『愛なんていらねえよ、夏』その14

第一弾
第二話その6
光と影その3

1:
レイジ、奈留、季理子、亜子でマリーゴールドを植える場面。
1-1:
まず画面構成。
奥:雑木林、影、画面上手にカーブミラー
中央:花壇
手前:家のベージュの壁
光の向き:奥の雑木林から手前の家の壁へ
亜子:下手、奥(雑木林)を向く
レイジ:上手、手前(家)を向く
1-2-1:
レイジ、亜子と母親と自分の三人で同じ様に何かの花を植えた事を話す。
影に向かってます。
→本当
え、本当?嘘に決まってるゾ。
これはおかしい。
1-2-2:
と、こ、ろ、が、
レイジが昔話(?)をする前、季理子が亜子を花壇に優しく連れて行くカットで家のベージュの壁を背景にします。
なぜ?
光を反射させてます。
つまりレイジは光に向かってます。
だから
→嘘
…!
1-3-1:
亜子、
「ウソばっかり」、
「4人でいた時のことなんて、目が見えなくなった時に全部消した」、
「見えないものなんて何も信じない」。
光に向かってます。
→嘘
本当に嘘?
1-3-2:
やはり家の壁に光を反射させてます。
これはレイジの怪しい話を遮り最初の「ウソばっかり」の時。
光を背にします。
→本当
レイジの花を植えたはの嘘です。
1-3-3:
と、こ、ろ、が、
それから亜子は立上がりレイジのいる方を見ます。
更にカメラを上手から下手へ動かしレイジの左側へ亜子の視線を動かしてます。亜子の視線の先にあるものを観ている人間に思い出させてます。
レイジの左側後にあるのがカーブミラー。
もう一度光を反射させてますから、光に向かってます。
だから、
「4人でいた時のことなんて、目が見えなくなった時に全部消した」、
「見えないものなんて何も信じない」。
→嘘
…!
1-4:
…いやこの光と反射を使った画面構成には驚きました。
…壁だけならともかく、更にカーブミラーを使ってもう一回意味を反転させるとは(溜め息)。
…とんでもない演出です。しかも製作期間が短い連ドラですよ。
堤幸彦監督、凄い才能の持ち主です。

2:
咲子と五十嵐、鷹園邸、応接間。
五十嵐:社長もレイジに会いたかっただろう
窓を後にしてます。
→本当
咲子:ホント
五十嵐の向い側にいて窓に向かってます。
→嘘
咲子が鷹園家の人々に敵意を持ってるのは明らか。

3:
レイジと亜子、渚にて。
『堤っ』の日記から推察すると三浦半島のさきっぽで雨で難儀したのは、このシークウェンスでしょう。
ここも写ってるものだけでなく、レイジが言ってる事も怪しい。
さて、最初に海岸へ向かう遊歩道の場面。ここで二人が作る影の方向が、
海→陸
ここ以降で影が出る場面がありませんから、光の方向は変わってないと捉えられます。またレイジが陸側(と亜子)を向くと顔の影が強くなり、この点からも光の方向が分かります。
3-1:
亜子が喋る時は海に向かっている時だけ。
言ってる事は恨み辛み。
光に向かっています。
→嘘
ん?嘘?いや亜子がそんなに性格がいいはずがありません(笑)。
何か光の方向を変える物があるはずです。
あった海。凪の海面。鏡の様な海面です。
光の方向が反転し、
陸→海
亜子は光を背にするに変わり、
→本当
…!
…これまたビックリ
3-2:
ではレイジが言ってる事。
3-2-1:
前半、亜子の横で海を向いている時。
海面が鏡の役割をして光を背にしてます。
→本当
言ってる事は
・「昔の思い出なんてどうでもいい」
(→兄の事思い出すと、俺が別人だってバレる)
・「商店街の場所を覚えてるだけで十分」
(→兄の事思い出すと、俺が別人だってバレる)
・「覚えてなきゃいかんことはちゃんと覚えてる」
(→兄の事以外覚えとけ)
3-2-2:
後半、陸側にいる亜子の方を向いている時。
光に向かうことになり、
→嘘
・「感じたことだけ信じればいい」
(→兄と違うと感じても、亜子の勘違いだゾ)
・「新しく感じたことを新しく信じればいい」
(→兄の記憶を俺と混同しろ)
・「亜子 もういい」
(→その調子でもっと心を開け)
3-3:
…この海面の使い方にもビックリ。

4:
最後、駅のプラットフォームの場面。
亜子、レイジに「私を殺して」
明らかに亜子の顔に光を当ててます。
→嘘
こんな生活イヤ!何とかしてよ、お兄ちゃん、っていう事。
4-1:
第二話の最後で亜子に早くも「お兄ちゃん」と呼ばせるレイジの凄腕。
流石歌舞伎町の最強職業的嘘吐き。
4-2:
二人の立ち位置。
商店街の散歩

の時、レイジは亜子の左側。
ところがここでは、
レイジは亜子の右側。
今迄亜子を導いて来た白杖の側。亜子が心を許しレイジに頼り、これからはレイジに導いてほしい、っていう事。
…ん~、堤監督、抜かりがありません。




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『愛なんていらねえよ、夏』その13

第一弾
第二話その5
光と影その2

1:
亜子、咲子に兄からの手紙について聞く。
咲子、知らない。住所書き間違えたのかも。
亜子、じゃああの人が嘘ついてるかも。別にいい。嘘吐かれるの慣れてる。
亜子は上手、咲子は下手。
画面は上手に傾いています。
光源は中央下手寄り、咲子の方に近い。
→嘘
二人共言ってる事は嘘ですが、亜子は咲子が嘘を吐いているのを知っています。
真実の重みで亜子がいる上手に傾いている訳です。

2:
鷹園邸でレイジと奈留が、亜子、咲子と朝食を食べる場面。
レイジは音を立て、また急いで食べます。
歌舞伎町最強の職業的嘘吐き王としては非常に不自然。なぜならアフターで上得意のお客様と食事をする機会も少なくないはずですから、下品な食べ方をするはずありません。
普段から気を付けてないといざと言う時にボロが出る恐れがありますから、レイジクラスのホストなら常に上品な食べ方を心掛けてるはずです。
2-1:
この場面で光がハッキリ当たるのはレイジのみ。
奈留は顔の一部。
また窓に向かっているのもこの二人。
(→レイジは光と窓を同時に使わず二重否定を避けてます。奈留は窓を背景に入れ顔の一部に光を当ててます)
→嘘
レイジの下品な食べ方は食べ物が不十分だった施設で育った事を亜子と咲子に納得させるため。演技(=嘘)です。
2-2:
と、こ、ろ、が、
ここで怪しい事を言うのが奈留。
まず光が前後にある映像になるのが奈留のみ。
そして奈留の台詞:

> 早すぎですよ レイジさん
> ちゃんとかんでます いつも…

この「いつも…」以下何を言おうとしたのでしょう?

「いつも早すぎますよ」

だけでなく

「いつもは違うでしょ」

もあり得ます。
2-3:
「いつも…」以下を消しているのがレイジ

> もう うるさい うるさい 口うるさい女房みたいなこと言うな

字面通りなのか、奈留がバラしそうになったのでレイジが誤魔化したのか、どちらもあり得ます。
2-4:
…更にレイジと奈留を横から撮ったカットは左右均等、相似の構図。窓や電灯スタンドの位置と数も同じ。光の強さも同じ。完全に安定した構図で、どちら(レイジか奈留)も強調していません。
…という訳で、ん~、どっちだか分かりません。
…個人的にはレイジの食べ方はおかしい。
…また、こういう曖昧さを狙った脚本と演出だとすると、その細かさに呆気にとられます。

3:
続けて朝食後、レイジ、亜子の部屋のドアに向かって。
「人生で一番大事なものは金で買えない。金と心を天秤にかけるな」
ドアにすりガラス付きで光源。
→嘘
…第一話で自分で言ってる通り「(男の)心なんか金でどうにでもなるの」です。

3:
朝食後、食器を洗う奈留と咲子。
奈留:レイジは悪い人じゃない。
咲子:亜子は悪い子じゃない。
二人共光に向かってるから
→嘘

4:
レイジと奈留、二人に与えられた部屋で。
レイジが話してる時、電灯スタンドが後。
→本当
亜子を殺しても全財産を頂く決心です。

5:
咲子の自室、咲子と真壁弁護士。
なぜか部屋の大きさの割に照明が強く怪しさを強調してます。
これは
“red herring”(=燻製ニシン)=人の注意を他に逸らすもの
(→猟犬の訓練にニシンを使うことから)
(→ヒッチコック+トリュフォーの『映画術』で知りました)
です。ひょっとすると咲子と真壁は何か企んでるかもしれないと思わせる演出です。
5-1:
真壁、レイジの身元調査報告。この時、下を向きノート(か手帳等)を観ながら。
→本当
光源を避けてます(笑)。ただ施設の園長が話した事を伝えてるだけです。
5-2:
咲子、レイジを疑ってるわけじゃない。大事な亜子のことだから。
電灯スタンドに向かってます。
→嘘
疑ってます。大事に思ってません。
5-3:
真壁、咲子は亜子を本当の娘のように育てた。亜子+亜子の父親+咲子の写真の方を見て光源を避けてます。
→本当
5-4:
真壁、咲子にそれとなく告る。二人の間に電灯スタンド。
→嘘



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『愛なんていらねえよ、夏』その12

第一弾
第二話その4
光と影その1

1:
冒頭、レイジ、亜子に白杖で殴られた後、「俺みたいな奴 殴るためにあるわけじゃないだろ もっと大事にしろ」
順光→嘘
…まぁ~、心にも無い事言ってますが、その場を取り繕うには最高、最適。
…第一話で遺産目当てではないしっかりした「お兄ちゃん」を演じ、続いて妹思いの「お兄ちゃん」もソツなくこなしたレイジです。
…第二話も最初から、この出来の良さ。

2:
亜子、楓とナイルにて
亜子の後に窓、右側前(テーブルの上)に電灯スタンド。
顔の右側半分(上手)は弱い光の中、反対側は影の中。
流れる曲はピアノの“Fly me to the moon”。
台詞は
「私には家族なんていないから」
→嘘
…光源が亜子の前後に計2個。二重否定。
…そこに嘘を象徴する“Fly me to the moon”を流し、亜子が言ってる事は嘘。
…または亜子の顔の光と影に注目しても、光(=嘘)と影(=本当)でどっち付かず。そこに嘘を象徴する“Fly me to the moon”が流れ、嘘。
…亜子の本当の気持ちは、家族が欲しい恋しい。
…蛇足
この時なんでピアノの“Fly me to the moon”かと言うと、礼慈(レイジじゃないゾ)のオルゴールが壊れているから。

3:
鷹園邸、応接間
3-1:
まず、亜子の病気について
レイジ:窓を背にする、システム手帳を見ながら。
真壁、咲子:第一話と同じく光源が多い方を背中にする。
→本当
…亜子の病気の経過の事ですから嘘を吐く必要無し。
3-2:
亜子が発病後、亜子の父親は何をしたか?
レイジはシステム手帳を投げ捨てると鷹園家側の人々を向く(=光源が多い方)。
それからカーテンを開き庭を見る(=光源を見る)。
→嘘
…亜子の父親の事なんか、ぜ~んぜん気にしてません。
鷹園家側の人々:光源が多い方を背中にする
→本当
3-3:
亜子はなぜ悲しそうな顔をしているのか?
レイジは窓を背にする。
→本当
…事実を言ってるだけで亜子に同情してる訳ではありません。
3-3:
亜子、ドアを勢いよく開け登場
亜子、私が愛に飢えてる?
亜子の背後にも窓がありますが、正面にある窓の方が多い。
→嘘
…本当は寂しかった亜子です。
レイジ、亜子みたいな顔をしたやつを施設で一杯見た。
それから身の上話。
亜子の方を向き亜子の場合と逆になり背中側の光源が大きくなります。
→本当
…レイジが実際に施設で体験した事でしょう。
3-4:
亜子、応接間の中へ
亜子、兄に文句たらたら、それから今更兄貴づらするな。「兄貴づらするな」の時、応接間の窓を向く。
→嘘
…まぁ文句はあるけど、帰って来てくれて本当は嬉しい。
3-5:
レイジ、手紙出したゾ。
この前に亜子がレイジより壁に近い方に行きます。亜子と話を続けるために亜子の方を向くと壁に向かい光源を背にせざるを得ません。
→本当
…礼慈は手紙を出してました。
3-6:
亜子、手紙?なによ、それ
窓に向かってます。
→嘘
…亜子、実は兄礼慈から手紙が来てるのを知ってます。これは第六話の最後で分かります。
3-7:
レイジ、咲子に手紙届いてなかった?と尋ねる
咲子の方(=光源多)
→嘘
…手紙が届いてようがなかろうが気にしてません。
3-8:
咲子、手紙は届いてない。
咲子のいる場所は変わらず光源が多い方を背中にしてます。
→本当
…一見嘘を吐いてます。でも亜子には届いてないんだなぁ。
3-9:
レイジ、何度も手紙を出した、返事来ないからここにも足向けにくくて。
亜子の方を向く(=光源を背にする)
→本当
…「ってタメゴローが言ってた」を言い忘れたレイジです(笑)。
3-10:
亜子、手紙来ても読めない。
窓に向かってます。
→嘘
…読めないけど、読んでもらえば内容は分かるっていう事。
…物語後半への伏線になってます。
3-11:
亜子、その人に適当にお金渡して帰ってもらって
レイジ、適当にお金ってどういうことだ。
二人共光源を背にしてます。
→本当
…亜子、レイジの正体を疑っていて本物かどうか試しています。
…レイジの方は適当じゃなくて7億3千万必要だから怒っちゃいます。
3-12:
続けて
亜子、この家の財産は全て私のもの。
レイジ、ちゃんと管理しろ、俺に渡そうとなんかするな。
同じく二人共光源を背にしてます。
→本当
…亜子は事実を言ってます。
…レイジは渡してもらわなくても構いません。亜子が死ねば自分のものになるから。
3-13:
レイジ、来月に仕事でロスに行く。
鷹園家側の人々に伝えるから光源多の方を向きます。
→嘘
3-14:
レイジ、笑顔の昔の亜子に戻ってくれないと出て行けない。
亜子の方を当然向きます(=光源を背にします)。
→本当
…笑うっていう事はレイジを礼慈と信用する事です。
亜子、笑ったわよ、出てって。
亜子の方も当然レイジの方を向きます(=光源に向かいます)
→嘘
…笑ってないから出て行ったらダメよ、お兄ちゃんって事。
3-15:
そしてカットが変わり、テーブルの上の電灯スタンドが中心の映像。
強調してるのが、光=嘘。
亜子が椅子に座るとこのスタンドの後になり隠れます。
最後に亜子がビックリする様な事を言うから亜子の方を見ます。
だから全員の視線の先にあるのは光。今迄言ってきたことは何か怪しいゾって言う映像です。
亜子言ってた事は嘘、レイジにはいてほしい。
レイジと奈留は電灯スタンドに近いから問題外の嘘吐き。
咲子は第一話で礼慈の手紙を握り潰したから怪しい。
五十嵐も立っている位置から信用出来ません。
真壁弁護士は、よく見るとレイジが電灯スタンドの間にいるので光が届きにくい。鷹園家の財産の利害関係と関係が薄いと暗示してます。
3-16:
また真壁弁護士は、このカットの登場人物の立ち位置からも中立的な立場の人間だと分かります。
画面下手から上手へ
奈留→レイジ→真壁弁護士
(=部外者側)
また
同じく
スタンドの後の亜子→真壁弁護士→咲子→五十嵐
(=鷹園家側)
と二つの直線的に並び、二つの直線に共通するのは真壁弁護士のみ。
3-17:
ま、こんな具合によく考えて作ってあります。



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『愛なんていらねえよ、夏』その11

第一弾
第二話その3

1:
亜子の白杖で傷付けられたレイジの右頬。
嘘が通じなかったレイジのショック、かな。

2:
亜子と食器の片付けについてちょっと言い争った後のレイジ。
素早く咲子に目が不自由な人への手の貸し方(→杖を持ってない方の手で肘を持ってもらう)を聞きます。
この学習意欲の高さ、歌舞伎町の最強職業的嘘吐きです。

3:
レイジの好みの煙草が、ラッキーストライク=Lucky Strike
→「運良く金鉱を掘り当てること」の意。
この鷹園家侵入だけでなく第一話で和田喜代美から資金提供を受ける(笑)時にもありますから、ま、レイジの御守りですね。

4:
4-1:
レイジと奈留が与えられた部屋で、レイジが良からぬ話をする時、レイジが壊れたオルゴールを手に取ります。

続いて亜子の部屋。
机の上のオルゴールが写り、カメラがパンし点字訳の本が写ります。
この点字訳の本は画面の2/3を占めかなり大きく写します。

最後に咲子の自室。
ここでもパンし点字用タイプライターが写ります。
4-2:
レイジと咲子を亜子はボロクソに言ってますが、オルゴールと点字用タイプライターから実はかなり重要な人間だと分かります。

5:
マリーゴールドを植える場面。
5-1:
マリーゴールドはキク科ですから、匂いは強い方です。
…亜子ちゃん、これ位はOK?
5-2:
レイジは自分と奈留と季理子の仲がいいところを見せてます。
亜子と楓との関係と違い今の亜子に無いものです。
この点からも亜子の心の鎧を綻ばせようとしています。

6:
レイジと亜子、商店街の散歩。
6-1:
レイジ、亜子に自分の肘を取らせてます。
流石、歌舞伎町の最強職業的嘘吐き、素早い実行力。
6-2:
「甘味喫茶 やまびこ」のカットで町名表示が画面に入りますが、「金崎」になってます。
…犬童一心監督の『ジョゼと虎と魚たち』じゃ大阪を舞台にしながら、信号機の地名表示に「初台」がしっかり写ってたからなぁ。

7:
レイジと亜子、渚にて。
暗示するものは、勿論、船出。つまりレイジは新たな展開を企んでいます。
この場面も怪しい。横から写す場面で背景に入る大量の水色と青と赤の吹き流し(?)の様な物。どう考えても意味の無い物で演出以外の何物でもありません。
(送風機はCGで消したのに間違いありません)
7-1:
吹き流し(?)様物体、風向きと風力
亜子の気持ちの変化を表してます。
7-1-1:
この場面の最初から、レイジが亜子にてきとーな事言って説得(?)するまで。
海→陸
強い(吹き流し(?)様物体が地面と平行)
…まだ今迄の感情や気持ちに捕われてます。レイジ、そして海と言う新しい人生に気持ちが向いてません。
…吹き流し(?)様物体の先端が向いている所は林が作る影と家。視力を失った生活と苦悩の日々を表わすのは間違いありません。
…風の強さから亜子の絶望の深さと暗さが分かります。
7-1-2:
亜子がレイジがいる波打ち際へ一歩を踏み出し、亜子の足元を写すカット。
陸→海
弱い(吹き流し(?)様物体の先端が地面から離れたり着いたり)
…このカットでだけ風向が逆(陸→海)になります。
…亜子の心の鎧がもう一ヶ所綻びました。
…レイジに対し心を少し開きます。
7-1-3:
亜子が踵を返し、今迄いた所へ戻る。
海→陸
中(吹き流し(?)様物体が地面に対して45゜)
…レイジに心を開き許そうとした自分の弱さが嫌い、っていう事。
7-1-4:
亜子、感情を爆発。白杖を投げ捨てる。
風止む
…しかし流木のためにこの場から離れられません。
…亜子は今迄自分の悲しみや恐怖を誰にも話した事がないんでしょう。
…流木が暗示するのがレイジに心を許し始めた事。今迄の様に心を堅く閉ざして生きて行くのはもはや不可能。
7-1-5:
亜子、目がまだ見えていた頃の話。そして自分を放っておいた兄に恨み辛みを爆発。
海→陸
中(吹き流し(?)様物体が地面に対して45゜)
…言いたい放題の昔Verの亜子っていう事。
7-1-6:
亜子、言いたい事を言い、投げ捨てた白杖を手探りで探し手にする。
風止む
…亜子、自分の弱さを見せちゃった、っていう事。
7-2:
レイジが亜子に全身で感じられる所に連れて来たかったと話す場面。
カメラの動きが
上手→下手
ということは、
レイジと亜子は
下手→上手
=北半球から見た地球の自転方向(=反時計回り)
つ、ま、り、
亜子だけでなくレイジも新たな人生が始まる事を暗示してます。

8:
最後、プラットフォームの場面。
強風が
亜子→レイジ
の向き。
レイジがタバコ吸い、亜子「タバコの臭い嫌い」。
ん~この状況で亜子の方にタバコの煙が流れる?



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『愛なんていらねえよ、夏』その10

第一弾
第二話その2

1:
レイジ+奈留と初めて朝食を取った後、自室でレイジに掴まれた肘の上を手で擦る亜子。
レイジに掴まれた所を映像で示すのは、重要だから。
レイジが亜子を説教したからです。
(→自分で食べたもの後片付け、自分で汚した所を掃除する、金と心を同じ天秤にかけるな)
これ程亜子を思い、心の中まで入って来た人間がいなかったという事。親代りの咲子の言動を見ると分かります。
掴まれた所に触れるという事は、その事を意識しているという事。レイジは亜子の心の鎧にもう一つ小さな穴を開け、付け入りました。もう一歩亜子の心に接近しました。
流石、歌舞伎町の最強職業的嘘吐き、第二話の冒頭で早くも石の心の女の心を溶し始めました。

2:
名波生花店店主名波季理子が鷹園邸へ持って来た花が黄色のマリーゴールドと赤のサルビア。
2-1:
それぞれ花言葉をいくつかのサイトで調べると
マリーゴールド

生きる
友情
可憐な愛情

生きる・友情・予言・可憐な愛情・健康・嫉妬心・別れの悲しみ・悲哀・絶望・勇者・悪を挫く

変わらぬ愛、生命の輝き


サルビア

燃える思い
恋の情熱
知恵、貞操、家族愛

尊敬・燃える思い・私の心は燃えている・恋情・知恵・貞節・家族愛・すべてよし

尊敬、燃える思い、家族愛

2-2:
…ほ~、レイジの「反意語」ばかり(笑)。
…でもこのドラマの根底に流れているものかな。
…しかし、「花言葉」と言う通り、レイジも亜子もまだ花を咲かせていないかもしれません。
…物語が進むと分かりますが、レイジはマリーゴールドに近い。
(→生きる・友情・予言・可憐な愛情・健康・嫉妬心・別れの悲しみ・悲哀・絶望・勇者・悪を挫く)
…亜子はサルビアに近い。
(→尊敬・燃える思い・私の心は燃えている・恋情・知恵・貞節・家族愛・すべてよし)
2-3:
季節に合う花、そしてその花の花言葉で象徴する主人公二人の本来の性格。
こんな所からも『いら夏』の出来の良さが分かります。



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『愛なんていらねえよ、夏』その9

第一弾
第二話その1

1:
冒頭、レイジ、亜子の白杖で右頬を傷付けられた後、

> その杖
> 俺みたいな奴 殴るために あるわけじゃないだろ
> もっと大事にしろ

…さすが歌舞伎町の最強嘘吐き王です。再直接尋問で見事に失地回復。
…すげー脚本です。第一話からの流れが全く途絶えません。

2:
ナイル
亜子の行き付けの喫茶店。
2-1:
内部はこのドラマの唯一のセット撮影。壁の写真(約20点)は堤監督が撮った物。
(→『堤っ』p.319)
2-2:
ナイル→ナイル川
御存じ世界最長の川。亜子が一杯のハーブ(?)ティーを飲みに行くにもナイル川の源流を辿るみたいに大変、と言う事。
2-3:
ナイル川で思い出すのが、モーゼと映画『十戒』(→NHKのアナウンサーなら絶対「じっかい」と読む)。『十戒』は↓

紀元前14世紀頃のエジプトの話。イスラエルの子孫の力を恐れたファラオは、生まれたヘブライ人の男の赤ん坊を殺す事を命令。しかし赤ちゃんモーゼはナイル川に流され難を逃れました。その後ファラオの娘に救われエジプト宮廷て成人。その後モーゼはイスラエル人を引き連れエジプトを脱出し、紅海の海水を分け渡って行きます。
その三日後、シナイ山で神と契約し十戒を与えられ、約束の地カナンへイスラエル人を導きます。

なんて話。な~んか、レイジと礼慈に似てるでしょ?
さてさて、レイジも奇跡を起し巧く行くのでしょうか?
2-4:
最初に店内で掛けてるレコードがジョン・コルトレーンの“Love Supreme”
=「至上の愛」
…亜子にとって至上の愛って何?
…コルトレーンは40歳で死んじゃうよ、亜子。
…どうなるんでしょう、亜子は?
…→なんて事を表わす選曲。
2-5:
ナイルのテーブルの上に置いてあるキレイな石
これがよく分からないんです。パッと見は墓石。亡くなった父親、家を出て行った母親と兄礼慈を表わしてる様な気もします。

3:
亜子の病気が
頭蓋咽頭腫
医学事典を見ると
「とうがいいんとうしゅ」
になってます。
良性腫瘍だけど頭蓋骨の底、脳下垂体があるトルコ鞍に発生するのが大半だとか…
あー、これは素人見にも大変な所にあるわなぁ。

4:
冒頭、2番目のシークウェンス、応接間での場面。
ここで亜子、レイジに対して中々の応酬をしています。最後にレイジが「笑ってくれるまで出て行けないよ」と言うと、亜子が「笑ったわよ 出てって」。
良い。
広末涼子もいいんだなぁ。両目の表情を消して嫌悪感を顔中から沸き立たせています。

5:
桃園で鷹園家侵入報告と食事するレイジ、奈留、季理子。
5-1:
愛してるなんて嘘だから何回でも言えるとレイジ。じゃあ栞には何て言ってたと聞く奈留と季理子。
レイジ:忘れたよ
それを聞いた季理子のムカつく表情。いかにもこの下衆野郎って言う表情。
5-2:
ところが、レイジがタクローと晴男をなんで連れて来たかと聞こうとして季理子に手招きすると、
そんな表情が雲散し、目を見開き単純に何って言う表情になります。
5-3:
ん~、この表情は怪しい、ただ事じゃないゾ。かなり無警戒で素の表情。心を許していなけりゃこんな表情しません。憎からず思っているのは間違いなし。
(→物語が進むと分かります)
その季理子を演じるのは西山繭子。悪くない。

6:
食事の場面が続きます。
6-1:
夕食
レイジ+奈留+季理子→ファミレス風な店。串焼き他居酒屋のメニューだね。
亜子+咲子→洋食。野菜多し。
(→この前に入る鷹園邸のカットが昼。食事の場面がどう見ても夕食。夜の鷹園邸のカットを撮れなかったんでしょうか?)
真壁弁護士+五十嵐→生簀料理の店。イセエビ。
6-2
鷹園邸で朝食
レイジ→ご飯
奈留+亜子+咲子→洋食
6-3:
なぜこんなに食事の場面を入れたのでしょう?
食事と\1,000,000,000と言う日常と極端な非日常。
ある意味両極端な事が起り得る日常って言う事、かなぁ。




タグ 愛なんていらねえよ、夏 堤幸彦 広末涼子 渡部篤郎 坂口良子 森本レオ 西山繭子 藤原竜也 有吉弘行 ゴルゴ松本


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好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
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