『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルランドの至宝 -ボスを越えてー』その2

★簡単な紹介

2017年4月18日(火)~7月2日(日)

東京都美術館
(HP→http://www.tobikan.jp/exhibition/h29_babel.html)

展覧会HP→http://babel2017.jp/


○前口上
東京都美術館の企画展は金曜日のみ午後8:00迄開館。
去年2016年は伊藤若冲を見に行き、午後6:00過ぎで待ち時間30分程。
金曜日に行けるのは5月5日しかなく、行ってみると、
待ったのは、今回、0秒、0㎜(^.^)。

まぁ、上野駅から東京都美術館方面へ行く人極僅か。
上野駅方面へ帰る人、一杯(^.^)。

初夏と言うには早かったですが、寒さを覚える程でもなく、とても気持ちいい風と空気でした。

と、これは幸先いいワイと行くと、



1:
期待に反し、全て退屈。
視線と心を捉える強力な雰囲気を漂わせている絵は皆無。

ピーテル・ブリューゲルはボイマンスの「バベルの塔」を24年前に来た時に見たし、
ボスも「放浪者(行商人)」(展示番号:41)を初め40年以上前から知ってます。

ボスの「聖クリストフォロス」(展示番号:42)は外套の赤がエラく鮮やかで目立ち過ぎ。
久し振りに見る「バベルの塔」(展示番号:86)は、広重や北斎のベロ藍の様に青が目立ち過ぎるけど、
目立ち過ぎるだけで、広重や北斎の様にまとめられていません。

その他ボスブリューゲル以外でも、人物画は白人らしく背景を描き込み過ぎ。

日本人の想像力と創造力と発想には全く敵いません。


2:
あんな絵ばかり描いてウンザリし、退屈になり、やる気を無くしてるんじゃないでしょうか?
芸術家ではなく、絵画職人だね、心を感じられません。
金を稼ぐために絵を描いているだけ。
人は生きて行かなきゃなりませんから、金を稼ぐ方法が絵を描く事でも悪い事ではありません。

ヒエロニムス・ボス、1450年頃~1516年
ピーテル・ブリューゲル、1525~1530年頃~1569年
雪舟等楊、1420年~1506年頃
雪村周継、1504年頃~1589年頃

樂家、初代長次郎、生年不詳~1589年

当時の西洋では、
キリスト教、神話、金持ちと支配階級の肖像画と言う題材が決まっていて、それ以外を描いても金にならなかったんしょうか?
また、画家の個性も要求されてないとしか思えません。

ほぼ同じ時代の雪舟等楊雪村周継長次郎には全く敵わん。
鎧袖一触。


3:
さて、展示番号:86「バベルの塔」は正面では立ち止まれません。
制限線があり、そこから後(=離れて)は止まって鑑賞可。
でも、細部はそこからは見られません。
だからと言って、正面からも1m程離れているので、細部は見られません。

怒りを感じるより、何とか出来なかったのでしょうか、と残念に思いました。

私が言ってのは、午後6:00過ぎだったのでお客さんが少なく、
待っている人も多くても20人程だったので殆ど待たずに何回でも通過(笑)、可能でした。

だからと言っても、やる気を無くした(笑)私CYPRESSでしたので、
まぁざっと見ておしまい。


4:
今回のお買い物は、クリアファイルとマグカップ。
A5のクリアファイルは、出口前の特設ショップでは、開いて使うWファイルしかなく、
¥600(@_@)。
た、たかぁ~(溜息)。
「バベルの塔」だけと、主な展示作品を印刷したものの2種類のみ。
図柄が悪くなかったので両方購入。

しかし、
帰りの出入り口そばのミュージアムショップを覗くと普通の挟むだけのA5サイズのクリアファイルがあった(@_@)。
「バベルの塔」ですよ、印刷されているのは(@_@)。
¥400(@_@)。
何なんだ、これは…(溜息)。

マグカップは版画の色々な「怪獣」(→ゴジラ系ではありません(笑))を採用。
色は茶色とブルーグレイ。
ブルーグレイに入れたコーヒーの色を想像出来ないので茶色に決定。
ただ、見掛けほど大きくなく、300ccもなさそう。





タグ 雪舟等楊 雪村周継 長次郎 ボス ブリューゲル





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『雪村 奇想の誕生』

★簡単な紹介

2017年3月28日(火)~5月21日(日)

東京藝術大学大学美術館

期間
前期
3月28日(火)~4月9日(日)
4月11日(火)~4月23日(日)
後期
4月25日(火)~5月7日(日)
5月9日(火)~5月21日(日)

HP→http://sesson2017.jp/


○前口上


2017年4月初旬、今年は気温が低く、雪村周継(せっそんしゅうけい)を見に上野公園へ行くと、
サクラが満開でした(^.^)。
当日東京では朝方まで雨が降り、上野公園に着いた時は曇り。
それでも、いるんだなぁ花見客(笑)。
大きい古いソメイヨシノが多いからその気持ちは分かります。
確かに大きなソメイヨシノの下は、曇り空の下でも中々の美しさと気持ち良さ。
でも、地面はまだ濡れていたし、少々肌寒い曇りの日に宴をやらんでもいいでしょう(笑)。
でも、酒飲みの言い訳も痛い程分かる(笑)。

藝大へ行くのは2回目で、サクラの季節では初めて。
都道452号線を挟んで南側が美術学部、北側(東京国立博物館がある方)が音楽学部。
音楽学部の方にはソメイヨシノがあるのに、美術学部の方に無いのに今回気付きました。
何か、寂しいなぁ(笑)。

さて、
雪村周継を見た帰り、上野駅公園口前まで来ると、
何と、
目の前をマリオカートの一団が通過した(@_@)。
ぎょっ、これはシャッターチャンス、動画チャンスと思った時は、もう見えなかった(笑)。
走り過ぎる後姿を見ると、ちゃんとナンバープレートが付いていた、まぁ当然か(笑)。
任天堂が著作権違反と訴訟を起こしたレンタル会社が秋葉原にあるらしく、そこから来た様ですな。


1:
勉強不足だし、美術展には20年程行ってなかったから、雪村周継を知ったのもこの展覧会のおかげ(^_^;)。
あの雪舟等楊より100年程後の人。
室町後期から戦国時代の人になるんだね。


2:
坊さんらしく清貧で、水墨画が殆ど。
色付きの絵は極少数。
絵具を買うお金が無かったと言う事。
でも、東洋には墨で描く水墨画がある。
悪い事ではありません。
全てを描く必要が無い様に、色で塗り固める必要もないのです。

歴史に名を残し、作品が売れ現在に残るんですから、悪い絵はありません。
筆使いも巧く、我等素人の横好きには決して出来ない筆使い。
迷いや力みが無い、まぁ、当然か(笑)。
でも、書かずにはおれん、プロの巧さ(笑)。

あれだけ巧ければ、描いていて楽しいよなぁ。
歌が巧い人が、歌うのが好きなのと同じ。

しかしですな、
決して悪くはないんだけど、どうも心に響くものがありません。
言い換えれば、共鳴する心の弦が無い、同じ様な感性が無い、と言う事。


3:
江戸以前の古い絵師なんで、どうしても、巻き皺のついた絵が多く、これが残念。
また紙の変色が進んでいる作品が多く、描いた当初の狙いや効果が分からないのも残念。

それでも、次の2点は、良かった。

展示番号:101
「山水図屏風」
栃木県立美術館蔵

東京国立博物館にある雪舟等楊の国宝「秋冬山水図」の冬の図と同じく、不思議な遠近感の絵。
雪村周継の晩年の作で自由な境地と解説に書いてあり、見ている人間に覆いかぶさる様な、ちょっと不思議な迫力、
圧迫感があります。
不快感は無く、いつまでも見ていて、絵の中に入りウロウロしていたくなる、不思議な魅力がありました(^.^)。
これはいい、気に入りました(^.^)。

展示番号:95
「金山寺図屏風」
茨城県笠間稲荷美術館蔵

中国にある禅宗のお寺と景色を描いた屏風。
勿論、雪村周継、中国へ渡ったこともなく、想像で描いた作。
「山水図屏風」程ではありませんが、西洋の透視図法とは無縁、無視した遠近法。
だからと言って無茶苦茶に描いているのでもありません。
でもね、これも視線と心を捉える魅力があり、写実描写が名画に不要を実証する一枚。
西洋藝術のつまらなさ、退屈さを実証する一枚。
日本人藝術の非凡さを実証する一枚。
これだから日本人の描く水墨画は素晴らしい(^.^)。


4:
今回の目玉を見てみると…

展示番号:49
「呂洞賓図」
奈良県大和文華館蔵
重要文化財

まず、題名を読めん(笑)。
「りょうどうひんず」
呂洞賓(りょうどうひん)は中国の仙人だそうです。
今回の目玉の一つで、クリアファイルにもなっていて¥450哉。
¥320もあり、これは大和文華館オリジナル。
私の心の琴線に触れる物無し。


展示番号:88
「蝦蟇鉄拐図」
東京国立博物館蔵

目玉のもう一つ。
前期展示
これも私の琴線に触れる物無し。


5:
まとめ

「奇想の絵師」の元祖となるとチラシに辻惟雄が一言寄せていますが、
実際に見るとそれ程奇想とは思えません。
評価されるのには大賛成です。

写実描写と透視図法に縛られる必要が無いのが、雪村周継からも分かります。
必要ならばやればいい。
その程度のものなんですが、白人は出来ないんだよなぁ…

この展覧会も展示替えが多過ぎる。
4回ですよ、4回(怒)。
展示される物を全て見るには4回、¥1,600×4=¥6,400(怒)。
せめて2回にして下さいな。





タグ 雪村周継 東京藝術大学大学美術館 雪舟等楊 マリオカート





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『コレクション展 鏡の魔力』と『特別企画 若き日の雪舟』後期展

★簡単な紹介

2016年5月26日(木)~7月10日(日)

雪舟展のみ展示替えがあり、
前期:5月26日(木)~6月19日(日)
後期:6月21日(月)~7月10日(日)

根津美術館

HP→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html


後期展も行ってきました。
ところで、
根津美術館は南青山と言う場所柄か、それと美しい深山幽谷を模した日本庭園もあるからか、
海外(白人)のお客さんが多い。
日本画を扱う出光美術館や山種美術館では、海外の方(白人)はまず見たことありません。


1:
今回展示された作品は、

作品番号:8
「雪景山水図」
(岡山県立美術館)
拙宗等揚

作品番号:9
「翡翠図」
(松岡美術館)
拙宗等揚

作品番号:10
「四季山水図(春景)」
(東京国立博物館)
雪舟等楊


みんないいです(笑)。
結論デス(笑)。

拙宗等揚の頃から我等日本人の感性、自然に親しみ愛でる気持ち、全く変わってません。
100%同じ。
500年経っても同じ、と言うか500年位では変わらんと言うべきか(笑)。
とにかく、全く見飽きないし、雪舟の描く世界に目と心が釘付け、吸い込まれそうなんです。


2:
銅鏡

これもみんないいです(笑)。
私の様にまだ見たことない方、ぜひご覧になって下さい。
決して時間を損しません。


3:
雪舟等楊の作品が10点程と少数とは言え、回顧展が開かれるのは2002年以来(東京国立博物館、京都国立博物館)の様です。
個人的には、もっと盛況になってほしいと思いますが、そうなるとお客さんが多くなり見るのが大変になり、う~ん、痛し痒しです(笑)。
今年前半は完全に伊藤若冲に席巻されましたな(笑)、
ボッティチェリダ・ヴィンチカラヴァッジョ雪舟等楊も敵いませんでした(笑)。






タグ 拙宗等揚 雪舟等楊 銅鏡 根津美術館 伊藤若冲 ボッティチェリ ダ・ヴィンチ カラヴァッジョ





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『コレクション展 鏡の魔力』と『特別企画 若き日の雪舟』前期展

★簡単な紹介

2016年5月26日(木)~7月10日(日)

雪舟展のみ展示替えがあり、
前期:5月26日(木)~6月19日(日)
後期:6月21日(月)~7月10日(日)

根津美術館

HP→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html


雪舟等楊の絵が、何と、前期に9点、後期に11点も展示されます(@_@)。
しかも、題名の通り「拙宗等揚」と名乗っていた若き日の作品を中心に展示されます(@_@)。

「鏡」は銅鏡の事で、これはどうかなぁ…

前期展の終了間際にまずは行きました。


1:
作品番号:4
「溌墨山水図」、重要文化財
拙宗等揚

作品番号:7
「溌墨山水図」、重要文化財
拙宗等揚
(正木美術館)


「溌墨」は「はつぼく」と読みます。
墨を垂らして(=溌)描いた墨絵で、中国の唐時代に出来た技法との事。
英語では”splattered ink”と書いてありました。
先日出光美術館で見た雪舟等楊の「破墨山水図」も同じ系統の技術。
「溌墨」と「破墨」に違いは小さいらしい。

こういう粗いタッチの絵、好きなんです(^.^)。
先日行った立石鐡臣画伯の回顧展でも何点もありました。
「?」
何だ、表現主義(expressionism)、野獣派(fauvism)と同じじゃん(^.^)。
唐の時代だから7世紀頃にはこの表現が完成していたから、白人に先んずること1,300年!

更に、溌墨は見る人間の想像力を刺激する形を描けますから、表現主義や野獣派より繊細な、
細密な表現になっています。
表現力が大変豊かです。
山、森、木立、木々の葉、
この様な風景が見えます、簡単に想像出来ます。

素晴らしい出来栄えです。


2:
作品番号:5
「山水図」、重要文化財
(京都国立博物館)
拙宗等揚筆、龍崗真圭賛

作品番号:6
「山水図」
拙宗等揚

作品番号:10
「四季山水図」夏景、重要文化財
(東京国立博物館)
拙宗等揚

山水図3幅、細かく描いてます。
「四季山水図」夏景は興味深い。
近景、画面下半分に松を描いちゃってます。
中景に家があって、結構この松の木が邪魔ですが、
松の木の後を霧らしき物で白飛びさせ邪魔し過ぎない描写です。
ジグザグ型、電光型になっていて後景の『小さな中国のお針子』のロケ地の様な急峰へと
視線を誘導しています。
こういう構成を見ると、日本や中国では自然界と人間の世界がそれ程離れてないのが分かります。
西欧社会と決定的にちがいます。

それにしても、重文に指定されているだけの事はあり、いつまでも見ていたい絵でした(^.^)。


3:
作品番号:1
「芦葉達磨図」
(米国スミスカレッジ)
拙宗等揚筆

作品番号:3
「出山釈迦図」
拙宗等揚筆

今回の目玉の「芦葉達磨図」。
2008年、アメリカで発見され日本で修復後、初公開。
構図を考えながら筆で一気に描きあげてあるのは分かります。
とても我等素人の横好きに描ける絵でもないのも分かります。
いかにもよく目にする達磨図で、う~ん、「だから何?」状態。

むしろ「出山釈迦図」の描写に方がいい。
顔が普通のおっさん。
両足の表現が獣じみて「芦葉達磨図」と同じ。
両手は2作品共懐手(?)なので、両足で己の信じる道を進む信念を表しています。


4:
銅鏡

ハッキリ言って、こっちの方が凄かった。
中国の持つ底力をまざまざと見ました。
興味が無い銅鏡でしたが、「美味い不味いは食してから言うもの」を今回も実行して正解でした(^.^)。

静岡の光学機器商の村上英二氏が商売で扱っている鏡の一つとして銅鏡を手にした事から収集が始まり、
その後2010年にコレクションを根津美術館に寄贈したとか。
そのコレクションの中から61点が展示されました。
紀元前3世紀の戦国時代から13世紀~14世紀の元の時代までの銅鏡です。

文様の精緻さと多様さ、これにはただ、ただ、驚くばかり。
全て鋳物ですから、鋳型の彫刻の精緻さと正確さに驚愕しました。
線や形にだれた所が一か所も無く、非常に鋭い。
彫り込みで直角な部分も角が丸なったりしていません。
これだけの精確な作りの鋳物を紀元前3世紀にすでに作れた事、単純に圧倒されます。

複雑な文様でありながらも、多くの文様が入っていながらも、ごちゃごちゃ感、うるささがありません。
非常にスッキリしています。
これも上等な作品である事の証。
逆に『開運!なんでも鑑定団』でよく耳にする「鋭さ」があります。
どの銅鏡も鋭いんです。

古の中国の職人、芸術家達、美的感覚に優れていたのは間違いありませんが、
それだけに頼らず思い上がらず、工夫し、より良い物を目指したのが分かります。

こりゃ、集める人がいて当然だし、美術館に展示されて当然、納得します。


私CYPRESSの様にまだ見たことない方々、是非見て下さい。
新たな世界が広がりますよ。


5:
まとめ

若き日の雪舟は見飽きず、いつまでも見ていたい絵ばかりでした。
流石です。
予想通りで驚くにあたらず(笑)。
後期展で展示される作品もたのしみです。

しかし、
それ以上に青銅で作られた銅鏡の精緻さ、多様さ、全体に漂う鋭さ、
ビックリしました。
素晴らしい出来の作品ばかりです。


6:
根津美術館、今後の予定

次回は
『コレクション展 はじめての古美術鑑賞 -絵画の技法と表現-』
2016年7月23日(土)~9月4日(日)
HP→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/next.html

たらしこみ
外隈
金雲
截金
裏箔
溌墨
白描
付立て
繧繝彩色

「たらしこみ」以外読めない言葉があれば、私CYPRESSの様に(笑)、行った方がいい(笑)。
日本画の技術を根津美術館のコレクションを使って説明してくれます。


秋が深まると
『開館75周年特別展 円山応挙
2016年11月3日(木、祝)~12月18日(日)
この展覧会のページはまだ出来ていません。
年間スケジュール→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/schedule.html

應擧のあの重要文化財「藤花図屏風」が展示予定(^.^)。
これも楽しみであります(^.^)。





タグ 雪舟等楊 拙宗等揚 銅鏡 根津美術館 円山応挙





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『日曜美術館 民家巡歴 向井潤吉の戦後』

○放送
2016年2月21日(日)
NHKEテレ

放送分HP→http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2016/0221/index.html

世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館 HP→http://www.mukaijunkichi-annex.jp/

向井潤吉って江戸時代に確立された「日本古来の茅葺き民家」を描く洋画家だよなぁ、って記憶があり、
『美の巨人たち』でやったなと調べると、2004年7月10日に放送されましたな。
『開運なんでも鑑定団』でも出た記憶があり、調べると2012年2月21日に偽物が出ていた(@_@)。
去年2015年に世田谷美術館へモネの「ラジャポネーズ」やエドゥアール・マネの「笛を吹く少年」を見に行った時に
向井潤吉アトリエ館」の宣伝をしてたけど、「笛を吹く少年」の魅力の圧倒され全く関心が向かいませんでした(笑)。

悪い絵じゃないと番組を観ると…


1:
やはり、いいねぇ~

日本の極普通の自然とその自然と寄り添い添い寝する民家、
とても美しい、魅力的(^.^)。

向井潤吉が描く民家は日本の自然と気候に合わせて作られた自然発生的な物。
だから日本の自然との相性が悪いはずがない(^.^)。

川合玉堂川瀬巴水、この辺の私が好きな絵師と同じ雰囲気を漂わせています。
川瀬巴水は都会の版画が少なくないんですが、当時の東京はまだ郊外の自然と同じ雰囲気を残していたんですなぁ…

そして、去年2015年の年末に見た雪舟等楊の「秋冬山水図」から、おそらくそれ以前からも続く日本の自然独自の雰囲気も漂わせています。


2:
先日フェルメールと共に見た17世紀のオランダ絵画の樹木と自然は、茶褐色。
この番組の向井潤吉を初め、日本の絵画では美しい緑。
17世紀日本では緑青を使い樹木、植物、自然を描いていたんですが、
この違い、差は何なんでしょう?


3:
向井潤吉アトリエ館では、現在「向井潤吉 西日本紀行」展を開催中。
行くぞう(^.^)。




タグ 向井潤吉 世田谷美術館 川合玉堂 川瀬巴水 雪舟等楊





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雪舟等楊 『秋冬山水図』

★展示期間
2015年12月15日(火)~12月23日(水)天皇誕生日

★展示場所
東京国立博物館 本館2階 2室

秋冬山水図』のトーハクのHP→http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=4271

画像は、
「e国宝」から→http://www.emuseum.jp/detail/100146/000/000?mode=simple&d_lang=ja&s_lang=ja&word=%E9%9B%AA%E8%88%9F&class=&title=&c_e=®ion=&era=¢ury=&cptype=&owner=&pos=1&num=4

1:
あの有名な雪舟の国宝『秋冬山水図』です。
画集とか、日本美術の歴史とかでよく目にする絵です。
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年~1519年)とほぼ同時代(1420年~1506年)。
江戸以前になると芸術作品だけでなく何でも極端に少なくなり、この雪舟等楊も同じ。
オマケに京都は応仁の乱(1467年~1477年)で市街地が全焼してるから、雪舟等楊の絵も燃えちゃってるのもあるかも(涙)。
残ってる雪舟等楊の絵は少ないし、滅多に回顧展も開かれず見られる機会は、
ハッキリ言って無しと同じ。

オマケに今回の展示は、何と、9日間(@_@)。
まぁ、1階で環境整備とかやるとか色々トーハクにも都合があるのは分かりますが、
数は少ない雪舟等楊だし、しかも代表作の国宝だからもう少し長く展示して欲しいものです。


2:
と言う訳でウキウキと行ってきましした(^.^)。
二幅、左側が冬、右側が秋の景色。
この絵も小さく、日本の極一般的な狭小住宅に飾るのも可能(笑)。

2-1:
まずは、右側、『秋景』。
一点透視図で中央の楼閣へ視線を集める簡単で誰にも分かりやすい構成。
でも暫く見ると振り子の様に視線が左右に振れ、画面下の近景から中央の楼閣へ向かうのが分かります。
そして、背景の空へぽわ~んと登って行く感じがあります。
改めて実物を見ると、何か、楽しく、面白いですね。
これは、大したもんです。
一点透視図で絵を描くのは簡単ですが、こういう振り子の様な視線のリズムを感じさせるのは我等素人の下手の横好きには出来ません。

岩肌の描写とかもいいんですが、空のボカシ具合、これが出来ないんですよ、素人には。
この墨や水彩のボカシを空にやると俄然空に立体感、空間感覚、奥行き感が現れ、絵に物語感や詩情と言った物が現れます。
つまり、この空や風景の先はどうなっているんだろうと、想像力を刺激します。
この『秋景』なら、「秋」と言う題材から、これから来る冬の厳しさを思うか、それともその先の春と新年を思うか、
色々想像出来ます。

同時に筆の力だけでこういう絵を描けないのは明らかで、豊かな絵心や想像力、感性も必要なのも、
この絵からも分かります。

2-2:
左側、『冬景』。

これ、凄いワ(@_@)。
ダ・ヴィンチの『受胎告知』と比べると白黒だし、聖書の有名な場面でもありませんし(笑)、
単なる風景だし、
大変地味な絵ですが、大変進歩的であり、大変な名品です。

2-2-1:
画面の構成は右側の『秋景』と同じ。
違うのは背景。

中央左寄りになぜか、垂直線が在り、それが折れほぼ中央にまで来て岩の連なりに繋がります。
この垂直線が画面の中で一番目立ち、実物を見る以前から「これは何だ?」と気になっていました。

次に気になるのは、楼閣の背後、画面上では背景に描かれている物。
いやに目立つ垂直線もその一部になってると思われます。
楼閣の後に在るのは、断崖や絶壁とトーハク初めあちこちに書いてありますが、
楼閣や近景の岩場と比べると大きさのバランスがおかしく、自然の壁と思えないのです。
雪舟等楊ほどの絵師が風景画で遠近感を狂わす描写をするはずがありません。

更に分からないのが、この「絶壁」「断崖」の大部分を薄墨で塗りこめていて、地上の物を描いているのか、空を描いているのか、曖昧にしている事。
画面中央では「絶壁」「断崖」をいくらか描写していてるのですが、残りは薄墨。
これで残りも描いてあれば分かるんですが…

楼閣の直ぐ後は紙の白を使い雪を被った崖か山を表している様ですが、
背景の他の部分の表現を見ると、単純に雪を表しているとは思えなくなってきました。

同時に『秋景』では完全にバランスを取っているのに、なぜ中央左寄りに濃い墨で垂直線を加え主張させているのでしょう?
こんな目立つ意味不明の物を加えると絵のバランスを壊すものなのですが、そこは名手雪舟等楊、墨の濃淡が持つ力でバランスを取らせています。
この絵の場合では、薄墨を塗っている部分が多いので、塗り残した白の方が主張が強くなっています。
だから垂直線を左側に寄せ、白の部分を少なくしています。
このため、一見すると墨の垂直線が目立ちません。

2-2-2:
こうなると、問題になってくるのは、「何を描いた」ではなく、「何を表したか」になります。

分かりません(笑)。
絵の力、迫力、不思議な構成に圧倒され、どうでもよくなります(笑)。

何やら訳の分からんもんが、楼閣の背後に現れ圧迫する様に存在している。

雪舟等楊がこの絵を描いたのは晩年、70歳頃らしいので、西暦にすると1490年頃。
応仁の乱が終わってから13年。
室町幕府の政治的、経済的基盤の崩壊、
将軍の権威の失墜、それにより諸大名の権威も失われ下剋上が起きたり、民衆の間では加賀の一向一揆、山城国一揆が起きました。
そろそろ日本が戦国時代へと向かう頃。

とすると、一番簡単な解釈は時代がもたらす不安、これですな。

2-2-3:
しかし、どうもそれだけではないと納得出来ないし、絵を見続けていても他に何かを表している気がしてきます。
ん?
「他に何か?」
解釈の幅が広い、自由に解釈出来る余地が大きい、
こりゃ、抽象画の特徴じゃないか(笑)。

つ、ま、り、この『秋冬山水図』、写実の山水画、風景画ではなく、
抽象画(@_@)。

ヨーロッパでは未だにルネサンスの頃。
抽象絵画が現れるのは、1910年頃、カンディンスキーまで待たないと現れません。
それを雪舟等楊は1490年頃に、カンディンスキーより420年も前に『秋冬山水図』でやってみせた(@_@)。

日本では、
琳派の絵画にはたらし込みを使い、抽象表現ともとれる作品も少なく、
また龍安寺方丈庭園(寺に伝わる話では1500年頃)でお馴染みの枯山水小堀遠州(1579年~1647年)の作庭した庭園等、庭を眺めながら瞑想したり自由に心を遊ばせる場所まであります。

日本の抽象表現の始まりの一つと言えるのではないでしょうか(@_@)?

2-2-4:
ところで、右側「秋景」も背景の空を見て色々想像出来、これも抽象表現と言えるのではと思われるかもしれません。
「秋景」は空と分かる物を描いています。
しかし、左側「冬景」は絶壁や断崖とは簡単に判断出来ない曖昧は表現になっています。
簡単に判断出来るか出来ないか、ここが写実(=具象)と抽象の分かれ道になります。

2-2-4:
これで『秋冬山水図』が名品、進歩的、な理由がお分かり頂けると思います。
これで『秋冬山水図』に凄いと私CYPRESSが驚嘆、唖然としたのもお分かり頂けると思います。


3:
雪舟等楊の『秋冬山水図』と言う絵画、龍安寺方丈庭園枯山水
これらは抽象芸術の先駆者と言っても過言ではないと思います。
欧米に先駆ける事400年(@_@)。
400年ですよ、400年も前から作っていたのです(^.^)。

当の作者達は、抽象だとか写実だとか全く意識せず、単に素晴らしい作品を作りたい、
そのためには今迄に無かった方法も臆せず使ってみようと思っていただけでしょう。
作品を作る人達の大変自由な心の持ち方、そしてその結果出来上がる作品を受け入れる偏見とは無縁の一般人の大らかさ、
このどこの民族にも負けない美点を我等日本人は知り、誇ってもいいのではないでしょうか?




タグ 雪舟等楊 秋冬山水図 ダ・ヴィンチ 枯山水 龍安寺方丈庭園 小堀遠州 抽象画 カンディンスキー 抽象芸術




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