『世界の中心で、愛をさけぶ』その104

第五弾

音楽の使われ方その1

第十話

1:
☆冒頭、2004年、小林明希、救急救命室へ。無事を祈るサク、泣く一樹。

→12曲目、「遠いささやき」

2:
☆2004年、サク、小林明希の無事を祈る。

→9曲目、「朔と亜紀part2」

3:
☆サク、ウルルの空を…。

→4曲目、「ぼくの悩み」

4:
☆病室、アキ、生きる事を諦めた?
から
☆アキ「私 死ぬのか」。
まで

→20曲目、「空の果てへ」
のおそらく弦楽器の部分

5:
☆アキ「みんなに会いたい」。
から
☆サク、松本潤一郎名義の通帳に手を付けようとする。
まで

→15曲目、「1987年、夏」

6:
☆アキ、病室で谷田部先生の特別授業を受ける。
☆サク、オーストラリア行きを計画。

→15曲目、「1987年、夏」
の後半

7:
☆アキ「もう時間ないじゃない」
から
☆谷田部先生、夜、アキを訪ねる。
まで

→8曲目、「始まり」
の後半ギター抜き

8:
☆谷田部先生「廣瀬亜紀は どんな風に生きてきた?」
から
☆朔、稲代観光でオーストラリア行き航空券を買う。
まで

→9曲目、「朔と亜紀part2」

9:
☆夜、病室、廣瀬一家、食事。アキの子供の頃の話。
から
☆サク「行こう ウルルへ」
まで

→5曲目、「愛とは」
のリズムセクション抜き

10:
☆アキ、サクを突き飛ばし一人でタクシーに乗る。
から
☆アキの両親、佐藤医師、アキのテープを聞く。
まで

→17曲目、「Searching for the gate of eden」
のシンセサイザーの部分。

11:
続いて
☆アキのテープ「これが自殺なのか何なのか分かりません」
から
☆アキ、駅のベンチに一人座る。
まで

→15曲目、「1987年、夏」
の後半、ピアノが入る部分から

12:
「その71」にも書いた、
☆駅のベンチ、サク「アキはそのまんまでいいんだよ」
から
☆電車の中の二人、サク「逃げんなよ」
まで

→19曲目、「かたち あるものInstrumental For TV」

13:
☆空港、ロビー、アキ、倒れる。
から
☆アキ、サクのデイパックを掴めず崩れ落ちる。
まで

→20曲目、「空の果てへ」
の弦楽器の低音(チェロ)のみ、ピアノ、ピアノと弦楽器、オーボエの独奏、弦楽器とオーボエ、と続いてます。

14:
☆アキ「ここ天国だもん」

→9曲目、「朔と亜紀part2」

15:
続いて
☆アキ「好きよ サクちゃん」
から
☆間、サク「助けて下さい」
を経て
☆最後、落として忘れられた『ソラノウタ』のカット。
まで

→2曲目、「朔と亜紀」


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『世界の中心で、愛をさけぶ』その89

第四弾

第十話その1

1:
アキの部屋の本棚の中身は、
1-1:
・ものの見方について→笠信太郎
・龍の子太郎→松谷みよ子 国際アンデルセン賞優良賞
・星の王子様→サン=テグジュペリ
・100万回生きたねこ→佐野洋子
・ぐり と ぐら→ながかわ えりこ
・おおきなかぶ→トルストイ
・はじめてのおつかい→筒井頼子
・おおきな木→シェル・シルヴァスタイン
・エルマーのぼうけん→ルース・スタイルス・ガネット
1-2:
この中で題名が出て来るのが『ぐり と ぐら』。
TV版『世界の中心で、愛をさけぶ』と関係すると捉えられるのが『おおきな木』。少年と少年に尽すリンゴの木の話。
(→参考:Amazonのここ
2:
サクが屋上で泣く場面。
サクを後から撮り、
左(下手):排水口
右(上手):サク
暗黒の運命に吸い込まれるサクです。

3:
アキの枕カバーの色の変化
3-1:
クリーンユニットがある時。



出て来る物は、ウルルの空の写真とアキのパスポート。
サクとアキが話す事は、
「死に方に夢を持つことは
あきらめることか?
最後まで生きようと思うことか?」
答は二人共分からず、白紙状態。つまりウルル行きも具体化してないという事。
3-2:
クリーンユニットが取れると、

白地に青、水色、黄色の花柄

智世、スケちゃん、ボウズがお見舞いに来るし谷田部先生の古文の特別授業。
嬉しい再会を表わす青と水色。ウルル行きはまだ決定ではない事を表わす黄色。
3-3:
アキに会いたい人、アキが会いたい人、沢山いるけどそれでも行く?とサクに聞かれる場面。
続いて谷田部先生との死ぬ事の意味について語る場面。
この二ヶ所では、

白地にピンクのストライプ

ピンクは赤系だからアキの迷いを暗示。
ピンクの幅が広いから横断歩道でしょう。渡るべきか止めるべきか、迷って当然です。第一話の最後、2004年のサクが横断歩道を渡る場面と繋がってるでしょう。
3-4:
そしてサクがオーストラリア行き航空券を持って来る場面。

白地に黄緑の太いチェック

「その71」に書いた通りウルル行きを決心、行くぞ!、です。



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『世界の中心で、愛をさけぶ』その71

第三弾

第十話その2

1:
インストルメント版『かたち あるもの』
が流れるのは、サクがアキに駅で追い付き

> 亜紀はそのまんまでいいんだよ

と言う場面から(=サクとウルルへ行くと言う自分の判断がサクに受け入れられた、サクがアキを認めた)、
車中での最後の睦言。
軽口をたたける程アキの意識がハッキリしていた最後の時間。
重要でしょ?

2:
上の場面から最後の場面迄降る雨
二人の涙なのは間違いありませんが、水は生の象徴でもありますから雨の様に急速に失われていくアキの命。
また、生の戦士のアキに対する応援。あれだけ大量の雨(=援助)でも救えないアキの命。

3:
そしてアキの遺灰を流す雨の場面に続きます。
アキの死を洗い流す生の戦士、またの名を雨。
遺灰を洗い流すためには遺灰をガラス瓶の外に出さねばなりません。
サクは遺灰を自分で出せず(=撒けず)、他人の力が必要。モタモタしているから死神に付け入られ明希の命と交換になるところでした(→再終話を観ると分かります)。

4:
サクとサクの母親の場面
二か所あります。
サクが旅費のために松本潤一郎名義の普通貯金通帳に手を付けようとする場面と出発の朝母親から御守りをもらう場面。
勿論
左(上手):母親
右(下手):サク
子供を気遣い、思いやる母親。
サクの母親が渡す御守りの色が赤と緑。男の子と女の子用だけでなく、台詞から自分でやるか(=進む=緑)止めるか(=停まる=赤)ちゃんと考えろ、を強調してるのが分かります。
堤巨匠大監督ですから、こんな風に

5:
色、
信号の色を使い色々と補足してます。
他の場面も観てみると…
5-1:
サクがオーストラリアへの航空券について問い合せる時の電話が黄色。
黄色?
注意信号の色だからまだハッキリしないサクの決心。
5-2:
そして「その70」で書いた水飲場の場面。
5-2-1:
光は夕陽の橙色(=黄色系→注意信号)ですが背景に入る色はネットやカイヅカイブキ等緑(=進め)が多くかなり行く気になってます。
5-2-2:
それから夜になり夜らしい青い光。日本語の信号の色は青=緑=進め。
決定ですね。
夕方から夜への時間の変化も表わしてますから青に変化するのに無理がありません。
同時に闇の世界へ突入してますからサクとアキがどうなるかは明らか。
滴り落ちる水滴は生の戦士からの餞別とも解釈出来ます。
5-3:
続いてサクが仏壇の前で父親からじいちゃんが残してくれた預金をもらう場面へ繋がってます。
夜の場面ですが灯を橙色気味にして最後の迷いを示しています。
5-4:
病室でサクがアキに航空券を渡す場面
アキの枕カバーが黄緑(=進む)と白(=白装束を着て行くことになっても)のチェック。アキの決心を強調。
5-5:
旅立ちの日にサクが身に着ける基調色が青。
アキのコートと財布が紺。
「進め」の色で二人の決心を強調。
5-6:
アキが一人で文字通り必死に越えて行く跨線橋の柱、梁、窓枠が緑。
アキの最後の望みの強さを強調。
5-7:
稲代空港へ向かう車内の二人
車内の色がやはり緑。
5-8:
空港でアキが座るイスが緑。
最後まで変わらないアキの決心の強さを強調。

6:
白いニット帽
アキは空港で白いつば付き帽子から入院中のニット帽に換えてもらいます。
なぜ?
お出掛けから病室に戻りました。言い換えるとこれ以上進めないという事。
戻る所が自宅を示す物が有りませんから暗示するのは病室。
そして背後にある大きなガラス窓が示すのは、そう、クリーンユニット。
アキはクリーンユニットに再び入り囚われたんです。
今生の別れ、死と生の間の深淵、永遠、永劫、永久、久遠、無限を表わすクリーンユニットとガラス。
死神の勝利。

7:
そしてガラス窓に流れ落ちる雨。
彼岸へ旅立つ者のために見送る者が出来る唯一の事が、涙を流す事。
レクイエムの「涙に暮れる日」です。

8:
原作、映画版もこの場面は同じですが、空の写真をクリーンユニットの天井に載せクリーンユニットの無敵の力を暗示してからここへ来たTV版は、やはり効果が最も強く大きい。
考え出したのは森下脚本家か、堤監督か、石丸Pか、それとも協同でしょうか?
誰の考えにしろクリーンユニットで暗示される死神にただ、ただ圧倒されるだけです。

9:
そして死神の抱擁の中で輝くサクとアキ。
生と死の強烈な対比です。

10:
最後にカメラが左に1回転と半分。
以前にも書きましたがカメラが左に回るという事は北半球から考えると地球の自転。
だから1回転を10年にすると二人の17年にほぼ等しく、そして2004年の割れたガラス瓶の場面へ変わりアキの死から続いたサクの17年の彷徨の終わりを暗示。
以前にも書きましたがアキの遺灰入りガラス瓶はクリーンユニットで、サクは第十話のこの時からクリーンユニットに閉じ込められていました。
アキの最後の望みのために奮闘し死神の虜になったサク。
サクを救うために命を懸けることになってしまった明希と一樹。
ガラス瓶を割ったのは明希と一樹でアキの遺灰を流したのは雨。雨は水であり、水は生の象徴であり生の戦士。
人にとって最も身近で心暖まる水は自分の悲しみを理解し流してくれる他人の涙。
サクのために涙を流してくれるのが明希と一樹です。

11:

見事な演出です。
声を奪われ圧倒されました。

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『世界の中心で、愛をさけぶ』その70

第三弾

第十話その1

1:
アキの病室、超広い。
クリーンユニットが無くなるとサクが撮った空の写真はベッドの頭側の壁へ。
全部で33枚。

2:
制服
お見舞いに来たボウズ、スケちゃん、智世は冬服。
アキは白地のパジャマ、白いシーツに掛け布団。夏服を思い起こし時の流れに残されただけでなく、どう見ても死装束。
またこの時の立ち位置は
左(上手):アキ
右(下手):ボウズ、スケちゃん、智世
結婚写真の時と同じでアキが喜びを与えてます。

3:
続いて谷田部先生がお見舞いに訪れる、夕方
左(上手):アキ
右(下手):谷田部先生
アキと会え、元気そうだから嬉しい谷田部先生。
「特別授業」でやるのが、枕草子第254条。
角川ソフィア文庫版の現代語訳によると
「感謝している気持ちを伝えたい」
という事だから、両親と親しい人々へ残すカセットテープとサクのために作る『ソラノウタ』への伏線。
夕方が表わす事は、アキの生涯最後の授業。

4:

サクがスケちゃんにアキのために帽子を買うから、アキの好きな色を聞かれ
> 青… かな?
不吉な色を口にするサクです。

5:
宮浦高校グラウンド水飲場

5-1:
夕方
左(上手):谷田部先生
右(下手):サク
谷田部先生がアドバイスを与えるから左。
アキをウルルへ連れて行くか、サクの迷いの終わりを示す夕方。

5-2:
水滴が垂れる蛇口
夕方から夜へ急速に変わります。その間、垂れる水滴。
水は生命を象徴していますから、その短い間にも失われていくアキの命(→栓を閉めていても漏れる水)。

6:
次の一連の場面
谷田部先生がアキを訪れる、多分夜
二人が半身で向き合うから左右の判断が難しいけど、
左(上手):アキ
右(下手):谷田部
と捉えていいでしょう。
死ぬ事の意味を谷田部先生に聞いてます。言い換えると死ぬ事の意味を考えろと問題を谷田部先生に出しています。
だからアキが主になり左。

7:
サクが父親からじいちゃんが残してくれた預金(通帳と印鑑)をもらう。
勿論
左(下手):サクの父親
右(上手):サク

8:
航空券を買いアキを訪れるサク、夕方
左(上手):サク
右(下手):アキ
アキの最後の願いを適えるサクです。
そしてウルルへ行く決心を表わす夕方。

9:
アキがサクに取って来るように頼んだ物は、

・白のトートバック→ベッドの辺り
・白のワンピース→クローゼットの中
・白のカーディガン→クローゼットの中
・白のニットコート→クローゼットの中
・こんのコート→クローゼットの中
・くつ下→たんすの一番上
・白のリボンのついた靴→靴箱の中
・白の帽子→クローゼットの中
・財布→学校のカバンの中

新婚旅行へ行くから白尽し。

10:
アキが残したテープで内容が分からないのが、「佐藤先生へ」と「サクちゃんのお父さん お母さん 芙美子ちゃんへ」
TBS直売DVDboxの特典カセットテープにも入ってません。

11:
跨線教を上り渡るアキ
辛そうな歩き方は黒澤明の『生きる』の主人公渡辺勘治と同じ。
佐藤医師が反抗期と言う様にアキが自分で判断する事を表わしてます。独立、親離れ、です。
ある意味、白血病に一矢を報いてます。


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『世界の中心で、愛をさけぶ』その33

第二弾

第十話その1

1:カニクリームコロッケ
アキの父親の好物ではなく、幼稚園児だったアキが欲しがった物。
…こういう事があるから子供は親に永遠に頭が上りません。親は子供をいかに愛しく微笑ましく思っているか、その表れです。

2:
完全の代名詞クリーンユニットから出る条件は、二者択一、生か死。完璧な死神を騙すのは不可能。死神はアキに与えたものは「ダモクレスの剣」。アキの頭上毛一本でつるされた剣、いつ落ちるか、品のない微笑で見つめる死神。

3:投稿写真

> ボウズ「おー! 今日来たのか ミスター投稿写真」

1987年です。

4:
アキの最後の選択は
サク
です。
Timonさんが書いた様に結婚であり、佐藤医師が言う通り「反抗期」であり
自立、独立、親離れ。
そのままの自分を受け入れてくれるサクと生きる事を選びました。

5:結婚写真
と同じ
左(上手):アキ
右(下手):サク
になるのは列車の中のみ。最後の睦言。最後の喜びの時間。

6:
そして最後は
左(上手):サク
右(下手):アキ
アキに最後の記憶を与えるサク。アキは:
サクに抱き締められる
サクを見つめる
サクに好きよと言う

7:
つまりサクはアキを最後に幸せにしました。
アキが一つした失敗は絵本「ソラノウタ」をサクに渡せなかった事。ダモクレスの剣が落ちたのが「ソラノウタ」で、時の流れに釘付けにしたのです。
サクの17年間の彷徨は二人で列車を待っている時から、既に始っていました。
…やはり堤監督と森下脚本家は死神の「パシり」です

8:
それにしてもサクはアキを連れて病院を抜け出す時、何でタクシーを呼ばなかったんだ?アホはいつまでも経ってもアホです(笑)。



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『世界の中心で、愛をさけぶ』その14

第一弾

第十話その1。

1:抱き締める
相手を幸せにする責任…かな。

2:電話のベル
これも恐ろしい演出です。死神の趣味の悪さです。苦しみの到来を予告して、アキに避けられない苦しみをなす術も無く身構えさせる訳です。それを観てる死神と視聴者は何を思う?
~悪魔だね by季理子~
…堤監督も電話のベルに良い記憶が無い様です。

3:単純化
最期が目前のアキとサクが話す睦言、原作にもありますが、ちょっと良過ぎる、美し過ぎる、素晴らし過ぎる。
でもでも、いい。演出と台詞を単純化して効果的。
あり得ない事物でも観てる人間を納得、いや、疑問を感じさせる隙を見せないだけで十分なんです、絵空事なんだから。

4:病院を抜け出して来てからのアキ
原作のアキは、どう解釈しても死にそうじゃない。エラい違いです。

5:アホな高校生
が最後にしたのがアキを豪州へ途中まで連れて行った事。知恵が回らないから責任を果たすのに17年も掛かりました。大人として責任を果し他人のせいにはしなかった様です。少しアホが減ったか、知恵が付いたか、相変らずか、どうなったでしょう?

6:傑作と呼ぶまであと一話+特別編
第十話を観終わり言葉も出なかったんですが、こうして『世界の中心で愛をさけぶ』から心を無理矢理引き剥がし何か書かないことには辛い。
これ位心を捉えるドラマです。
素晴らしい。



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プロフィール

CYPRESS

Author:CYPRESS
最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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