『愛なんていらねえよ、夏』その32

第一弾
第六話その7
光と影その4

1:
亜子とレイジ、帰宅。玄関ホールで咲子と。
1-1:
咲子、西新宿病院と須之内医師に対する疑問。
壁の電灯を背にします。
→本当
怪しいんです、病院も須之内医師も。
1-2:
咲子、レイジに対する疑問。
この時も壁の電灯を背にします。
→本当
色々ありましたからねぇ、正体をそろそろ疑って当然です。
1-3:
亜子、礼慈からの手紙を持ってると爆弾発言。
咲子に「他の手紙は私には届いてない。二度と母親づらしないで」と攻撃。
亜子は階段の途中にいて、後の壁に電灯が二つ。階段なので足元に電灯一つ。
→本当
亜子の反撃第二弾。相手は咲子だから情け容赦無く全力の一撃。
…視聴者には痛快この上無し(^_^)。



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『愛なんていらねえよ、夏』その31

第一弾
第六話その6
光と影その3

1:
ホタルの川
まず、この川は、亜子とレイジがいる方から見て
左→右
と流れてます。
1-1:
ホタルの川に到着、川原に二人。
二人の背後に街灯。
そして川の反対岸土手の上にも街灯。遠景にも街灯。
基本的に「『本当』は『嘘』」の組み合わせ。
→嘘

1-2:
また背後に赤い街灯が一つ。
家族愛です。
1-3:
最初
1-3-1:
レイジ、ホタルが一杯いるとかキレイとか言う。当然、
→嘘
です。
1-3-2:
この時、亜子は質問だけしかしません。
1-4:
レイジ、亜子から離れ川に少し近付き亜子の方を振り返る。
光の位置からこの向きでも言う事は、
→嘘
1-5:
亜子の顔のアップになり、
亜子:どうしてお兄ちゃんは優しい嘘を吐くの?
亜子:蛍は梅雨が明けるまで

から

亜子:隠さないで、嘘吐かないで、信じさせて
(レイジが蛍を見つける前迄)

まで
1-5-1:
蛍がいる時期は本当だから、川の反対岸の街灯を打ち消すものが必要。
レイジが動き、亜子と反対岸の街灯の間に入り影になります。
最初の方のカットでパンしながら川と対岸を写すカットがあり街灯の数と位置を、視聴者に教えています。
つまり亜子はこの間は(→レイジが蛍を追う迄)、レイジの影に入り背後の街灯だけで逆光になり、
→本当
になります。
1-5-2:
…実際に影が出来る程街灯の光が強いはずはなく、光源としての街灯とレイジとのおおよその位置関係です。
1-6:
レイジ、ホタルを一匹発見。
しかし、ホタルがいて追っても嘘になります。理由は次の2点↓
1-6-1:
ここの基本的な光の方向にホタルが進みレイジが追うと、順光の一つになるから変わらず、「『本当』は『嘘』」の組み合わせ、
→嘘
1-6-2:
光の方向と違う方向へ進むと、順光になり、
→嘘
1-6-3:
つまりレイジは亜子にホタルの存在を決して伝えられません。
1-7:
レイジが亜子を呼ぶだけでなく蛍を追うレイジが音を立てるために、亜子は極自然に蛍の方を向いてしまいます。
そうすると光源の方を向くことになり、亜子が言う事は
→嘘
1-7-1:
さて、

亜子:もういい
亜子:捕まえられなかったあの時のお兄ちゃんでいい
亜子:もう見つからないから、ホタルも、何も

亜子のこの台詞は字面通りだとおかしい。
第五話の最後と第六話の最初で余命半年と分かりお兄ちゃんに救いを求めたのに、

「捕まえられなかったあの時のお兄ちゃんでいい」なら、以前と同じ様に何も出来なくてもいい事になります。
1-7-2:
しかし、
これが反語なら納得行きます。
・もういい
→諦めないで、お兄ちゃん
・捕まえられなかったあの時のお兄ちゃんでいい
→今度は助けてね
・もう見つからないから、ホタルも、何も
→頑張ろうよ
1-8:
蛍が消え去った後でも光の位置は変わりません。
1-8-1:
レイジ:お前のことを一匹だけ待っててくれた
→嘘
何とか亜子に事実を教えようとしても、ここに来た時と変わらず嘘にしかなりません。
1-8-2:
亜子:ありがとう、最後の夏休み。
→嘘
最初の夏休みに感謝。昔と変わらないお兄ちゃんの優しさが分かったから。



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『愛なんていらねえよ、夏』その30

第一弾
第六話その5
光と影その2

1:
自室で亜子、「サイゴノナツヤスミ」と点字を打つ。
この時“Fly me to the moon”が流れます。
また初めて亜子の「書斎」のカーテンが開きます。
窓を背にし逆光ですから、「『嘘』は『本当』」の組み合わせ
→嘘
お兄ちゃんと最初の楽しい夏休みです。
同時に「カーテンが開く」は幼い鷹がいよいよ巣立つ日がやって来た事も表わしています。いい様に弄ばれていた鷹が反撃を開始します。強力な鉤爪と嘴、飛翔力を持った鷲が実力を示します。

2:
夜、五十嵐が鷹園邸に亜子と会うために訪問。
応接間で、五十嵐、間接的にプロポーズ。
電灯が前後になりますから、「『嘘』は『本当』」の組み合わせ。
→嘘
お金が目的で~す。

3:
海の家でのレイジと亜子。
ん~難しい場面です。
二人の横から光が当たってる事になります。
海側から撮った映像→光に向かって順光→嘘
陸側(海の家の内部)から撮った映像→光を背にし逆光→本当
、となります。
またレイジはこのシークウェンスでサングラスを外さないので影を作るので、「逆光→本当」と組み合わせることになります。
3-1:
前半
3-1-1:
海の家の内部から
亜子:礼慈がホタルの川に落ちた事
レイジ:何かあったね
(→『本当』は『本当』の組み合わせ)
…ま、何かあったのは確かだわ(笑)。
亜子:私が覚えてるお兄ちゃんとの最後の夏休み
→本当
3-1-2:
海側から
・亜子:中2の時くらいまでは毎年見に行ってた
→嘘
…ここです、難しいのは。小さい頃はともかく、中2の時は礼慈がいなかったから本当かどうか亜子以外分かりません。
…亜子がレイジを試してるとも解釈出来ますし、亜子の思い違いも有り得ます。
…「1」で書いたカーテンを開けた事も考えると亜子はレイジがどうするか試していると考える方がいいかもしれません。
…実は亜子も中々賢いのかもしれません。
3-2:
後半
3-2-1:
海側から
・レイジ:トイレ混んでた
・亜子:五十嵐にプロポーズされたみたい
・レイジ:あ、そう
→嘘
レイジはサングラスが加わり「『本当』は『嘘』」の組み合わせ。
…亜子は「みたい」じゃなくてプロポーズされたんです。
3-2-2:
海の家の内部から
・亜子:死んじゃう人間にプロポーズは変
・亜子:会社の事とかあるから?
・レイジ:そういう考えは良くない。
・レイジ:五十嵐、いい人みたい
・亜子:妹の花嫁姿見たい?
・レイジ:可愛いだろうね
→本当
亜子の言ってる事は本当。
レイジはサングラスを掛けているので「『本当』は『本当』」の組み合わせでやはり本当。一般論を言ってる訳です。
3-3:
…このシークウェンスではサングラスはレイジの本心をおそらく隠している演出です。そうだとすると「1」のカーテンを開く演出と対になってます。
…亜子は「巣立ち」反撃開始。逆にレイジは「守り」に入りました。
…つまり二人の立場が逆転しました。
…この解釈が正しかったら、驚異の演出です。凄いね、堤監督(溜息)。



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『愛なんていらねえよ、夏』その29

第一弾
第六話その4
光と影その1

1:
冒頭、レイジ。
1-1:

> お前のことを助ける医者を探す
> 俺は最後まで諦めない

ここまでは顔の半分光の中、半分影。レイジ迷ってます。
1-2:

> お前も諦めるな
> お前が怖くならないように一緒にいる
> お守りをあげる

レイジの顔は影の中。
→本当
決まりましたね。

2:
タイトルバックの次、鷹園邸の応接間。
2-1:
まず咲子。

> 今野先生は優秀な医者。

窓に向かってます。
→嘘
2-2:
レイジは殆どのカットで窓を背にしてます。
→本当
レイジが窓に向かうのは、

> 残り一ヶ月と言われた癌患者

→嘘
そんな「俺の知り合い」いないっていう事。この癌患者について言っている事はどこかで読んだりした事で、書いてあった通り言ってるから「本当」。
…この解釈通りなら、相変わらずてきとーな事言ってるレイジです。

3:
食堂で、五十嵐、真壁、咲子。
レイジの正体と言ってる事について。
三人の位置は下手から上手へ
五十嵐→真壁→咲子
真壁が中央、五十嵐と咲子が向かい合って座ってます。
3-1:
五十嵐
この人の後に大きなガラス窓。照明が一番強い。
正面にもガラス窓がありますが、光は弱いし、格子入り。
顔は影の中。
→本当
ま、大した事言ってません。
格子入りのガラス窓が目の前にあると言う事は、亜子の遺産に捕われています。
3-2:
真壁
背景は
壁+窓+壁+窓+壁
いかにも利害関係の無い中立の立場を強調する背景です。
顔は影の中。
→本当
3-2
咲子
この人の後にも窓がありますが、少し離れてます。
そのため真壁の後の窓からの光で顔が明るい。
→嘘
レイジの正体を既に知っているかもしれません。

4:
亜子の部屋で楓。
窓はカーテンが閉まってますが窓の方を向き(→亜子がいるから)

> かわいそう

→嘘

5:
ナイルでレイジに会社への融資を頼む五十嵐。
レイジ、承諾。
光を背にし逆光
→本当
五十嵐、光を顔に受け順光
→嘘
単なる融資じゃないからね。



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『愛なんていらねえよ、夏』その28

第一弾
第六話その3

1:
蛍の川。
1-1:
ついにレイジの嘘が「蛍」と言う事実に敗れました。
歌舞伎町最強の職業的嘘吐きが蛍に負けたんです。
レイジの嘘が通じなかったのは、ホスト生活で暫く無かったのでは?
1-2:
またこれは亜子の反撃が始まり。
まずはレイジから。ただレイジの優しさが分かってるから軽いお仕置程度です。
雛とは言え、鷹には変わりなく実力を見せ始めました。
1-3:
レイジが捕まえようとした蛍の色が黄色。
子供の頃の礼慈も捕まえられなかった蛍。
マリーゴールドの黄色ですから希望と絶望と嫉妬の色。
レイジにとって希望と絶望と嫉妬と言えば亜子。
ここで捕まっちゃうと『いら夏』も終わりなので、レイジに捕まえさせる訳にはいかんと言う事です。
1-4:
蛍を捕まえようとしてずぶ濡れになったレイジ。
ん?。
今迄と違います。今迄は人を騙すために頑張ってきたのに、ここでは事実を、本当の事を伝えようとして川の中にさえ入りました。
嘘を吐く事に対して事実を伝える事。
今迄やってきた事は反対の事。
つまり「攻め」から「守り」に変わりました。
1-5:
水は生の象徴にもなってますから、
水→羊水→誕生
と連想します。
ずぶ濡れになったレイジは新たな生を授かり、新たな人生を歩み始めたとも捉えられます。
また映像を注意深く観ると分かりますが、レイジは蛍を追って川の下流へ向かいます。
下流が示すのは時の流れに沿う事ですから、やはりこれも新たな人生を連想させます。
1-6:
以上の事から蛍の川が分水嶺であり、物語の転換点である事が分かります。
1-7:
それにしても、奈留と季理子が蛍を捕まえようとするレイジの姿を見たら…

2:
レイジ、帰宅。自室へ。
2-1:
最初のカット。コーヒーテーブル。
画面手前に礼慈のオルゴール。その奥に季理子が持って来たバラ。
オルゴールの方が重要なのは明らか。
2-2:
季理子、なんであの子をバイクに乗せるんだとレイジを責める。
この時、季理子の顔を左から撮ったり右から撮ったり。
蛍の川で亜子から「見えないんだから信じさせてよ」と責められた時と同じカットの連続。
ガードが下がったところを左右からボコボコにされてます。
…レイジ、女難であります。

3:
本棚から礼慈の手紙を取り出す亜子。
ガラスの写り込みを利用し亜子の胸から取り出すように見えます。




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『愛なんていらねえよ、夏』その27

第一弾
第六話その2

1:
「サイゴノナツヤスミ」用バイク。
1-1:
タンクが黄色い。
希望と絶望の色。
1-2:
バイクは車と違い同乗者は眠くなっても眠る訳にはいきません。
一蓮托生、運命共同体です。
、と言う事は、亜子は希望と絶望、生と死をレイジと共に分け合う気になってます。

2:
レイジがならし運転に行く前に7カット:
・キーを捻る
・キックペダルでエンジン始動
・アクセルグリップ捻る
・ハンドルを前に向ける
・キックスタンド上げる
・クラッチ切る
・ギア入れる
ラッキー7の7カット。
レイジと亜子、うまく行けー、って事。

3:
そしてレイジが出発すると亜子が両耳を塞ぎます。
バイクに慣れてない亜子らしく、中々良い演出。

4:
レイジがならし運転でいない間、奈留と亜子、お喋り。
この時亜子のアゴの下に帯状の光を当ててます。
亜子の言ってる事と首吊りの輪みたいな光だから、死を覚悟した亜子です。

5:
海の家の場面。
5-1:
空が変。天候が悪かったんでしょう。それにしてももう少しましなCGにして欲しかった。
5-2:
奈留が咲子と楓に蛍の川について尋ねるカット。
赤と黄色のパプリカを写します。蛍の川が家族愛と希望と絶望になる事を告げてます。




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『愛なんていらねえよ、夏』その26

第一弾
第六話その1

1:
冒頭、レイジが亜子に落としたスーパーボールを渡した後。

> お守りをあげよう

この背景になるのが鏡。カバーが掛かっているのが下手側上の2/3位。二人が写ってます。
ところが第五話ではBBQの後、レイジと奈留の会話の場面では下手側下1/3位だけが掛からず奈留だけ写ります。
鏡は自分を確認するための物ですから、第五話の方ではレイジは奈留に自分の姿を隠してます。第六話では亜子に見せています。
一人一人の本当の気持ち。
レイジだけ気持ちがハッキリしていません。

2:
鷹園邸応接間、レイジ、病院を替え亜子を治したいと熱弁。
応接間の窓が大きく開いてます。そこにいるのは亜子に引き寄せられた人々。
今時エアコンが無いのは不自然だし、雑木林から来るのは涼風だけでなく藪蚊も来るでしょうから開け放つのはありそうもなし。
何が来るか分かんないけど誰か亜子を助けに来て、と言う事でしょう。自ら扉を開けたから入って来たのは吸血鬼みたいなのばかり。

3:
亜子、自室で一人。
レイジに貰った「お守り」を手にしています。カプセルが少し潰れて平らになったカットが入ります。中身が入っているか確認したからでしょう。後の出来事の伏線になってます。

4:
アイスクリームを食べる人々。
当たり:タクロー、亜子
レイジの生殺与奪を持つ人が当たり。

5:
桃園で食事中、季理子、奈留、レイジ。
窓に半分掛かる黄色いドレープ。希望と絶望と嫉妬の色。
5-1:
窓際にある花がヒマワリ。
花言葉は、

あこがれ、熱愛、愛慕、光輝、敬慕

あこがれ、光り輝く、私は貴方だけを見つめたい

あなただけを見つめます、光輝、熱愛

季理子、レイジが好きなんだ。カツ丼もレイジへの愛情の象徴。ここで分かりました。
5-2:
レイジ、トイレで鏡を見つめる。
鏡→反射→reflect→「よく考える」
考えてる事は自分の気持ちと亜子の事でしょう。

6:
家族愛と希望と絶望の象徴の花壇に嫉妬の色の緑のジョウロで水をやる亜子。
6-1:
相変わらず恐れ知らずの亜子と思っていると、ほ~ら来た季理子。
そして季理子は栞を使って亜子をそっと攻撃。
6-2:
戻って来たレイジと会う季理子。
この時の季理子の少々柄の悪い喋り方。レイジには素の自分を見せてます。
ヒマワリと黄色を使った桃園の場面(→上の「5」)と繋がってます。

7:
和風喫茶で良からぬ事を話す咲子と五十嵐。
格子窓を使いここでも「捕われている」事を表わしています。

8:
その次のカット。昼間の半月。
おかしくはないけど、普段は気にしてない昼間の月。
このドラマで考えると、登場人物が皆怪しいから…
揺れる緑の木立ちの上の半月だから、亜子とレイジ。
亜子の遺産を狙う人々の嫉妬、亜子を生かすのか殺して遺産を手にするのか迷うレイジ、なんて事でしょう。

9:
亜子が夏休みが欲しい、バイク乗りたいとレイジに言うと、バイク便通過。
9-1:
レイジがさり気なく亜子とバイクの間に入ります。
スーパーボールを這いつくばって探すより亜子を事故から守ろうとしてますから、もっと意味深な行為。
…奈留に見られたらどーすんの、レイジ…
~by 俺~
9-2:
このバイクの荷台に赤い箱。家族愛の色。
ふ~ん、これじゃ事故にならんね。



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プロフィール

CYPRESS

Author:CYPRESS
最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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