『鈴木其一 江戸琳派の旗手』その4

はい、また行ってきました。
今回は日曜日の昼前に。
やや、入り口に並んでいる(@_@)。
係のお姉さんに尋ねたら入場券購入行列でした、ほっ(^.^)。

いつもの如くエレベーターで4階へ。
う、う、う、う、混んでる。
でも、隙間が無くて覗けない程には混んでませんでした。

こんなに人気があるとは予想してませんでした。

では、展示替えされた物から見ましょう。


1:
作品番号:42
「夏秋渓流図屏風」
根津美術館

根津美術館で2014年「『特別展 燕子花図と藤花図』 光琳、応挙 美を競う」で見た以来。

1-1:
何か地味で極ありふれた林間と流れの絵なんですが、改めて見ると何やら地味な力があり視線と関心を捉えます。
渓流に使ってる群青が強いんです、地味だけど。
そして、動きがあります。
川の流れだから動いていて当然ですが、我等素人の下手の横好きには出来ないんですナ、これが。
その原因は何かとよく見ると、分かりました。
金泥で細く流れの線を入れているんです。
この金泥の細線が予想外に効果的。
まぁ、鈴木其一位の絵師ならこの程度の技とその効果を知っていて当然か(笑)。
それでも、中々の出来で、暫く見続けました。
全然見飽きないんです。
渓流の流れ(=動き)と音と周りの匂いをまざまざと、ハッキリと想像出来、楽しい(^.^)。
これは、凄いヨ、本当に(^.^)。

日本人は水の表現が非常に巧いと改めて実感しました。
自分が見た作品を思い出すと、
北斎の「神奈川沖浪裏」、光琳の「紅白梅図屏風」、長谷川等伯「波濤図屏風」、
省略と誇張、意匠化がとても巧く、西欧絵画とはレベルが違います。
国立西洋博物館にあるクールベの「波」みたいに写実的に描けばいいってもんじゃありません。
日本の絵師の水の表現は、絵画表現としての力と効果が段違いに強い。

1-2:
そして、地味な(笑)絵画空間にあって唯一の華やぎが右隻のヤマユリと左隻のサクラの紅葉。
根津美術館で見た時には、単なる彩りとしか思わなかったのですが…
今回、渓流の流れに視線を関心を捉えられ改めて細かい所まで見てあーだこーだ考えると、
彩りだけでヤマユリとサクラの紅葉を入れたのか?、と疑問が湧いてきました。

ふふ~ん、分かりました。
彩りだけなら左隻、秋の部分にモミジを入れても何ら問題はありません。
では、なぜサクラの紅葉を?
答はヤマユリ。
ヤマユリと対になってるんです。
何が対になってる?
香りです(^.^)。
ヤマユリの強い香りはよく知られていますが、サクラも紅葉の後半、
この絵にも描かれている落葉の頃になると仄かな香りを漂わせるんです。
桜餅のあの香りです(^.^)。

夏の香りヤマユリ、それに対する秋の香りがサクラの紅葉、なんです。

流石其一、よく考えています(^.^)。
やはり21世紀の人間より自然との係わりが深い。

1-3:
もう一つ目に付くのが、画面下部、左、中央、右、にある広い金箔。
「金箔」と書いたのは、本当に金箔を貼ってあるだけだから。
これも、何やらおかしい、変、不自然、異物感アリ。

檜林の中の木が疎らな部分、そこに日が落ちているのを表しています。
日の当たる部分が無くても、絵としておかしくなく、絵が壊れることもありません。
無ければ色の力の関係で非常に安定し重厚な屏風になるはずです。
そこに金箔で日が落ちる部分を入れたのは、渓流を際立たせるためです。
他の明度の高い色なら画面を壊しませんが、金箔にしたのは色数を抑えるためでしょう。
色の系統を二つにしています。
まず、土色系。
背景の金箔、、日が落ちる部分の金箔、檜の幹の茶、サクラの幹と枝の濃茶、クマザサの隈の薄茶、岩肌の濃茶。
もう一つが青。
檜の葉の緑青、苔の緑青、ヤマユリの葉の緑青、渓流の群青。

そこに彩りとして加わるのが、
ヤマユリの花の胡粉、ヤマユリの花粉の朱、サクラの紅葉の朱。

この様に色使いとしては完璧なんですが、やはり画面下部の金箔が少々ですが、強過ぎます。
理由としてありそうなのが、
私の様な絵について少々訳知り顔(笑)にこれは何だ、何のためだ、と困らせるため(笑)。
そう、お茶目な鈴木其一が冗談としてやったのでは、と勘繰ってます(笑)。

1-4:
こんな感じで中々の佳作です。
いい絵です(^.^)。


2:
作品番号:44
「風神雷神図襖」
東京富士美術館

展示替えで一番見たかった絵。
俵谷宗達尾形光琳酒井抱一、と描き続け、鈴木其一がどう描くか、興味津々でした。

2-1:
第一印象。
保存状態が悪い。
江戸後期から幕末にかけての絵師で、作品自体は一番新しいのですが、その割に状態が悪い。
絵具の剥落が多い。

それでも、引手の辺りに手垢による汚れが無く、殆ど使われなかったか誰も来ない所に嵌められていた様です。

2-2:
全体の印象は、う~ん、弱い。
尾形光琳筆と同じく、弱い。
雷神様の左から右に流れる細帯が鈴木其一の作も勢いが無い、力が弱い。
また風神様も、どうも胴体と風袋の色のバランスが悪い。
風袋が小さい。
色が胡粉の純白なら問題なさそうです。

悪くはないんですが、建仁寺の俵谷宗達の作品を見ちゃうと粗ばっかり目立ちます。

鈴木其一尾形光琳の作は、風神様、雷神様、ではなく、風神ちゃん、雷神ちゃんだよなぁ…(溜息)。


3:
作品番号:67
「朝顔図屏風」
メトロポリタン美術館

はい、何回見てもいい(笑)。
花の群青を胡粉の白が物凄く引き立てています。
そしてぐるぐる回るアサガオ、すげーワ(^.^)。


4:
お土産

何と、前回は無かった朝顔図屏風のクリアファイルがある(@_@)。
お値段、何と、¥700(@_@)。
た、高い(^_^;)。
それから俵谷宗達の「風神雷神図屏風」のクリアファイルも発見。
これは¥300。
勿論両方買いました。




タグ 俵谷宗達 尾形光琳 酒井抱一 鈴木其一








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開館50周年記念 『美の祝典 III 江戸絵画の華やぎ』

○会期
2016年6月17日(金)~7月18日(月、祝)

出光美術館

HP→http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html

また行ってきました。

今回は酒井抱一が色々出るんで、楽しみ、楽しみ(^.^)。


1:
紅白梅図屏風
酒井抱一
紙本銀地着色

左隻が白梅。
右隻が紅梅。

背景が銀箔で冷たい感じになっています。
左隻の白梅は問題無いんですが、右隻の紅梅が、汚い。
幹、枝だけでなく、花まで茶色い(@_@)。
なんでこんな色にしたんでしょう?

全てが分かることはないんで、まぁ、これからの楽しみであります(^.^)。
苦しみにならん事を祈ってます(笑)。

更に、銀地にした理由は何でしょう?
梅が花咲く晩冬用ではありません。
冬に使うにはあまりにも寒い絵です。
逆に夏用ではないかと思います。


2:
風神雷神図屏風
紙本金地着色

八ッ橋図屏風
絹本金地着色

酒井抱一

前回見たのは2014年の『日本絵画の魅惑』展(2014年5月9日(金)~6月8日(日))以来。
この時は前期が「風神雷神図屏風」、後期が「八ッ橋図屏風」。
二つ並んで同時に見たのは今回が初めて。

いい、それだけ(笑)。
江戸中期の作だけあり、奇跡の様な保存状態です。
この保存状態の良さを見るだけでも、見る価値があります。


3:
十二ヵ月花鳥図貼付屏風
絹本着色
酒井抱一

これは初めて見ました。
驚きました(@_@)。
実に美しい絵です。
題名の通り、12枚の自然の美。

色調を金茶でまとめていて、非常に上品であり落ち着いています。
「花鳥」の題名の通り花、植物を描いてますが、日本画の色の特徴である緑、緑青を殆ど使っていません。
薄墨、薄い褐色を使い、緑の使い方は最小限。
ヤーコプ・ファン・ロイスダール等17世紀オランダ絵画の風景画の木々の様です。
しかしながら、美しさは段違い。

更に題名の「花鳥」から全てに鳥か昆虫が描かれています。
鳥(オシドリ、白鷺、鶯、雀等)、昆虫(モンシロチョウ、クロアゲハ、キリギリス、オオカマキリ等)、
これらが表わすのは「飛ぶ→動く→時間の流れ、季節の移り変わり」

素晴らしい(^.^)。

構図は縦型の黄金律である上下に走るジグザグ型。
左隻左から4番目の菊なんか、背後に濃墨で竹を加える完璧さ(^.^)。

また、左隻左から3番目の柿の描き方が、分からん。
でもとても美しい(^.^)。

右隻左端のアジサイの七宝焼きの様な美しさ(^.^)。
(七宝のモチーフでアジサイがよく使われてますが(笑))

構図、色使い、構成、題材、全く抜かりがありません。
改めて絵師としての酒井抱一の実力に圧倒されました(^.^)。
特に色彩感覚の秀逸さ、これには参りました(笑)。

久し振りに30分は見続ける絵と出逢いました(^.^)。
見飽きない絵です。


3:
今回は酒井抱一の「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」、
これにつきます。

他はどうでも宜しい(笑)。
他を圧倒してました。






タグ 酒井抱一 十二ヵ月花鳥図貼付屏風 風神雷神図屏風 八ッ橋図屏風 紅白梅図屏風 出光美術館





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開館50周年記念 『美の祝典 II 水墨の壮美』

★簡単な紹介

出光美術館

2016年5月13日(金)~6月12日(日)

HP→http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html


国宝、「伴大納言絵巻」10年振りの公開だそうですが、全く興味が無く、
長谷川等伯の屏風が何点か展示されるんで行ってきました。


1:
おやまぁ、流石出光美術館、ビックラ(笑)。
作品も見事なら、展示順もこれまた見事でした(笑)。


2:
国宝「伴大納言絵巻」

興味はなくても、「美味い不味いは食してから言うもの」を信条にしていますから、
まずは見てみる。

状態はかなり悪いです。
シワ、ヒビだらけ。
でも、細い墨線の線描が並ではありません。
これもねぇ、素人に出来ぬ技であります。
この墨線だけでも国宝になるのも納得。


3:
屏風

3-1:
最初が長谷川等伯の2点

作品番号35:松に鶴、柳に白鷺図屏風
作品番号36:竹鶴図屏風

まぁ当然なんですが、筆の描写が巧い(笑)。
竹の幹の真っ直ぐな事。
鶴の生き生きとした描写。
それも野生の強さ、逞しさに満ちた立ち姿。
こんな風には我等素人の横好きには永遠に描けんですヨ、本当に(笑)。

両方の屏風の奥行き感、立体感を感じさせる空白の使い方の巧さ。
東京国立博物館の国宝「松林図屏風」と同じです。
漂う静謐感。
そして、緊張感。
この緊張感は実は、この後、池大雅与謝蕪村の屏風を見るとハッキリ分かります。

400年以上前の桃山時代の作ですから、当然汚れ、変色、剥落は避けられません。
しかし等伯の作品では、「松林図屏風」も含め、この古色が味わいや趣と言ったものを良くしていますね。

期待通りの素晴らしさです(^.^)。

3-2:
作品番号44:西湖図屏風
狩野元信

等伯より古く桃山時代の作。
彩色されていますが、これも古びいい味わいになっています。
この古び具合が今回の展覧会の展示順では大変効果的になっています。
等伯の墨一色の世界から煌びやかな彩色の世界へ一気に進まず、古びた風合いが目と心の緩衝域になり、
とても心地良く、彩色への慣れる時間になっています。

また西湖という異国情緒の画題で、一息つく効果もあります。

因みに、「西湖」は富士五湖の一つではなく、中国の方ですから「せいこ」です。

3-3:
作品番号59:十二ヵ月離合山水図屏風
池大雅

作品番号60:山水図屏風
与謝蕪村

どちらも1700年代中盤の作品。
等伯、元信の作品と比べると汚れ、退色、剥落がとても少なく、エラくキレイです。
そして彩色も淡く、湿潤な気候も表し、全体に丸い、優しい雰囲気が漂ってます。

ここで等伯の作品の緊張感が大変よく分かりました。
等伯の屏風の緊張感は、ある意味、とても写実的でいかにも自然そのものなんです。
大雅と蕪村の屏風の丸さ、優しさも自然にありますが、どちらかと言えば芸術的であり、人工的なんです。
二つの違いは良し悪しではなく、好き好きです。

この二つの対比が大変面白く、興味深い(^.^)。
大変巧い展示順と展示法です。

3-4:
展示順の効果

等伯→元信→大雅、蕪村
の順番は、
緊張感→一息つく→丸さ、穏やかさ
の変化になっています。

まず、入り口付近で等伯の緊張感に出逢い、鑑賞者は「襟を正す」です。
お、ちょっと気を抜かずに見るか、と心構えができます。
そして元信では心と目に一息。
最後、出口近くでは穏やかになれる。
出口を出て右を見れば皇居の森と日比谷のビル群の光景。

とてもよく考えられ、効果的な展示順です(^.^)。

4:
その他、出光美術館の所蔵の逸品の数々。

作品番号42:破墨山水図
雪舟等楊
室町時代

22cm×35cmの小品。
とても巧くまとめてあります、まぁ当然だけど(笑)。
これ位ならどこにでも飾れるから、欲しかったなぁ(笑)。
東京国立博物館の国宝「秋冬山水図」と比べるとエラく保存状態が良くキレイです。

その他、
田能村竹田
青木木米
富岡鉄斎
浦上玉堂
谷文晁
渡辺崋山
等々、日本画史の巨匠ばかり。
お気に入りの作品の前でしばしご堪能を、状態(^.^)。


4:
まとめ
人出もそれ程多くなく、ゆったり、ゆっくりと見て楽しめました。
展示順が素晴らしい(^.^)。

次回は『美の祝典 III 江戸絵画の華やぎ』。
館自慢の酒井抱一
「八ッ橋図屏風」
「風神雷神図屏風」
「紅白梅図屏風」
が展示されます(^.^)。

楽しみ(^.^)、楽しみ(^.^)。
待ちきれません(^.^)。




タグ 出光美術館 長谷川等伯 狩野元信 池大雅 与謝蕪村 酒井抱一 田能村竹田 青木木米 富岡鉄斎 浦上玉堂






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『鈴木其一 江戸琳派の旗手』その1

サントリー美術館で今秋開催される鈴木其一の回顧展の名称が決まりましたね。
『原安二郎コレクション 広重ビビッド』へ行ったらチラシがあり、HPでも名称があります。

HP→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/future.html


チラシに主な展示作品の紹介があり、

「夏秋渓流図屏風」、六曲一双、根津美術館(→これ、見ました)
「藤花図」、一幅、細見美術館(京都)
「水辺家鴨図屏風」、六曲一双、細見美術館(京都)
朝顔図屏風」、六曲一双、メトロポリタン美術館(米国、N.Y.)
風神雷神図襖」、八面、東京富士美術館

です。

個人的な目玉は、何と言っても、光琳と抱一の「八ッ橋図屏風」、光琳の「燕子花図屏風」から発展した
朝顔図屏風
です。
しかも、この絵の構図、ぐるぐる回っている(@_@)。
ぐるぐる回ってる絵なんて、鈴木其一以外で聞いた事もないし、見たこともない(@_@)。
出不精ですから八王子へ行く気なぞ無く、更に京都の細見美術館は私には辺境だし、
アメリカなんて銀河系のそのまた先でありんす(笑)。

また「風神雷神図襖」も楽しみです。
宗達、光琳、抱一と来て、鈴木其一がどのように描いているか、興味津々です(^.^)。

とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、
楽しみな展覧会です(^.^)。


鈴木其一と関係して、
東京国立博物館で、
鈴木其一の師匠酒井抱一の重文「夏秋草図屏風」が総合文化展の作品として
本館8室で2016年9月21日(月)~10月30日(日)に展示されます。
光琳の「風神雷神図屏風」の裏に描かれたアレです。
更に、本阿弥光悦の国宝「舟橋蒔絵硯箱」も総合文化展に一品として本館12室で2017年1月2日(月)~3月20日(月)に展示されます。

参考、東京国立博物館の展示、年間スケジュール→http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1255#2_4
このページの「名品の展示予定」の下の方です。

また、出光美術館の『開館50周年 美の祝典III -江戸絵画の華やぎ』(2016年6月17日(金)~7月18日(月))では酒井抱一の「風神雷神図屏風」が展示されます。
HP年間スケジュール→http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/index.html#schedule





タグ 鈴木其一 酒井抱一 本阿弥光悦 風神雷神図 夏秋草図屏風 舟橋蒔絵硯箱 朝顔図屏風 八ッ橋図屏風 燕子花図屏風 光琳





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『没後10年 ロバート・ハインデル展 光と闇の中の踊り子たち』

★簡単な紹介
そごう美術館
2015年7月4日(土)~7月26日(日)

HP→https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/15/robert/index.html

NHK Eテレの日曜美術館アートシーンで紹介され、画面からでも伝わる雰囲気があるので、
見たくなり、4週連続で展覧会へ行く事に決定(笑)。

ロバート・ハインデルは全然知らない絵師なんで興味津々。
そごう美術館は横浜にあり、横浜と言えば宮川香山の眞葛美術館なんですが、まぁ、いつでも行けるんで、
先に行って見てみると…


1:
これは、ビックリ、やられた(笑)。
久々に大ヒット(笑)。
凄くいい(笑)。

何だかんだと考えさせないただ視線と心を引き付けたままの強力な作品ばかり。
言葉を奪います。

見ているだけで気持ちいい絵なんて、いつ以来?
俵谷宗達『風神雷神図屏風』、酒井抱一『風神雷神図屏風』、『八ッ橋図屏風』、長谷川等伯『波濤図屏風』、圓山應擧『藤花図屏風』、
エドゥアール・マネ『笛を吹く少年』、フィンセント・ファン・ゴッホ『糸杉』、『種まく人』、ヨハネス・フェルメール『天文学者』
何だ、結構あるじゃん(笑)。

20世紀後半から21世紀初頭にこれ程絵心があり、史上最高峰の絵師に匹敵出来る絵師がいたとは…(大嘆息)
芸術家の想像力の枯渇が嘆かれ、久しいのです。


2:
バレエなんて、生で観たこともなければ、NHKのEテレで全編も観たことなし。
CDもオペラは持っていても、バレエは1枚も無し。
それでも、20年位前、『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』に熊川哲也が出て軽く踊ったのは観ました。
でも、これが凄かった。
衝撃的な素晴らしさでした。
バレエの起源は12世紀から14世紀のルネサンス期のイタリアで生まれ、「バレエ」と言う言葉が生まれたのは1533年だそうです。
少なくとも600年は経っている芸術で、未だに無くならないのも、熊川哲也が踊るの観て納得しました。

熊川哲也を初め、バレエの頂点に立つダンサーは、一瞬にして手足の先を、
最も美しい形にし、
最も美しい位置へ動かし、そこに固定する事が出来るのです。
初めて『生ダラ』で観た時、目が点になる程の衝撃でした。

手足の試技の一つでこれだけの素晴らしさと完成度があるのですから、体全体を使えばどれ程の表現力があるか、
我等素人の想像力の届く所ではありません。

この主役を演じられるエトワール、プリンシプルと呼ばれる人々の技を分かりやすく比較すると、
志村けんが、一瞬にして手足の先を、
最も可笑しい形にし、
最も可笑しい位置へ動かし、そこに固定する事が出来るのと、
全く同じです。

しかも、エトワールやプリンシパルはプロですから、主役争いの戦いは熾烈なのは想像出来、
生半可な世界ではないのも、我等部外者の素人にも分かります。

そして熊川哲也を観て以来、器械体操、シンクロナイズドスイミング等点数や時間で競わない競技は、
馬鹿馬鹿しくて見る気を完全に失いました。


3:
これだけの実力を秘めた芸術を他の分野の芸術家の心を捉え離さなくても不思議はありません。

練習、公演の一瞬を切り取った数々。
動きと存在を強調する省略。
油彩では絵具を塗らずにキャンバスの生地を残した絵が多いですが、
描かれている部分に動きがあり目立たず絵の一部になっています。
これ、中々の技術です。

描かれる人物にはまず、顔を細かく、ハッキリ描写していません。
なぜならバレエは表情ではなく体全体で表現、演技するからです。
また、照明があるとは言え、暗めの室内ですから顔が見にくいのも明らかです。

その中で表情と人相が分かるのが、吉田都嬢を描いた2枚。

動いてない人物も動きがある人物と同じ位視線と心を捉えます。
絵に、絵の中の人物に存在感があると言う事です。


4:
面白い技法がありました。
画材が興味深いいんです。
「ミラペーパー(Mylar paper)」に木炭で描いた素描。
木炭のボカシ具合が墨で描いた様に出来るんです。
こんな紙、見たことも聞いこともないので調べてみると、
デュポンが1950年代に世界で最初に工業化したPETフィルムで現在は帝人デュポンフィルム株式会社が製造してるそうな。
(帝人デュポンフィルム社のHP→https://teijindupontfilms.jp/product/name/pet/index.html)
まず、発音は「マイラー」。
紙じゃなくプラスチックと言った方が正解に近いみたいです。
おそらく紙より肌理が細かいので木炭をより薄く延ばしボカせるのでしょう。


4:
絵の基本やエッセンス、キモがよく分かる絵ばかりでした。

4-1:
まずは、省略。
動きの一瞬や動きが無くてもその人物が「現在」やってる事や考え感じてる事を瞬時に捉えるには、
その中心とも言うべきことを捉えねばなりません。
全体的な何か、絵師の視線と心に残ったものだけを描いてます。
この省略と単純化が進むと抽象絵画になり、ある意味、絵師が思考を放棄し鑑賞者に考えさせるようになってしまいます。

ハインデルの作品は「思考放棄」がないので、省略と単純化が多いですが、写実絵画から逸脱していません。
だから分かりやすく、感じやすく、楽しみやすい。

4-2:
次に動き。
絵に動きがあります。
停止している人物を描いていても、見ている人間に「動き」を感じさせています。
言い換えると主張が強い、訴える力が強い、視線と心を捉える力が強い。
魅力的だとも言えます。

4-3:
そして、対比の巧みさ。
この対比が高所から低所へ流れる位置エネルギーの様に「動き」を感じさせるんです。
写実と省略。
写実と単純化。
人物の「動」と背景の「静」。
光と影。
等々。
補色を使わない事も写実的と言えます。


5:
「省略」、「動き」、「対比」、この3点は日本画では強い。
いくらでもあるのですが、私のお気に入りから一つ。

琳派の酒井抱一筆『八ッ橋図屏風』
たらし込みで描いた橋。これは「省略」された抽象表現ですが、とても「動き」があります。
そして意匠化されながらも写実描写のカキツバタ。
これは植物が成長する上方向へ延びる力と植物の形自体が作る下方向へ「動く」力があり、両方の力が互いに消し合い平衡しとてもバランスがいい。
そして絶妙に配置されリズム感と言う「動き」もあります。
橋の抽象表現とカキツバタの写実表現の「対比」の見事さ。
本来ならこの酒井抱一の方ではなく、尾形光琳筆の方を書くべきですが、残念ながら見たことが無いので(笑)。

そして、ロバート・ハインデルを見て改めて分かるのが、酒井抱一を初め日本の絵師の素晴らしさ。


6:
色々書きましたが、ロバート・ハインデルはあーだら、こーだら言ったり書いたりする絵師ではありません。
ただ見て楽しむだけの絵師です。
ある意味、単純であり深みがありません。
悪く言うと退屈とも言えます。

しかし、バレエとその踊り子たちの魅力と素晴らしさ、生の躍動感、
そしてそれに象徴される生への讃歌、生きる事の肯定を描いた「軽い」、「軽み」がある絵なのです。


7:
新しい絵師を知り、とても素晴らしい展覧会でした。
しかし、10年前、肺気腫で68歳で亡くなったとは大変残念であり惜しい。
更に発展、深化、進化して行ったと思うと残念でなりません。

合掌



タグ ロバート・ハインデル 熊川哲也 志村けん 吉田都 酒井抱一



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『美の巨人たち 酒井抱一 「風神雷神図屏風」』

★放送
2015年2月7日(土)
TV東京系

放送分HP→http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/150207/index.html


1:
去年(2014年)、出光美術館で展示された名作。
(参考 私の記事「『日本絵画の魅惑』 前期 酒井抱一作「風神雷神図屏風」」→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1749.html)

作者の酒井抱一って、ちょっと珍しい出自。
何と、お父ちゃんは姫路藩藩主(@_@)。
こんな絵師、芸術家、他に聞いたことなし(@_@)。
(参考 酒井抱一Wiki→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%92%E4%BA%95%E6%8A%B1%E4%B8%80)
現在で譬えると、舛添要一東京都知事の息子が世界的に評価され愛される画家になる様なもの(@_@)。


2:
好きな絵なんで、放送されればただ嬉しいだけ(笑)。
特に書くべき事もありません(笑)。

実物を目の前で見た時の勢い、迫力、生命感、生き生きとした描写、筆の走り具合、
こんなものが無いのはTV放送のため故。
だから、好きな絵なんで文句も出ません(笑)。

俵谷宗達尾形光琳の作も放送されました。
ただ、尾形光琳の作のTV映りが良過ぎました(笑)。
本物はTVで観る程の迫力は無く、宗達と抱一と比べるとエラく劣ります。


3:
さて、今年2015年は、
琳派の祖本阿弥光悦が徳川家康から京都鷹峰に領地を拝領し芸術家村を作り400年(元和元年、1615年)。
尾形光琳没後300年ではなく、299年(享保元年、1716年)だから300回忌(笑)。

琳派400周年の記念の年ですから、TV番組でももっと、もっと、取り上げられるよう祈ってます。



タグ 酒井抱一 風神雷神図屏風 美の巨人たち 琳派 本阿弥光悦 俵谷宗達 尾形光琳




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『特別展 輝ける金と銀 -琳派から加山又造までー』 その2

続きです。


1:
「秋草鶉図」
展示番号:17
酒井抱一
酒井抱一が好きなんで、この絵もいいなぁ(笑)。
手堅く巧く描いてます。

「秋草図」
展示番号:29
酒井抱一です、これも。
だからいい(^.^)。

「湖畔の夕」
展示番号:16
横山大観
上下のバランス、墨のぼかし具合、我等素人の手に敵うはずなし(笑)。


2:
「カッコいい」系の絵。
ビックリしたり視線釘付け系の絵もいいですが、
もう少し軽い印象のカッコいい系の絵も存在します。
今回の展覧会だと、

2-1:
「草の実」
展示番号:39
川端龍子(→「りゅうし」です。「たつこ」ではありません(笑))
大田区龍子記念館蔵
濃紺の地の絹本に焼金、青金と銀泥で秋の雑草を描いた作品。
平安時代の紺紙金泥経(展示番号:40、41)に着想を得て描いたとか。

実に動き、スピード感が有る絵です。
秋の雑草の代表にススキが実に鋭い。
あの指をよく切る葉の端の鋭さそのものを連想出来る、容易に連想出来る鋭い描写です。
それから、タケニグサ(@_@)。
こんな草、描くんだぁ(@_@)。
(参考、タケニグサ(「季節の花300」から)→http://www.hana300.com/takeni.html
Wiki→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%B1%E3%83%8B%E3%82%B0%E3%82%B5)

水彩で描き直し不可能ですから、一気に描いてます。
巧い絵師は迷いなく一気に描いているのが一目で分かりますが、この川端龍子も例外ではありません。

日本画でもこういう疾走感のある絵を描けるのは、まぁ、当然なんですが、改めて感心しました。

いい絵ですよ、これも。

2-2:
「春颱」(はるはやて)
展示番号:68
牧進

この絵、カッコいい(笑)。
いや冗談ではなく、カッコいいです、本当に。

調べて驚いたんですが、川端龍子の内弟子だった(@_@)。

プラチナ地(@_@)に同系色で右側に牡丹を描き、左側に黒でアゲハチョウを描いています。
どちらも右から来る風になびいています。
「やたらと色を使い写実的に自然を描写する必要が無い」、と一目で教えてくれる絵です。
プラチナを中心に明度高目の無彩色でまとめ、颱(はやて)に耐える牡丹とアゲハがカッコいい。
こういう色使いには、不意を突かれ、目の覚める思いです(^.^)。


3:
加山又造

加山又造と言えば今年2014年初めに「美の巨人たち」でやり、初めて関心が向きました。
(参考、私の記事「雲龍図」→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1631.html)


「華扇屏風」
展示番号:48
琳派を初め、日本人なら昔からどこかで見たことある模様が多く、その模様がリズムを作り出しています。
そのリズム感が心地良い(^.^)。
そして、もう一つの主役が単なる色ですが、群青。
銀箔を中心にした冷たい中に群青が映えます。
全体に寒色や収縮色でまとめるのは誰にでもできますが、そこへ明度を落とし色の力を弱くした膨張色の群青を入れるとは…(溜息)。
やはり商売で日本画を描いていけるプロの色彩感覚は並ではありません。

「満月光」(まんげっこう)
展示番号:49
夜の風景、火山には積雪、小さな満月、近景に秋の草花。
近景に中に群青のリンドウの花、これが、やはりと言いますか当然といいますか、天才的な色使い。
我等素人絵描きにはこんな所に群青なんて色を入れようなんて思いつかないよなぁ…(溜息)。


群青の使い方に完全に打ちのめされました(笑)。
でも、こんな絵描きの知識が無くても、雰囲気を味わえる絵、2枚です。
いい絵ですよ、本当に。


★まとめ
じっと見つめていたい(=いい)絵が多く、満足しました(^.^)。
今回気付いたのは色使い。
極彩色を使って絵を描く必要は全くありません。
銀箔、プラチナ箔を背景に使い、無彩色系でも十分色を表現出来るのが分かりました。

加山又造の装飾画(「華扇屏風」展示番号:48)
牧進の植物画(「春颱」(はるはやて)展示番号:68)

逆に背景の明度を極限まで落として描くことが可能なのも教えてくれました。

川端龍子「草の実」(展示番号:39)

白人の写実描写は色に関しても、囚われ奔放な描写が出来ていません。

日本人の絵画に関する才能や感性は、やはり、世界最高峰です。
(また同時にゴッホの才能の素晴らしさ、絵の魅力と力強さも再認識しました)




タグ 酒井抱一 川端龍子 牧進 加山又造 横山大観 山種美術館 ゴッホ



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『美の巨人たち 酒井抱一 「八ッ橋図屏風」』

★放送
2014年5月31日(土)
午後10:00~10:30

放送分HP→http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/140531/index.html

1:
先日見てきた出光美術館蔵の「八ッ橋図屏風」なんで興味深く観ました。


2:
紙本かと思っていたら絹本なんですねぇ…
金箔と紙本に貼ると滑らかなので鏡の様に全面で光り、絹本は絹の繊維が縦横にあるので金粉の様にキラキラ光るとか。
見に行った時は全く気付きませんでした。


3:
優雅な立ち姿の燕子花は、風に揺れる姿だとか。
これは、そこまで考えが行きませんでしたね。
尾形光琳の「八ッ橋図屏風」を見てないもんなので(^_^;)。


4:
それでも、全体の構成とかの話は無しで、この点については大いに不満でした。



タグ 酒井抱一 八ッ橋図屏風 美の巨人たち 尾形光琳



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『日本絵画の魅惑』 後期 酒井抱一作「八ッ橋図屏風」

★簡単な紹介

2014年5月9日(金)~6月8日(日)

出光美術館東京

HP→http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html


1:
後期展も行ってきました。
土曜日の昼過ぎに行きましたが、待ち時間0秒、待ち行列0㎜で入場。
会場内も混んでいませんでした。
まぁ、程良い入場者数でしたな。


2:
後期の目玉の酒井抱一の「八ッ橋図屏風」(出品番号65)。
いやぁ~、素晴らしいね。
江戸後期作と比較的新しいので、この屏風も保存状態が非常に良く、絵具が殆ど残り、変色など皆無(^.^)。
完璧な絵です。

あ~だ、こ~だ言う必要が無い絵(笑)。

ベタ塗りの燕子花の群とたらし込みで描いた橋。
この対比の効果が素晴らしい。

2-1:
燕子花は外観だけの描写で完全に平衡し安定感抜群。
それを当然ながら、天才的に配置し不思議なリズム感を生み出しています。
まぁ、この辺は尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」と同じ。
(私の記事→http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1744.html)
この屏風も光琳作の写しです。

完全に意匠化し平面化しているのですが、緑青と群青両方共濃淡2色を使い立体感が有ります。
これは離れて見ると分かります。
近くと遠くでは異なる表情を見せる燕子花、
見事です。

そして、筆使いの巧いこと、巧いこと(^.^)。
完璧な写実力で燕子花を描写しているだけでなく、あれだけのベタ塗りながら筆の跡が皆無(@_@)。
学校以外で絵を描いたことがある方なら、どれだけ難しいことかよ~く分かると思います。

2-2:
そしてもう一つの絵の主題の橋。
これも、素晴らしい、素晴らしい(^.^)。
琳派の特徴のたらし込み技法の効果全開100%(^.^)。
止まっている燕子花群の中を走り抜ける八ッ橋になっています。

これはまるで

流れすぎる暗雲

その中に躍動する雲龍

ですよ、たらし込みの八ッ橋は。

2-3:
近くから見て筆使いを見てもいいし、遠くから見て全体の雰囲気を味わってもいい(^.^)。
こんな絵、西欧には存在しませんから、白人の画家と美術好きがこの絵を初めて見た時の驚きを想像するのも楽しい(^.^)。

2-4:
実に見事な作品です(^.^)。


3:
今回、もう一つ凄かったのは、
長谷川等伯の「波濤図屏風」(出品番号74)

美術の教科書によく出て来る
「物の質感の違いを筆のタッチの違いで表す」
これの好例の絵です。

3-1:
波の方はマンガ風の輪郭線で意匠化、抽象化されています。
水は一定の形が有りませんから、何とかしなくちゃいけません(笑)。
そう、何とかしちゃったのが等伯です。
かなり水と波を観察したのは間違いなく、形と描写におかしな点が在りません。

3-2:
もう一つの主題である岩は絵具の量を減らし、素早く走らした筆致。
岩の硬さが大変巧く表され、目が点ですよ、ホント(笑)。

3-3:
そして飛び散る水飛沫を表しているのが、何と、金粉(@_@)。
これも水飛沫の煌めきと動きが良く表れ、見事、見事(^.^)。

3-4:
柔らかな波の筆致と硬い岩の筆致。
柔らかくとも岩を悠久の年を掛け削る波の力。
その波に対抗する岩。

これらを大変よく表してます。

近くで見ると岩と波ですが、離れると海と島に変わります(@_@)。
そして漂う雲。
人生の荒波に対抗する人間を表してると簡単に解釈出来ます。

素晴らしい屏風です。


4:
素晴らしいのはこの二つの屏風が向い合せに展示されている点。
静的な「八ッ橋図屏風」と動的な「波濤図屏風」。
一方に満足したり見飽きたりして振り返ると、画風の違う屏風が在り口直しになり飽きません。
両方の屏風に近付いたり離れたりして、気が付けば1時間過ぎていました(笑)。


5:
八ッ橋図屏風」の隣に展示されている鈴木其一(すずききいつ)の「桜・楓図屏風」(展示番号66)も素晴らしかった。
これは小さな屏風で琳派の作品サンプルみたいでした。
楓の幹のたらし込みの巧さ、見事さ。
丁寧に描写した桜の花、花、花、花。

これは、ウチにも置ける大きさだったので欲しくなりました(笑)。
八ッ橋図屏風」と「波濤図屏風」も欲しいけど、置く所が自宅には無い(笑)。
でもその前に広げられる場所が無くて自宅では見られない(爆)。


6:
後期展でもう一つ気に入ったのが、相阿弥作の水墨画「山水図」(展示番号16)。
奥行が在る空間表現が素晴らしく、全体に漂うほんわかして柔らかな雰囲気が非常にいい(^.^)。


7:
欠点が二つ在りました。

まず、ガラスの継ぎ目が目障り。
全ての作品で目障りになったのではなく、等伯の「波濤図屏風」で酷かった。
屏風の色合いと違うので非常によく目立つんです。
何とかならないんでしょうか?
八ッ橋図屏風」では金箔の地と巧く溶け込んで目立たなかったので気になりませんでした。

もう一つは、「波濤図屏風」を柱が邪魔になり正面から見れず左か右からずれてしか見られません。


8:
前期、後期共に大変満足した『日本絵画の魅惑』でした(^.^)。



タグ 酒井抱一 八ッ橋図屏風 長谷川等伯 波濤図屏風



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『日本絵画の魅惑』 前期 酒井抱一作「風神雷神図屏風」

★簡単な紹介

出光美術館、東京

2014年4月5日(土)~5月6日(火)

HP→http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html

1:
琳派の代表作の一つ、「風神雷神図屏風」。
俵谷宗達尾形光琳、そして最後に来るのが、酒井抱一

東京国立博物館に続き、東京丸の内の出光美術館まで行ってきましたゼ(^.^)。


2:
宗達より200年程新しいですから、保存状態が良好で特に色がキレイに残ってます。
色使いと色の面積の関係が分かりやすい。
右隻は風神様の体の緑青と風袋の白がバランスを取ってるのが非常に分かりやすい。
改めて風神様の方が絵が単純で、描きやすいのがよく分かりました。


3:
左隻の雷神様は、体が白、緑青は面積が小さく色でバランスを取りにくいのがよく分かります。
重要なのが画面右側にに流れる緑青の細帯。
抱一の絵では、宗達作と違い鋭さや速さが有りませんが、描写はシッカリしています。
不自然さが無く、風になびいています。

光琳作とは決定的に違います。

また、空間の取り方も光琳と違い十分にとってあり、巧い。


4:
全体の出来は、不自然さが無くて中々いい。
速さと鋭さが無い代わりに、雷神様が穏やかな状態です。
これが怒ると、どうなるかと想像する屏風ですナ。


5:
絵の出来と構成の巧拙を三人で比べると、
宗達>抱一>光琳
、となります。


6:
5月9日(金)から始まる後期では抱一の「八ツ橋図屏風」が展示されるので、これも楽しみ(^.^)。
絶対行くゼェ(笑)。


7:
ここのロビーは窓外に皇居の植え込みの木々が広がり、意外と眺めがいい。
オマケに無料のお茶も在ります(笑)。



タグ 風神雷神図屏風 酒井抱一 俵谷宗達 尾形光琳 出光美術館



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最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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