『薔薇のない花屋』その14

その2
分析と解釈


第一話
その2

1:
夕方、

1-1:
オープニングタイトルの後、
雫(八木優希)と転校生広田省吾(今井悠貴)との「出来事」の後、
二人が逆上がりをする美桜(竹内結子)を目撃。

…英治(香取信吾)と雫だけの生活の終わり。
二人の生活に美桜が関わってくると告げています。

1-2:
続いて、
英治(香取信吾)、菱田さん(池内淳子)の家で雫(八木優希)の学校での出来事と雫について話す。

…二人の会話から菱田さんは雫の母親が出産時に亡くなった事を知ってるので、
二人の過去を知ってる様です。
…ここも主人公二人だけの生活の終わりと捉えていいでしょう。
そして菱田さんとの生活も始まると暗示。

…夕方の演出とは別ですが、菱田さんの紹介のシークウェンスでもあります。

1-3:
河原で、英治が雫に母親の事、自分の雫への思いを話し、雫がピンクの頭巾を取る。

…雫の頭巾生活が終わりを表す夕方。
…雫の新たな生活が始まるを表す河原。

…それでも、やはりよく分からない雫の頭巾。
何を表しているのでしょう?
何を象徴しているのでしょう?

1-4:
英治、チロルを探すが、見つからず、橋の上。

…ここでは、単に時間の経過を表してるだけだろうなぁ。
…ただ最後まで観ると分かるんですが、英治はチロルを見つけます。
そうなると、ここではチロル捜索の終わりですな。

1-5:
続いて、
カットが変わり、美桜の勤め先病院の院長室。
美桜が安西輝夫院長(三浦友和)に英治について報告。
美桜は英治が悪い人間に思えない。
安西院長は英治を破滅させろ、美桜には選択の余地無し。

…ここでは、美桜が次の段階へ進む、と示してますな。


2:
美桜と英治の出逢い。
雨の中。
英治の商売は花屋だから、肯定的な意味と捉えるべきでしょう。
芽生えに必要な水を供給する雨。
慈雨でしょうね。


3:
登場人物の左右の立ち位置

3-1:
雨の中、フラワーショップ「雫」の店頭での出逢い。

A:
店内、後から撮るカット。

左(下手):英治
右(上手):美桜

シャッターで見えませんが、そのシャッターの前に美桜がいると分かります。
後ろから撮っているので登場人物の位置と左右が一致してます。

B:
店頭、英治が傘を貸そうと美桜に言う。
英治の親切運動(笑)。

右(下手):美桜
左(上手):英治

C:
二人が初めて同じ画面に入ると、

上手:英治
下手:美桜

二人が向かい合っているので、こういう関係。
英治が黙るのは、美桜の美貌に言葉を奪われてるから、に間違い無し。

D:
店内、英治がヒーターを点け、美桜にタオルを渡す。
オマケにココアも。

右(下手):英治
左(上手):美桜

…英治の親切と美桜が受け入れる。
…二人のあるべき姿、位置になります。

E:
英治が美桜の好きな花を尋ね、美桜が真っ赤なバラの花と答える。

右(下手):美桜
左(上手):英治

…おや、位置が逆になりました。
…「真っ赤なバラの花」と「問題」が同列だと仄めかしてます。

F:
雫の学校のすぐ外側、逆上がりをする美桜
それを見る英治と雫。

右(下手):美桜
左(上手):英治、雫

…ふ~ん、ちょっと謎、引いちゃう美桜の行動です。

G:
美桜を送る英治。
美桜が英治の身上調査(笑)。

右(下手):英治
左(上手):美桜

…英治の礼儀正しさだからこの位置。

3-2:
英治、空き巣に入られた美桜の元へ。

右(下手):英治
左(上手):美桜

…美桜が困り、英治が助ける時だからこの位置。

3-3:
夜、雨の中、交差点、美桜、渡り切れず立ち往生。
英治が助けに行く。

右(下手):英治
左(上手):美桜

…またしても美桜が困り、英治が助けます。
…オマケに二人で美桜の白杖を拾うんだからなぁ(笑)。


4:
撮影協力に
“PLAYER’S CLUB Dios”

工藤直哉(松田翔太)が裏でボコボコにされる所。
『愛なんていらねえよ、夏』が撮影された所じゃん(@_@)。
今回DVDを見直すまで気付きませんでした(@_@)。

ほんでもってネットでDiosを探すとあった。
撮影に使われたと同店のブログに記事がありました(@_@)。
http://ameblo.jp/dios-blog/entry-10088145065.html

(『いら夏』の記事にもしましたが、こちらにも載せました)




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『薔薇のない花屋』その13

その2
分析と解釈

演出を細かく見ていきましょう。


第一話
その1

1:
導入部

1-1:
最初のシークウェンス。
彼女(本仮屋ユイカ)のヴィデオグラム。
パーマでもじゃもじゃ髪の英治(香取信吾)が病院を走ります。

英治の走りが速いんで分かりにくいんですが、
髪の毛はパーマを掛けもじゃもじゃ、
そして右手に一輪の赤い薔薇を持っているのが分かります。

走っているカットでは赤い薔薇を右手に持っているのを強調してるカットが多く、
強調しているのが分かります。

右(下手):赤い薔薇
左(上手):英治

1-2:
最初のシークウェンスが終わります。
夕方、夕陽にカメラを合わせます。
屋上に柵に寄り掛かり泣き崩れる英治。
英治の後の方から撮ります。

右(下手):太陽
左(上手):英治
(最初は逆ですが、最後のカットにこうなります)

1-3:
次が雨の中のタンポポのカット。
夕方の太陽がタンポポに代わります。
車が跳ねる泥水が掛かります。

右(下手):タンポポ
左(上手):手を伸ばす英治と赤ちゃん

このタンポポは持ち帰り、部屋の中で鉢植えになります。
英治は自分で髪を切ります。

これ以降、色々な花が部屋を飾り、また街中に現れ、
英治は色々な仕事をし、雫は成長していきます。
最後は「フラワーショップ 雫」と英治。

1-4:
解釈

英治の右側にに来るのが、

赤い薔薇→夕陽→タンポポ
(時間は、夕方→夜、雨→昼間)

と変わってきました。

映像から解釈すると、心や愛情を注ぐものを表してるでしょう。

「彼女」を失い、代わりに赤ちゃんの誕生。
そして夜の雨の中、タンポポを見つけ手を差し伸べる。
英治は色々な仕事をし、どうやら花屋「フラワーショップ 雫」を始めた。

「彼女」は常に家の中を花で一杯にしたいとヴィデオグラムの中で言っていたので、
英治は花屋を始めたと捉えて間違いないでしょう。

第一話の最初の場面なので、これ以上は不明。

1-5:
花言葉から解釈。

赤い薔薇
「愛情」「模範」「貞節」「情熱」
(帯紅(おびべに、ていこう)だと、「私を射止めて」)
(参考→http://www.hanakotoba.name/archives/2005/09/post_179.html)

…「愛情」、「情熱」を英治が失ったのは間違い無し。
…「貞節」や「模範」に関しては、不明。
…最終話までに英治はこれらのものを失うのか、再び手にするか、と楽しみにした方がいいでしょう(笑)。
(ただ、放送とDVDで最終話まで2回観たのでどうなるか知ってる(笑))

タンポポ
「真心の愛」「神のお告げ」「愛の神託」「思わせ振り」「別離」
(参考→http://www.hanakotoba.name/archives/2005/09/post_139.html)
「神のお告げ」「神託」「軽率」「軽薄」「真心の愛」
(参考→http://hanakotoba-labo.com/16ta-tanpopo.htm)

…これは、最終話まで観ると巧く「赤ちゃん」に当てはまってます。
…打算的な生き方から考えると、今後の英治の行動は「軽率」「軽薄」。
…「赤ちゃん」の存在は英治にとって、「真心の愛」で「神からのお告げ」で「神託」です。
…そして英治には「赤ちゃん」との「別離」が待ってます。

2:
その後、連続するカットで登場する花は、
順番に、

A,
英治の部屋、カットと共に変わります。
タンポポ、切り取ったペットボトルの底の鉢植え

野菊(薄紫)、空の牛乳瓶に差す

朝顔(青)、鉢植え

B,
英治が道路工事で交通整理、英治が手を差し延ばします
コスモス(白)、道路工事の道端 

C,
英治の部屋、ここもカットと共に変わります
チューリップ(赤紫)→これは下の方が映らずどうなってるか不明。

プリクラを二人で貼る
?藤色か水色の花、鉢植え

D,
英治、建設現場、お昼
群生するパンジーの看板の前

E,
英治の部屋、夜
野菊(赤紫)、空の牛乳瓶に差す

F,
英治、不動産屋の店頭で、
シクラメン(ピンク)、鉢植え

G,
英治、夜、赤ちゃんを谷川医院へ、
金魚草(白)、医院の中、

H,
夜のビルの清掃、建物の外側に、
オンシジウム(黄色)

I,
堤防で四葉探し、
シロツメグサの群生

J,
神田明神で七五三、
菊(ピンク、管物(=くだもの))

K,
英治の部屋、二人でプリクラを貼る
ケイトウ、小さい(黄色、赤)、鉢植え

L,
英治の部屋、寝ている英治と赤ちゃん、
桔梗、空き瓶に差す
枕元の本の表紙の絵は、チューリップ(赤と橙色)?

M,
英治、貯木場で食事中、
?キク科?(ピンク)

N,
英治の部屋、雫の誕生日
デイジー(黄色、橙色)

かすみ草(白)
空き瓶(多分、ケーキで見えません)に差す

O,
不動産屋の前、英治と雫
?(黄色)、鉢植え

P,
英治の部屋、夜、英治、店舗用物件の間取り図を見る
?(赤紫)、空の牛乳瓶に差す

Q,
夕方の運河(?)、英治と雫が遊ぶ、
二人の近景に、
ヒメジョオン(白)?


3:
夕方

「『薔薇のない花屋』その2」でも書きましたが、補足とまとめ。

3-1:
屋上で後姿の英治が(多分)泣き崩れるカット。
母親の死と赤ちゃんの誕生。
古い時代の終わりと新しい時代の始まり、です。

英治の子育ての始まりです。

3-2:
「2 Q」のカット。
英治と雫だけの生活の終わりです。




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『薔薇のない花屋』その2

★簡単な紹介

○放送
2008年1月14日~3月24日
月曜日 午後9:00~9:54
フジTV系
全11回

○スタッフ
脚本:野島伸司
演出:中江功、葉山浩樹、西坂瑞城
撮影:星谷健司
照明:富沢宴令
音楽:吉俣良
プロデューサー:関卓也(フジTV)、稲田秀樹(共同TV)

主題歌:山下達郎「ずっと一緒さ」

○出演
八木優希………………汐見雫
香取信吾………………汐見英治
本仮屋ユイカ…………彼女(→安西瑠璃、輝夫の娘)

竹内結子………………白戸美桜
尾藤イサオ……………平川辰巳(美桜の実父)
仁科亜希子……………安西久美子(輝夫の元妻)
三浦友和………………安西輝夫(病院院長、脳外科の権威)

釈由美子………………小野優貴(小学校教諭、雫と省吾の担任)
今井悠貴………………広田省吾

松田翔太………………工藤直哉
寺島進…………………四条健吾(喫茶「コロン」マスター)
池内淳子………………菱田桂子
天野ひろゆき…………江原(スーパーの店員)
小市慢太郎……………林久則(弁護士、久美子の浮気相手)
玉山鉄二………………神山舜(脳外科医)




★評

再放送はあまりやらず、放送終了直後は中古DVDをよく見掛けましたが予算不如意で手に入れられず、
自宅近辺のレンタル屋さんは潰れるし…(涙)。
数年振りにBookoffで発見!(^^)!。
あの才能あふれる八木優希を見出した記念碑的作品なので迷わず購入。
放送から6年も経っていました(^_^;)。

『僕の生きる道』の再放送があり、『僕の生きる道』と『僕と彼女と彼女の生きる道』をまた観るつもりでしたが、
八木優希には敵わん(笑)。


その1


第一話

1:
汐見雫を演じる八木優希、やはり、凄い実力の持ち主(@_@)。
初めて観た時の驚きと衝撃を思い出します。
また、今回も同じ驚きと衝撃を経験(@_@)。

当時7歳ですよ、7歳(@_@)。
それであんな大人びた喋り方が出来るとは…(溜息)。
大人の小型版ですよ、ほんと(笑)。

最近、観ないなと思ったら、気が付かなかっただけでした(@_@)。
(HP→http://artist.amuse.co.jp/artist/yagi_yuuki/)
(Wiki→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E6%9C%A8%E5%84%AA%E5%B8%8C)
(→出演作初めWikiの方が詳しい(笑))

直近だと
中京テレビ開局45周年ドラマ『マザーズ』
(HP→http://www.ctv.co.jp/mothers/)
これは、名古屋と一部地域だけ…(涙)。

次に出るのは
テレビ西日本『めんたいぴりり2』
(HP→http://www.tnc.co.jp/information/archives/26)
これも全国放送は…(涙)。

まぁ、とにかく、八木優希はやはりこの世代だと頭一つ抜け出た演技力。
芦田愛菜、小林星蘭、本田望結、を圧倒する巧さ。


このドラマ、八木優希を起用した時点で半分成功!(^^)!。
今回も視線釘付けにする自然さ、演技力。
凄い子供ですよ、本当にね!(^^)!。



2:
最初のシークウェンス。
明らかに病院で、最後が屋上で夕陽、夕方。
もぉ、最初から変化や終わりの象徴の「夕陽」と「夕方」かよぉ~(笑)。

この後を観れば明らかな通り、後姿の男性は主人公汐見英治(香取信吾)です。
ドラマが始まった時点で英治は過去と決別してると言う事ですな。


3:
英治と美桜(竹内結子)、
雨で出逢い、雨のカットで終わります。

英治は、冒頭、赤い薔薇を折り、落とします。
美桜は赤い薔薇の様な赤い傘。

…英治は落とした、失くした、赤い薔薇を再び手にしたのか?と言う演出だな(笑)。
最初の夕方で「終わったもの」がこれから「始まる」かもしれない、と言う事です。


4:
上記「3」と関係するのが、次の二つ。

雨の中、車が跳ね飛ばす泥水を浴びる道路脇のタンポポ。
手を差し伸べる英治と幼い雫。

最後、落とした白杖を拾おうとして手を差し伸べる美桜。
英治も差し伸べ拾う。

…英治が落とした、失くしたと思われる「もの」を美桜と一緒に拾うと示してますね。


5:
雫の頭巾。
パペットマペット
黄色とピンク。
なぜ?
なぜ被っているのでしょう?
何を象徴してるのでしょう?

…これは、難しいね(溜息)。
現実離れ、不自然極まりなし(溜息)。

…直ぐに連想するのは、花屋を舞台にしているから、蕾。


6:
Amazonのレビューでは映像が汚いと書いてあります。
アスペクト比は16:9ですが、画質がアナログ。
屋内のカットだと画質が最近のHDより見劣りする程度ですが、
確かに屋外での引きの画像で目立ちます。
意図的?
と思って観続けましたが、どうやら演出ではありません。
アナログなのか、SDなのか、不明ですがHDでないのは確か。
演出や意図は無く、HDが無かった、しなかっただけでしょう。


7:
喫茶店「コロン」のマスター四条健吾(寺島進)が読んでるのが、

Raymond Chandler “Farewell, My Lovely”

です。


8:
さて、第一話から英治の前では盲目だった美桜が、実は盲目ではなかったとバラしてます。




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CYPRESS

Author:CYPRESS
最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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