴衣生地を何枚も描き、他の近像型に見られる中景と遠景の殆どを見せず殺しています。
特に画面右半分は完全に消し、近景の浴衣生地を強調し、
左半分は小さく描き無理なく遠近感を出しています。
左半分から進む視線の流れは右半分の浴衣生地のおかげで遮られ画面の外へ流れず、「ん?何だ」と画面内に留まり、
浴衣生地の垂直線に沿って動くとそこには版元魚栄(=ととえい)の一文字「魚」。
「魚」の行列。
版元の宣伝を無意識に読まされているのです(笑)。

近像型で絵を壊さない秘訣は、強調した近景の背後に中景と遠景を描かない。
ここまででも脱帽ですが、オマケにその近景に版元の宣伝までする頭の働き具合。

圧倒的な実力、
天才とはこういう能力を言うのです(溜息)。

2-3:
気になる作品。

2-3-1:
展示番号33:四つ木通用水引き船
(参考→http://www.bestweb-link.net/PD-Museum-of-Art/ukiyoe/ukiyoe/edo100/No.033.jpg)
この用水、解説のよると絵と違い真っ直ぐだったとか。
どこが気になるかと言うと、画面左側ほぼ中央、右に向かって三角形の濃い墨の部分。
かなりおかしい。
この濃い墨の三角形が用水の曲がり具合と一致してます。
はは~ん、分かりましたゾ。

画面の中の垂直線や水平線は動きが無いんです。
単なる直線でも斜めにすると動きが生まれるように人間の目には見え、関心を捉えるものなのです。
だから写真で「物撮り」をする時、物を斜めに置いて撮ります。
特に広告では、まず人に見てもらわなければ何事も始まらないので絶対動きを感じさせる構図や構成にします。

この「四つ木通用水引き船」では、用水を蛇行させ絵に動きを与えました。
更に絵に「関心獲得力」を加えるために、今度は明度に強弱を加えました。
それが用水右岸の薄い黄色の道と画面左側の濃い墨の「三角形」です。
「三角形」から違和感、わざとらしさを減らすために形を用水に合わせ三角形にしたんです。

ん~、だからと言って巧いとは言えん。
かなり強引。
広重でも苦し紛れでこういう事をするんだ(笑)。

2-3-2:
展示番号59:両国橋大川ばた
(参考→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail117.html)
これ、広重とは思えない色使いをしています。
それは、お馴染み、べろ藍。
重たく強い色なので大変注意深く広重は使っています。
例えば、川を描く場合、
絵の一番下に入れるか、一番下にならなくても河原等を描き重さを分散させ感じさせないようにする、
などしています。

ところがこの絵では大川の川岸沿いに入れているのですが、
画面上、その下に両国の露店とそこの集まる人々があり、完全に押し潰しています。

これはおかしい。
実に変です。
色のバランス、特に明度のバランスが悪く、絵を壊しています。
広重は何も考えずこんな色使いをするはずありません。

では、広重の意図を考えましょう。
大川に負けぬ両国の露店と江戸の人々でしょうね。
現代の隅田川と当時の大川の恐ろしさは違うのです。
気象衛星と天気予報の無かった時代ですから、川を初め自然は遥かに恐ろしかった。
こう考えると広重の意図も納得。

2-3-3:
展示番号58:大はしあたけの夕立
(参考→http://www.bestweb-link.net/PD-Museum-of-Art/ukiyoe/ukiyoe/edo100/No.052.jpg)
前期後期共に展示されたのは、他に「亀戸梅屋鋪」、「亀戸天神境内」位。

改めて、と言うかもう一度見ると、やはり、墨線の細さと鋭さは、「名所江戸百景」の中でも随一。
木版ではなく、一枚一枚ペンで描いたかの様であります。
彫師と摺師の腕前に感嘆。
やはり傑作です。


3:
まとめ

やはり素晴らしい(笑)。
まぁ、当然か(笑)。

それでも大したことない絵も少なくはありません。
広重の絵心を刺激しない風景と題材だったのでしょう。
おそらく、人の「匂い」や「存在感」を感じない風景だったのではないでしょうか?
単なる田園風景、そんなもんに関心が無かったのかもしれません。
それはそういう風景を見慣れた当時の人だったからで、逆に現代の我々が退屈な田園風景を見るといかに心休まるか、
視線を遮る悪く目立つ人工物ない風景がいかに目に心地良いか、感動しきりだったかもしれません。
この点のことは、石川英輔が書いた『大江戸神仙伝』初め『大江戸シリーズ』で主人公速水洋介が何度も経験しています。

また、花見を初め物見遊山を題材にしても、どうも行楽や娯楽とは見えません。
それぞれの行楽の名所でも人出の少なさが我々現代人には、残念ながら不自然に写ってしまします。
まぁ、幕末の江戸市中の人口は100万人程度だったらしく、現在の東京都だけでも1,300万人もいるんで当然と言えば当然。
逆に、速水洋介が体験する様に行楽地でもない極普通の市街地、田園でも美しかったのでしょう。


4:
オマケ
常設展E3-1
ここに広重の「亀戸梅屋鋪」の版木と摺の見本があります。
この絵は15回摺ったそうな。




タグ 広重 名所江戸百景 石川英輔 大江戸神仙伝 神田紺屋町 大はしあたけの夕立




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『特別公開 広重「名所江戸百景展」』前期展

★簡単な紹介

前期:2015年3月28日(土)~4月19日(日)
後期:4月21日(火)~5月10日(日)

東京都江戸東京博物館

HP→http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/s-exhibition/project/3811/%e7%89%b9%e5%88%a5%e5%85%ac%e9%96%8b%e3%80%80%e5%ba%83%e9%87%8d%e3%80%8c%e5%90%8d%e6%89%80%e6%b1%9f%e6%88%b8%e7%99%be%e6%99%af%e3%80%8d%e5%b1%95/

名所江戸百景」をまとめて見られるのはここ数年無かったので喜び勇んで行ってきました。
ただし、HPには前期と後期については明示してません。
前期の終わり間近にまず行ってきました。


1:
JR両国駅に降りたのは、数十年振りだと思います。
この駅は何と言っても大相撲と両国国技館ですよ、ハイ。
構内改札口手前には横綱白鳳の巨大肖像画や歴代横綱の手形のコピーが在り、中々良い雰囲気であります。

土曜日のお昼前に行くと、3回の吹き曝し入場券購入待ち行列は5人程。
帰り午後1:30頃には、これが200人程になり、1階のミュージアムショップ横でも100人程並んでました。
「大関ヶ原展」のおかげで、こちらは入場制限してました。


2:
HPには展示替えがある事は書いてありますが、期間が書いてません。
展示作品も浮世絵は全部で139点。
ほぼ半数が展示替えされます。

入場料は\600と常設展の料金で見られますが、前期後期両方見ると\1,200。
ん~、何か納得いかん微妙なお値段。

でも広重だから全部見たい、2回行くゾ(笑)。

3:
展覧会とか展示法とかに文句は有っても、作品自体に文句があるはずありません。
天才でありますから。

天才の作品ですから、「素晴らしい」に類した形容詞しか書いていませんので、そのつもりで(笑)。
別に提灯持ちのつもりはないんですが(笑)。
でもそうしてしまう実力が未だに衰えないのが広重大先生であります(笑)。


3-1:
これだけ本物が揃ったのは初めて。
まず目に付くのは、色の鮮やかさ。
19世紀後半、初めてヨーロッパの白人が見て驚いたのを容易に想像出来ます。
オマケに多色摺りの版画なんて当時の欧米に無かったからねぇ~。
その技術、特に「見当」には驚いた事でしょう。

色では、やはりべろ藍が一番目立つし、だからと言ってべろ藍を目立つだけにしない色使いと構図の巧みさ。

構図はこれだけ見ると、直線的なジグザグ型が多いのが発見でした。

では、全作品に書くのは面倒臭いから(笑)、
印象が強かった物を、

3-2:
有名どころから、
展示番号30:亀戸梅屋舗
展示番号58:大はしあたけの夕立

3-2-1:
展示番号30:亀戸梅屋舗
(参考、国立国会図書館のHPから→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail348.html?sights=umeyashiki)

私が好きなファン・ゴッホが模写して日本では超有名になった作品。
近景の梅の幹のボカシ具合が非常に美しく、巧い。
19世紀後半の白人はこの幹のボカシを見ただけでも非常に驚いたでしょう。
琳派のたらし込みで表現する幹の効果も素晴らしいですが、この木版でのボカシ具合も美しさを強調する点で大変素晴らしい。

3-2-2:
展示番号58:大はしあたけの夕立
(参考、国立国会図書館のHPから→http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1312294)

これもファン・ゴッホが模写し超有名になりました。
天才ファン・ゴッホが気に入るだけあり、この絵も素晴らしい。
この絵、本物を見た方なら納得出来ると思いますが、非常に不安定。
見続けるとくらくらしてくる程です。
こんな不安定な絵、白人は描こうとさえ思った事無いでしょう。
広重が天才と言われる所以は、この大胆な発想を実行出来る点にあるんです。

夕立だけなら、こんな不安定な構図は必要在りません。
では、なぜ?
夕立と仲良し(笑)雷が落ち、火災が発生する恐れですな。
江戸の街は火災だけではなく、大火が多かったのでその恐怖ですよ。
その犠牲になるか、ならないかは大川の彼岸と此岸の差かもしれません。
だから急いで橋を渡ってるのです。

もう一つは、台風の恐怖。
それに台風や高潮による洪水の恐れもあります。
夏の雨から台風の恐怖を当時の江戸の人々が直ぐに連想したでしょう。
現代の東京とは違います。

当時の自然に対する恐怖、これが非常によく、痛い程伝わってくる不安定な構図です。

また、夕立の強い雨脚を表す無数の墨線、これも素晴らしい。
その細さが鋭さを際立たせ、非常に効果的です。

大変素晴らしい絵です。

3-3:
近像型

3-3-1:
展示番号35:真崎辺より水神の森内川関屋の里を見る図
(参考、国立国会図書館のHPから→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail459.html)

これ、何が主題なんでしょう(笑)?
こんな構図と画面構成、絵画的常識を笑い飛ばしとります(笑)。

私の様に少しでも絵の基本を知ってると、ビックリを通り過ぎ笑顔になる絵です。

3-3-2:
展示番号52:赤坂桐畑
(参考、国立国会図書館のHPから→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail123.html)

画面構成上、最も近い桐の木で画面を縦に真っ二つにするは、
絵の主題が桐の木なのか、風景画なのか、常識を吹っ飛ばす怪作、傑作(笑)。
もおぉ~、広重の発想の大胆さとそれを作る実行力、そんな絵を許す版元魚栄(=ととえい)。
こういう絵を見てると、白人の描き続けた絵は退屈で興味を失います。
こういう絵に敵うのは、白人だとファン・ゴッホだけだなぁ、個人的には。

3-3-3:
展示番号72:はねたのわたし弁天の杜
(参考、国立国会図書館のHPから→http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1312308)

この絵の主題、舟をこぐ人なのか、羽田の弁天様なのか、
そんな事を笑い飛ばす素晴らしい画面構成の絵。
広重の才能に圧倒されればいい、それだけ(笑)。

3-3-4:
展示番号80:金杉橋芝浦
(参考、国立国会図書館のHPから→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail151.html)

風景画なのか、幟を描いた商品見本の絵なのか(笑)?
大胆不敵の絵師、広重
天才!

3-3-4:
展示番号86:四ツ谷内藤新宿
(参考、国立国会図書館のHPから→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail182.html?sights=naitoshinjuku)

私が広重の才能に驚いた最初の絵がこれです。
馬の後姿を描いた絵なんて、誰が描こうと思いますか(笑)?
しかも前後の両脚だけですよ(笑)。
オマケに小さいながら馬糞まで描く写実描写(笑)。

最初に見たのは、30年前か40年前か、何年前かは覚えてなくても、
その時の驚きは今でもクッキリと記憶に刻み込まれています。

驚天動地の才能です。

こういう天才が同じ日本人にいると日本人として大変誇らしい(^.^)。

3-3-5:
展示番号94:真間の紅葉手古那の社継はし
(参考、国立国会図書館のHPから→http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1312330)

これ、いちおー、風景画なんです(笑)。
それなのに、何で画面中央を近景のモミジの葉っぱで隠すんだろう(笑)?
オマケにこれを描いた時、60歳ですよ、60歳(笑)。
現在の60歳の画家でこんなぶっ飛んだ構図の絵を描ける画家はいないだろうなぁ(溜息)。

「天才」と言う形容詞を私がこのブログで殆ど使わないのは広重や北斎がいたからです。

3-4:
不安定構図
こんな絵描く絵師、お茶目な広重以外いないなぁ(笑)。
私が見た限り、北斎でもこういうある意味アホな(笑)絵は描いていません。

3-4-1:
展示番号70:中川口
(参考、国立国会図書館のHPから→http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1312306)

これ、画面左上の川の描写がおかしい。
参考映像を見て頂くとわかるんですが、川の水が溢れそうだしそこにいる猪牙船(=ちょきぶね)が手前、見ている人の方に落ちてきそう(笑)。
ところがもう少し絵に近付いて見ると、その川の上に霞が掛かっていて、その霞が無ければそうは見えない、思えないんです。
つまり、この画面構成、見ている人の関心を掴んでこの絵「中川口」をもっとよく見てもらおうとしてるんです。
こーゆーのを、お茶目と言うんです(笑)。

やられた(笑)。
天才です、広重は(笑)。

3-4-2:
展示番号78:鉄砲洲築地門跡
(参考、国立国会図書館のHPから→http://www.ndl.go.jp/landmarks/details/detail053.html?artists=utagawa-hiroshige-1)

この絵では、後景の築地本願寺が大き過ぎ、明らかに遠近感が狂ってます。
しかし、この絵も「何でだ?」ともう一度見直すと、築地本願寺の手前にある霞のおかげで遠近感が狂ってる様に見えているだけなのが分かります。

またしても広重の思う壷の嵌ったCYPRESSです(笑)。

広重、お茶目(笑)、最高(笑)、大好き!(^.^)。


4:
天才の圧倒され続け、あーだこーだと書くつもりはないけど…、
書いているか(笑)。
構図や色使い、画面構成の分析、こーゆーのはやる気が起きません。
面倒臭いから(笑)。

ただ、今回気付いたのは、べろ藍で水を強調してる事。
川岸両岸に使い際立たせたり、水流の中央に使い川の流れを強調してます。

その理由を考えるのが面倒臭くなる、それが天才の実力であります(笑)。


5:
この展覧会で気になったのは、説明の中で「ベロリン・ブルー」と書いてある事。
「べろ藍」でしょう、浮世絵なんだから。
カッコつけただけのカタカナ表記は非常に醜い。


6:
後期展も絶対、絶対、絶対、絶対、絶対、絶対、行くゾ(笑)。





タグ 広重 名所江戸百景 江戸東京博物館




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『日曜美術館 江戸の肖像画~広重 「名所江戸百景」~』

★放送
2014年1月5日
2014年1月12日再放送

HP放送分→ http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2014/0105/index.html


1:
広重の浮世絵は大好き(^.^)。

大胆不敵、驚天動地の構図、「近像型」がすごいんだなぁ(^.^)。
文字通り近景に在る物を大きく描き、強調してます。
この「名所江戸百景」だと、全体の三分の一がこの近像型で、
梅の枝、馬の後足、橋の欄干、牛車の車輪、亀、鯉のぼり、桜の花と幹、船の櫓と漕ぎ手の両腕、松の枝と幹、
等を描き、強調してます。

こんな構図、白人の絵には有りません(溜息)。

実に素晴らしい発想。

摺りの技術も私の様な素人にはただただ溜息の連続。


2:
感嘆の溜息の45分間でした(^.^)。



タグ 広重 名所江戸百景 日曜美術館



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気になる監督は堤幸彦。
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