『八甲田山 完全版』

★簡単な紹介

○公開
1977年6月18日

○上映時間
2時間49分

○スタッフ
原作:新田次郎
脚本:橋本忍
演出:森谷司郎
撮影:木村大作
照明:大沢輝男(ロケーション)、高島利雄(セット)
音楽:芥川也寸志
プロデューサー:橋本忍、野村芳太郎、田中友幸

○出演
高倉健……………徳島大尉、弘前歩兵第三十一聯隊、第一大隊第二中隊長
前田吟……………斉藤伍長、弘前歩兵第三十一聯隊、雪中行軍隊員

石井明人…………徳島大尉の少年時代

三國連太郎………山田少佐、青森歩兵第五聯隊、第二大隊長
北大路欣也………神田大尉、青森歩兵第五聯隊、第二大隊第五中隊長
加山雄三…………倉田大尉、青森歩兵第五聯隊、第二大隊本部
緒形拳……………村山伍長、青森歩兵第五聯隊、雪中行軍隊第五中隊
下條アトム………平山一等卒、青森第歩兵五聯隊、雪中行軍隊員
佐久間宏則………長谷部一等卒、青森歩兵第五聯隊、神田大尉従卒、斉藤伍長の弟、雪中行軍隊員
新克利……………江藤伍長、青森歩兵第五聯隊、雪中行軍隊員
森田健作…………三上少尉、青森歩兵第五聯隊、遭難救助隊帳

加藤嘉……………作右衛門、田茂木野村
秋吉久美子………滝口さわ、案内人
山谷初男…………沢中吉平、案内人、熊ノ沢部落




★評


DVDのブックレット内の鈴木伸夫氏(青森放送)のエッセイによると、TV放送は、
第一回目:1979年4月27日、フジTV系
第二回目:1982年10月6日、NTV系水曜ロードショー

ヴィデオを借りた記憶が無いので、おそらく両方を観ています。
雪山の場面は全てロケだったのでまた観たいとかなり昔から思い、
最近、『あゝ野麦峠』も観て再び観たくなり、
Bookoffのポイントがかなり溜まっていたのでポイントで買い観ました。
2000年に出たトールケースではなくCDケースと同じ大きさの物。

Amazonのレビューを見ると日本映画らしく、デジタルリマスターとは思えない映像の汚さなので、
BDは手に入れる気にはならず、DVDにしました。


1:
音楽

まず、久し振りに観て気になるのが、
音楽の下手さ加減(溜息)。
この点、非常に日本的。
音楽の使い方のまずさに相変わらずのウンザリ(溜息)。
他でも書きましたが、ドラマや映画は無声映画から始まったのですから、
音楽は無用、不要。
音楽はいらないものなんです。
役者の演技と監督の映像表現で作る物なんです。

そしてこの映画、
冒頭からなんでこんなに大仰なんだろう?
悲劇の映画ですが、だからと言って悲劇的な音楽を入れる必要は皆無。
音楽で悲劇を強調、補強する必要皆無。


2:
映像

2-1:
次に気になるのが、映像の汚さ(溜息)。
冒頭に流れるのが、十和田湖の錦秋のはずが、
何なんでしょ、この汚い山並み(溜息)。
紅葉が茶葉になってる(溜息)。

DVDの鈴木伸夫氏(青森放送)のエッセイによると、製作から15年後、1992年第一回あおもり映画祭で上映された時、
既に退色し十和田湖の紅葉が枯れた色になっていたそうです。
4kスキャニングHDリマスターに時代になりつつあるのに、このダメさ具合(溜息)。
もっともこのDVDが出たのが2000年で最新のBD版が出たのが2015年。
この映画と同じく橋本プロの『砂の器 デジタルリマスター2005』のDVDも同じ程度の改修、改善具合だったから
期待してはいかんのでしょう。

それでもね、

>『砂の器』の冬と春の親子の旅の撮影が終わった、昭和49年(1974年)5月に本格的な『八甲田山』のロケハンを行った。
当初、橋本(忍、脚本家)は、東京近郊の長野県か群馬県のスキー場の裏側でも撮影が出来ると考えていたが、青森隊と弘前隊が実際に雪中行軍したコースを踏破した結果、
「ロケーションが主のこの映画は空気まで写る。つまり、フィルムには空気が写る。ここ以外で撮れば『八甲田山』ではなくなる。何年かけてもここで撮るしかない」といい、
野村(芳太郎プロデューサー)も森谷(司郎監督)も異議なく賛成し、日本映画では初めて3年の歳月をかける『八甲田山』の製作が決定してのである。
(DVDの同封ブックレットP.5から)

八甲田山系の空気を観てみたいんですが、現状では不可能の様です。
いずれBDを手に入れどう映っているか、観ないかんですな。

、と思っていたら、
2017年1月4日(水)、午後3:45、NHK総合、
『15分でにっぽん百名山「八甲田山」』を再放送。
酸ヶ湯温泉→仙人岱(湿原)→大岳(1585m、八甲田山の最高峰)→上毛無岱(湿原)→下毛無岱(湿原)
のコース。
こいつはツイテいると観たら、去年2016年10月上旬の撮影で、紅葉、黄葉、橙葉が、何と、色が悪い(@_@)。
全体にくすみ、紅葉は茶色っぽい(溜息)。
おそらく、2016年夏の高温が秋まで続いたため。
これでは、『八甲田山<完全版>』の色の悪さの文句を言えん(涙)、(笑)。

再びそれでもね(笑)、

満開のレンゲツツジが群生しているカット、
ここで汚さがバレる(笑)。

2-2:
雪山の映像は、大した画質ではなくても、やはり日本映画史上に残る質であり、臨場感、迫力があります。
吹雪のカットは全て本物。
送風機を八甲田の山奥へ持っていけるはずもありませんから風待ちで4~5時間は当たり前だったとか。

雪の厳しさと比較するために、青森の春夏秋のカットが入りますが、
リマスターで十分に修復されていないため、ボヤけ不鮮明な映像なので効果が非常に低い。
本来は鮮烈な対比になるはずですが、単なる挿入カットにすぎません。
40年前の初演時の状態が分からないのですが、初演時のフィルムでは森谷司郎監督と橋本忍脚本家の意図通りに映像になっていたのでしょうか?


3:
演出

3-1:
暗い場面や状況で人の顔が見えないとか、Amazonのレビューにあります。
確かにリマスターを十分にやらず修復出来てないカットもあるでしょうが、
行軍中の兵士の顔の黒さは垢や埃の汚れ、凍傷による黒ずみの演出の方が大きいでしょう。
でも、実際にはそうではなく、雪中行軍隊員の顔も極寒に曝され実際に赤黒くなった様です。

DVDのブックレットによると、顔ではありませんが体についてどうなるか、書いてあります。

>緊張した中で本番がスタートした。
絶叫しながら着ている衣服をはぎ取って行くと寒風を受け皮膚が一瞬赤くなったが、みるみるうちにどす黒く変化した。
雪に埋もれて再び顔を上げた原田(君事)の顔は、とても人間とは思えなかった。
(DVDの同封ブックレットP.14から)
(原田君事(=はらだくんじ)のサイト→http://www3.point.ne.jp/kunji1942/)

3-2:
1902年(明治35年)1月23日、
青森第五聯隊(北大路欣也演じる神田大尉、三國連太郎演じる山田少佐がいる遭難する方)にとっての初日、
青森第五聯隊が馬立場に小峠から吹雪の中、何とか到着。
そこで村山伍長(緒形拳)が満開のレンゲツツジの群生を思い出します。

このレンゲツツジ、実は有毒。
北海道から九州まで全国に分布しますが、牧草地の様な草原などの生育し、馬は食べないそうです。
このため「ウマツツジ」の別名もあり。
蜜も有毒で養蜂業者もレンゲツツジの開花期には避けるそうです。

脚本の橋本忍、演出の森谷司郎、この事実を知っていたのでしょうか?
そうだとすると、明らかに八甲田山と雪中行軍の危険を暗示する演出でもあります。
オマケに村山伍長は「六月に来た時には夢の中の様だった」なんて事まで言い、とんでもない夢を暗示しています。
レンゲツツジの毒性を思えば、麻薬の夢を暗示させ、文字通りの「死へと導く夢」です。


3-3:
1902年(明治35年)1月24日、
青森第五聯隊にとっての二日目。
指揮官達は振り返りません。
また駒込川支流の崖を登らねばならない時、ロープを使わず一人づつ登ります。

弘前第三十一聯隊は滝口さわ(秋吉久美子)を案内人にします。
冬山に慣れている滝口さわは遅れがちな第三十一聯隊を頻繁に振り返ります。
先頭に立つ徳島大尉(高倉健)も同様に何回も振り返ります。
更に犬吠峠を登る時は麻縄で一人づつ結びます。

部下に注意を払う余裕が有るか、無いか、
団結力が有るか、無いか、
の違いを表してますね。

また、青森第五聯隊が田代行きから馬立場へ変更後、鳴沢の崖を登るシークウェンス。
本当に氷結した崖を登り、滑り落ちてます。
スタントがやってるのは間違いありませんが、八甲田の山の中でのロケ。
よく誰も怪我しなかったもんです。
中々迫力のあるシークウェンスなんですが、新田次郎の原作でも鳴沢の崖を登りますが、
滑落の描写はありません。

3-4:
1902年(明治35年)1月25日、
青森第五聯隊にとっての三日目。
北海道石狩国上川郡旭川町(現、旭川市)で観測史上最低気温-41.0℃を記録。
2016年現在、この最低気温は更新されていません。


弘前歩兵第三十一聯隊、三本木にて。
最初のシークウェンス。
藁沓の束と乾燥唐辛子の束を手に手に宿へ帰る兵士4人。
徳島大尉の用意周到さを示すシークウェンスですが、
67名にまで減った当日の青森第五聯隊の彷徨との差が大きく我ら観客には意外にも衝撃が大きい。
特に乾燥唐辛子の束の赤、これが効果的。
それでも、これが4KスキャニングフルHDなら、もっと鮮やかな色になっていたんですが…

3-5:
1902年(明治35年)1月26日、
青森第五聯隊にとっての四日目。

倉田大尉(加山雄三)と山田少佐(三國連太郎)の集団は駒込川峡谷沿いに前進。
神田大尉(北大路欣也)は江藤伍長(新克利)との二人になります。

この別れ方がよく分かりません。
映画の編集だと、先頭を行く神田大尉に倉田大尉以下が付いて行けず道に迷った様にも捉えられます。
ただ神田大尉は「倉田大尉以下は駒込川の峡谷だ」と言います。
神田大尉と倉田大尉はどうするか話し合ったのか?
それとも気が付けば離れ離れになり、話し合ったつもりになったのか?
疲労、寒さ、空腹感、体力消耗で前後不覚になったか?

そこで原作を確認すると、
P.205
>嚮導(きょうどう)将校として先頭を歩いて行くのが倉田大尉なのか神田大尉なのかも分からなかった。
彼等はだだどちらかに従ついて行くだけであった。倉田大尉のグループは駒込川の峡谷の方へ降りて行った。
(中略)
神田大尉は自信を持って進んだ。空が晴れたときに方向をチェックしていたから、このまま進めば必ず大峠に出、
やがて田茂木野に達することができるに違いないと思っていた。

そう、考えられる状態ではなく本能的、感覚的になっていたからこの分かりにくい演出でいいんです。

新克利演じる江藤伍長は、この雪中行軍の数少ない生存者の一人、後藤房之助伍長をモデルにしています。
在命中の1906年7月23日、二日目と三日目の露営地の間に銅像が建てられ、1999年には青森市有形文化財として登録されました。
劇中では最期、現在(1977年)の村山元伍長(緒形拳)が訪ねるカットがあります。

3-6:
1902年(明治35年)1月27日、
青森第五聯隊にとっての五日目。

江藤伍長が三上少尉(森田健作)率いる救助隊に発見される日。

弘前第三十一聯隊が劇中、雪崩に遭いますが、原作ではありません。
実際に雪崩を起こして撮影したそうですが、悪くはありません。
大したことない音のせいかもしれませんが、良いと言う程の迫力もありません。
この辺が日本映画界の限界なんでしょう。

3-7:
1902年(明治35年)1月28日、
青森第五聯隊にとっての六日目。

徳島大尉(高倉健)が自決したと思われる神田大尉(北大路欣也)を発見します。
これは映画だけの演出で、原作にもありません。

3-8:
映画、原作共に山田少佐(三國連太郎)が拳銃自殺したことになっています。
実際には違うと断定して良さそうです。
演出です。

色々言われてる様ですが、少なくとも拳銃自殺は出来なかった。
『八甲田雪中行軍遭難事件の謎は解明されたか』を書いた麻酔医の松木明知医師が衛生面からこの件を調べ論文を書いています。
それがネット上に公開され読むことが可能です。
(→http://jsmh.umin.jp/journal/54-3/215.pdf)
結論として拳銃自殺を否定し、陸軍が死因を偽装したと強く示唆されるとまとめています。
この論文には江藤伍長のモデルの後藤房之助伍長、山田少佐のモデルの山口鋠少佐が救助された時の状態も書かれています。
原作と映画に描かれているの様な生易しいものではありません。


4:
役者

高倉健演じる徳島大尉の少年時代を演じた石井明人、一重の目が高倉健に似ていて、
日本映画にしては合格の配役。
ただ、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』でのロバート・デ・ニーロの様にハリウッド映画だと、
もっと似ている子役を見つけ出してくる。

滝口さわ案内人を演じる秋吉久美子は記憶通りの美貌。
特に、
案内が終わり、弘前連隊の一行から敬礼を受けるシークウェンスで振り返るカットでの美しさは記憶通り(^.^)。
(→心温まる良いシークウェンスなんですが、新田次郎の原作では違い、隊列の後の追いやり五十銭銀貨を渡し、敬礼は無し)


5:
色々

5-1:
>「今、八甲田山を作るとすると、直接製作費が3年で約20億…いや、それでも無理、金をかけるだけでは出来ない」
(DVDの同封ブックレットP.16から)

40年後の現在2017年だと、ドローンがありフルHDのGoProで空撮が以前より簡単に出来るので、この点ではより良い物が作れます。

5-2:
DVDの同封ブックレットは中々面白い。

5-2-1:
ただ、両聯隊の経路、遭難者の図が同封のブックレットに無いのが玉に瑕。
新田次郎の原作、新潮文庫版に両方が有るのでそちらをどうぞ。

遭難者の図の方は青森歩兵第五聯隊が事件半年後に出した『遭難始末』から作ったのは間違い無く、
元の図版は帝京大学の学内誌に発表された論文に引用があります。
元の図版には亡くなった9名の将校の名前と発見された場所、捜索のベースキャンプである哨所が入っています。
これもネット上に公開され誰でも閲覧可能です。
(→https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/kyoiku-38-05.pdf)

5-2-2:
さて、この遭難の最初の本(?)である遭難報告書の『遭難始末』、国立国会図書館に当然の様に所蔵され、
ネット上に公開され、これも誰でも閲覧出来ます。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/844357

便利な世の中になったもんだねぇ(笑)。
遭難者の図もありますが、帝京大の論文の方が見やすいですね。

5-2-3:
もう一つ不足しているのは、上にも書いた日本で最低気温を記録した日。
遭難事件が発生した1902年(明治37年)1月23日から1月27日の内、
1月25日に北海道石狩国上川郡旭川町(現、旭川市)で観測史上最低気温-41.0℃を記録。
(
→公式記録、非公式だと-45.0℃を1953年1月3日、北海道天塩国上川郡風連町(現、名寄市)で記録)
DVDとブックレットに加えるべきです。

新田次郎の原作では、終章(新潮文庫ではpp.289~290)に書かれています。

異常寒冷現象は第五聯隊雪中行軍隊が出発した一月二十三日の午後からその徴候を現わし始めた。
北海道に根を据えた高気圧は頑として移動せず、その勢力は東北地方の北部に及んだ。
高気圧に停滞に伴う輻射冷却によって急速な気温低下が起こり、二十五日には北海道旭川においては零下四十一度という、日本における最低気温記録を出した。
この最低気温の記録は現在に於ても依然として破られずにいる。
当時、北海道から東北地方北部にかけての酷寒気団がいかに優勢なものであるかを窺知することができる。
雪中行軍隊は、たまたまこの頃近くを通過した低気圧による暴風雪とその後に襲って来た寒気団に打ちのめされたのであった。


こんな日に大した装備も知識も技術も経験も無いのに行ったんだから、史上最悪の山岳遭難になるはずダワイ(溜息)。

5-3:
原作者の新田次郎はこの小説以前にも青森歩兵第五聯隊の雪中行軍遭難の小説を書いています。
小説と言っても短編で、題名が、
『八甲田山』
新潮文庫の『強力伝・孤島』に入っています。
初出は『吹雪の幻影』の題名で、1955年(昭和30年)9月、朋文堂刊、『強力伝』に収録。
『八甲田山死の彷徨』が1971年(昭和46年)に書き下ろしで新潮社から出たから、
16年も前から書いていた(@_@)。

5-4:
弘前歩兵第三十一聯隊の当時の写真が学習院大学の図書館に5枚ですが、残っています。
(写真を紹介したブログ→http://chinchiko.blog.so-net.ne.jp/2011-02-28)
(『写真集 明治の記憶 学習院大学所蔵写真』の版元吉川弘文館のHP→http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b33149.html)
カメラと写真が殆ど無かった頃ですから、非常に貴重な写真です。

5-5:
記憶に残ってる場面があり、それを今回確認したかったんです。
どういう場面かと言うと、

青森歩兵第五聯隊が露営中、おそらく二日目か三日目の事。
時刻は夜。
二人の兵卒が部隊から離れたか落伍し、さ迷い、崖か斜面を登っている途中で力尽き動かなくなる。
そしてカメラが上に動くと二人の兵卒の少し上に稜線。
更にカメラが上に動くと反対側、下った所に人家らしき建物、窓から明かりがこぼれている。

もう少しで助かったのに…、とかなり衝撃的であり印象的でした。
今回観るとそんな場面は無し、観落としてるかともう一回観ても無し。
人生後半に入り何年も経ってるヲヤヂの私CYPRESSですから、記憶の混乱が起こってる可能性は低くありません。
そこで、ネットで調べると、1978年の4月から5月に全6回の連ドラが作られTBSで放送されています。
「八甲田山雪中行軍遭難事件サイト」という所があり、その中にこのテレビドラマのページがあります。
そして聞き起こした脚本まで在ります(@_@)。
(→http://www.h7.dion.ne.jp/~wakana-s/whiteout_tbsdrama.html)  
早速読んでみると、無い(涙)。
第三話、第四話の分が無いのでひょっとするとどちらかにあるかもしれません。







タグ 新田次郎 高倉健 北大路欣也 前田吟 三國連太郎 森田健作 新克利 緒形拳 秋吉久美子








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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

『映画 ホタルノヒカリ』

★放送
2014年10月10日(土)
午後9:00~10:54
日本TV系


1:
主人公高野(天宮)螢演じる綾瀬はるか、確かに可愛い(^.^)。

しかし、一生懸命演技してるのが映画版でも伝わってくるんだなぁ(溜息)。

貫地谷しほりだったらもっと巧く演じられるのに。

喜劇は感性に訴えるものですが、それ以前に綾瀬の演技じゃねぇ(溜息)。

連ドラの頃から演技力が向上してるか、注目し最後までなんとか観ましたが、
駄目だね、相変わらず(溜息)。



タグ ホタルノヒカリ 綾瀬はるか 藤木直人 松雪泰子



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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

『阪急電車 片道15分の奇跡』

☆簡単な紹介

○公開
2011年4月29日

○上映時間
1時間58分

○スタッフ
原作:有川浩
脚本:岡田恵和
演出:三宅喜重
撮影:池田英孝
照明:原田洋明
音楽:吉俣良
プロデューサー:沖貴子、田村勇気

○出演
中谷美紀(高瀬翔子)
戸田恵梨香(森岡ミサ)
芦田愛菜(萩原亜美)
宮本信子(萩原時江)
南果歩(伊藤康江)
谷村美月(権田原美帆)
有村架純(門田悦子)
小柳友(カツヤ)
勝地涼(小坂圭一)
玉山鉄二(遠山竜太)


☆評

中谷美紀若手女優#1、戸田恵梨香赤丸急上昇中(→SPECで本当に鼻の孔に指を突っ込んだ美人)、芦田愛菜子役女優#2(→#1は八木優希)
女優がこんだけいいんだから観ないわけにはいかんゼヨ。

1:
最初の15分間、8人の主要登場人物の紹介。
各シークウェンスは夕方か夜で終わり。
そしてタイトルバックは鉄橋を渡る阪急電車をロングで真横から。
8人の人生、変わりまっせぃ、どないなるんでしょう?さぁ、お客はん、最後まで観てや、っていう演出。
(最近の関西では「行ってみいひん?」って言うんだ。私が子供の頃は「行ってみてへん?」でした。
「できひん」ではなく「でけへん」でした。大阪圏と神戸圏の違い?)
それからこのウィンドウズのIME日本語変換、大阪弁に全く対応してまへん(笑)。だから大阪弁で書くとエラい時間が掛りまんなぁ(笑))

2:
「復路3月」で康江(南果歩)とミサ(戸田恵梨香)が「門戸厄神」で降り座ったベンチの後ろの広告が、
「コージーライフ介護福祉センター」

ん~、笑っていいのか?

3:
美帆(谷村美月)が圭一(勝地涼)から「ゴンヲタ」と言われて有頂天になるカットで花が咲きます。
『僕の生きる道』第五話で小林秀雄先生(草なぎ剛)がみどり先生(矢田亜希子)からキスされて花火が打ち上げられるカットと同じじゃん。
三宅喜重も『僕の生きる道』の演出をやっていたから第五話の演出を確認したら星護でした(涙)。
でもあの花火の演出、絶対意識してるに違いない。

4:
それにしてもやたらと阪急電車が橋を渡り変化の演出になってますが、駅と橋の関係は正しいのでしょうか?
気に入った映画だと徹底して調べるんですが、そこまで出来は、この映画、良くない。

5:
やはり、中谷美紀は素晴らしい。
一つづつの台詞と演技に抜かりが有りません。非常に丁寧に演じてます。
演技してない様に見せる実力を今回も見せています。
『最後から二番目の恋』で吉野千明を演じた小泉今日子も中々巧かったけど、この映画のちょっと落ち着いて上品な高瀬翔子は無理だろうなぁ。
小泉は基本的に少々アクが強くタバコと酒が似合う「不良」なんだな。そのアクを消せないんじゃないかと思えて仕方ない。
逆に中谷は『電車男』のエルメスでも見せた様に上品を演じられ、
更に『嫌われ松子の一生』の弾けた松子だとか『自虐の詩』の薄幸の森田幸江んなかも出来るんだからなぁ…(溜息)。
中谷の美貌が活きるのは柴咲コウと同じく着飾らない時。
この映画の中だとスーパーでウェディングドレスからシャツとジーンズと白いコンバースに着替えたカット。
少々見惚れました(笑)。

中谷以外も主要登場人物を演じた役者は巧かった。
芦田愛菜は、ん~、ちょっと難有だったなぁ。
決して悪くはないんですが、演技し過ぎって感じです。どうも監督からの指示の様な気がします。
南果歩を見るのは思い出せない程久し振りですが、気弱なオバンが中々宜しい。
南果歩もこんな役をやる歳になったんだぁ…。
勝地涼の軍ヲタ振りはこの映画の目玉かな。
周りの目を常に気にしてる弱気な雰囲気が大変宜しい。
直ぐに思い出せるのは『永遠の仔』で長瀬笙一郎(モウル)を演じた渡部篤郎の子供時代、『小児救命』の小暮賢斗、『亡国のイージス』の如月行だけですが、
いい意味でかなり器用な役者みたいな気がします。

6:
映像は全体にソフトフォーカスではなく、光を和らげ柔らかな物語に相応しい柔らかな光になってます。

7:
全体に各部分は合格以上の出来ですが、映画としての出来はあまり良くない。
盛り上がりが何も無いからです。
一番の原因は高瀬翔子で、失恋に一番効く薬は新しい恋なのに恋の予感が無いこと。
小林駅の駅員がまめに駅をキレイにしていてひょっとしてと観客に思わせておきながら、何にも無しは現実的過ぎで映画じゃないゼヨ。


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テーマ : 映画評価
ジャンル : 映画

映画版『パーマネント野ばら』

★簡単な紹介

○公開
2010年5月22日(土)

○スタッフ
原作:西原理恵子
脚本:奥寺佐渡子
演出:吉田大八
撮影:近藤龍人
照明:藤井勇
美術:冨田麻友実
音楽:福原まり
音楽プロデューサー:日下好明
プロデューサー:松本整、石田雄治、鈴木ゆたか、中村陽介、藤田滋生

○出演
菅野美穂(なおこ)
夏木マリ(まさ子)
宇崎竜童(カズオ)
小池栄子(みっちゃん)
池脇千鶴(ともちゃん)
江口洋介(カシマ)


★評

1:
DVDのピクチャーレーベルに
「常開野薔薇」
なんて漢字で書いてある理由は字幕を表示すると分かります。
このDVD、字幕が、何と、中国語。それも簡体字。
日本語は無し。
ジャケットには字幕については何も書いてありません。
著作権不在の中国での海賊版対策?

2:
この映画、なおこ(菅野美穂)の行動を「字面通り」解釈するとホラー映画になっちゃいます。

3:
この映画、主要登場人物は女性。
彼女等に共通するのは、「待つ」。
2010年の映画なのに、ケータイが全く出てこない。
彼等からの連絡をひたすら待ち、自分達からは決して連絡しません。
そして、舞台になるのが、漁港。
直ぐに思いつくのが、男共は船出し女共は帰りを待つ。

男達は、死体で帰ってくるか、女の心の中でだけ存在するか、はたまた帰ってきません。

陸に上がった男は海を離れ農家に行きます。
どこにも行かない男は男達からの消息を伝える電柱を切り倒し電線を売り金にします。


…ん〜、こういう構成ですが、いまいち分からん。

4:
なおこの普段の髪型はただのポニーテール。カシマと会う時は、結ばずに普通のロング。好きな男の前では素の自分を出している、ってこと。
ちょっと危ないなおこを繋ぎとめておくのが、娘の桃。子供が持つ希望と生命力はやはりとても強力。

5:
フィリピンバーのママを演じる小池栄子は、派手さが中々良く、配役成功。
地味なともちゃんを演じるのは池脇千鶴で、予想通りに良い。

6:
地味なともちゃんですが、一言すごくいいことを言います。
「人は二度死ぬ。
一回目は体が死んだ時。
二回目は死んだ人のことを覚えてる人がいなくなった時。」
この台詞、最後の場面に繋がってます。


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テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

『ハッピーフライト』

★簡単な紹介

〇公開
2008年11月15日

〇スタッフ
脚本:矢口史靖
演出:矢口史靖
音楽:ミッキー吉野
撮影:喜久村徳章
特撮監督:佛田洋
VFX:特撮研究所
プロデューサー:関口大輔、佐々木芳野

〇出演者
綾瀬はるか
寺島しのぶ
田辺誠一
時任三郎
吹石一恵
田畑智子
平岩紙
岸部一徳


★評

綾瀬はるかのファンですが、監督が矢口史靖なのでTV放送を観てからDVDを買うか決めようと思ってました。
TV放送を観ると…

1:
冒頭、フライトシミュレイターの場面。
確か異常事態が発生した時は必ずマニュアルを確認してから対処するはず。
つまり完璧に暗記しやるべき事を覚えていたとしても、勘違いもあるので間違いを少しでも減らそうとするためです。

(→大昔の記憶なんで間違ってたらご連絡をお願いします。)

田辺誠一演じる機長候補鈴木和博はこの手順を完全に無視しています。

2:
つまり脚本が悪く監督の矢口史靖の腕の悪さがまた現われました。
最初にこんな救いようのない場面が現われると以降出来るのは「集中出来ない」事か粗探し。
前作『スウィングガールズ』も音楽映画として出来が悪かったので、粗探しする気も湧かず他の事をやりながら観てました。

3:
ま、こういう訳でDVD、いりません。少なくとも新品は買わない事に決定。
買うなら中古新品同様の2枚組ビジネスクラス・エディションを\1,000で。



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テーマ : 映画評価
ジャンル : 映画

映画版『亡国のイージス』

★簡単な紹介

〇公開
2005年7月30日

〇スタッフ
原作:福井晴敏
脚本:長谷川康夫
演出:阪本順治
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
音楽プロデューサー:高橋良一
撮影:笠松則通
特撮監督/特技監督:神谷誠
プロデューサー:古川一博、河野聡、伊東森人、内藤和也、椎井友紀子

〇出演者
中井貴一
真田広之
勝地涼


★評

Amazonのレビューを読むとDVDを借りる程の物ではないと思いTV放送を観ました。
役者は文句無しの演技ですが脚本と演出にいい所が皆無。

1:役者
1-1:勝地涼
『小児救命』での自信が無い木暮賢斗のおどおどした表情が中々印象的でしたが、今回の使命感に満ちた如月行の表情も良い。特にキリッとした眉毛は嵌ってます。
これからが楽しみな役者。
1-2:中井貴一
最近なら『風のガーデン』での女たらしの白鳥医師が良かったですが、今回の冷酷な敵役は更に良い。『落下する夕方』で写る時間が1分にも満たなかった全身麻痺の演技に匹敵しますね。
やはり間違いない名優。佐野史郎が冷静な敵役をやるといいけど、中井貴一もいい。中井の悪役を観てみたい方にはこの映画をお勧めします。

2:内容
2-1:
CGの違和感が際立ってます。最後の沈没、あれは何ですか?
2-2:
銃撃にしろミサイル攻撃にしろ緊迫感が全くありません。
2-3:
ヒーローがたった一人で悪人全員を倒すのは見飽きました。制作陣は『七人の侍』を観たことないのでしょうか?
2-4:
工作員の銃と装備
工作員は日本を馬鹿にしていながらやっている事は旧帝国陸海軍と同じ。

例えば:
・防弾チョッキ無し
=装甲板が無い零戦
・銃にレーザーポインター無し+LEDタクティカルライト無し+夜間暗視スコープ無し
=レーダーで測距照準出来ない軍艦

つまり特攻隊でありイスラム原理主義者の自爆テロ。
また、日本の特殊部隊が夜間戦の完全装備をし艦内に入り照明を消されたら工作員は間違いなく全滅。少なくとも仙石が暗視ゴーグルを手に入れたら楽勝。
更に照明が消されなくても狭い艦内だから敵と鉢合せする確立が高く、その時は照準器を使う時間が無いためレーザーポインターは必需品。
この映画の工作員の装備では作戦が失敗する可能性が高過ぎます。
つまり脚本が破綻しているという事。

3:結論
救いようのない駄作。



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テーマ : 映画評価
ジャンル : 映画

『僕の彼女はサイボーグ』

★簡単な紹介

〇スタッフ
脚本:クァク・ジェヨン(郭在容)
演出:クァク・ジェヨン(郭在容)
撮影:林淳一郎
音楽:大坪直樹、古川ヒロシ、郭演晋、Hi-Fi CAMP、Yemin
プロデューサー:山本又一郎、

〇出演者
綾瀬はるか
小出恵介
桐谷健太
吉行和子

★評

1:
ん~、まぁ、ラブストーリーの一種。
綾瀬はるか小出恵介桐谷健太、つまり『白夜行』と『JIN-仁-』の出演者が出てるんで観ました。

2:
題名から機械が人間を愛していく話と予想しましたが、やはり機械は人間を愛せず、残念(涙)。
2-1:
この映画の一番の欠点がこれです。
クァク・ジェヨン監督がどんな解釈、話にするのか楽しみだったんですが機械は機械のままでした。
機械は「心を感じる」までは出来るようになるんですが、ジローの愛情に応える事がやはり出来ませんでした。ジローの命を何回も救ったのも愛情からではなく、その様に設定されていたからです。
2-2:
ではクァク・ジェヨン監督はなぜ機械は人間の愛情に応えられない脚本にしたのでしょうか?
クァク・ジェヨン監督の他の映画も観てないし監督の趣味も知らないので断定出来ませんが、監督自身がヲタクではないと思います。アニメの登場人物やそのフィギュアに「恋する」ヲタク文化に対する批判と解釈も出来ます。
逆にヲタクだとすると、物や機械との愛情の限界を痛感しているのかもしれません。

3:
綾瀬はるか
綾瀬のファンでもあるので観たのですが、ん~、相変わらず大した演技ではありません。
3-1:
サイボーグは機械で感情や心が無いからあれで宜しい。
(→『ICHI』では盲目だけど人間だから演技が怪しい)
反綾瀬的な書き方をすると感情を出す必要が無いから綾瀬でも出来る役、です。
人間になると、まず冒頭の場面、喋り方がイマイチ棒読み。演出だとは思えません。
だからサイボーグの時と人間の時の差が十分無く、人間の時の愛情や心の暖かさや良さが強調されません。
(→『愛なんていらねえよ、夏』での広末涼子の盲目の演技は素晴らしく、最終回手術により視力を回復した前後では目の表情が全く違う)
3-2:
演技の方は、パッとしませんが相変わらずの美貌。
ショートボブは意外と似合い良い。
冒頭の人間の時の可愛らしさ、サイボーグの無表情とスタイルの良さ、さすが綾瀬。Amazonのレビューを読むとこの二つの表情の差で綾瀬ファンになった方もいらっしゃる。
3-3:
終盤、オークションの場面では髪を上げていてよく見る綾瀬の顔。髪型と化粧で女が変貌するのがよく分かる好例。

4:
小出恵介
ヘタレ役は『白夜行』の園村友彦役で実証済み。だから私にとってはあれ位出来て当然。
目を見開くと丸く可愛くなるのでアニメっぽいこの映画にあってます。

5:
脚本
5-1:
タイムトラベルの矛盾?綾瀬の下手な演技の方が目障りだし、これはPEA(フェニル・エチル・アミン=覚醒剤に似たアミンで特に恋の初期に脳下垂体から分泌される脳内物質)でラリってる恋物語の一つだから矛盾しない方がおかしい(笑)。
ジローの子供時代に帰る場面もジローじいさんの腕が悪くタイムマシンをまともに作れず、メンコが紛れ込んだと好意的に解釈(笑)。
5-2:
冒頭、二人が食い逃げする場面、続いてリンゴを盗んで食べる場面、そして警官に追われ逃げる場面がいい。
憎からず思う二人が共有する秘め事は、二人の心を近付ける恋の秘薬以外の何物でも無し。いいなぁ~(笑)。
(→『白夜行』で亮司と雪穂が繰り返す犯罪も同じ様なもので、あの場合はもう少し進んだ関係だから「えっち」だね)
5-3:
最後の場面
個人的にハッピーエンドが好きです(笑)。
それよりもクァク・ジェヨン監督が機械や物やアニメ等に捉えられてないと思わせる場面がここ。
サイボーグを失ったジローを慰めるのは、サイボーグではなく人間だと表わしてます。(余震で彼女の上にビルの破片瓦礫が落ちて来るとは思いませんが(笑)…)
5-4:
ターミネーター』、『ドラえもん』が元になってる位は分かりますが、その他は手に負えません。
ネコとタイムトラベルと言えばハインラインの『夏への扉』。あのネコの名前はピートでした。

6:
SFXは中々宜しい。ただ地震の場面は火事がもう少し欲しい。


タグ 僕の彼女はサイボーグ 小出恵介 桐谷健太 クァク・ジェヨン 綾瀬はるか 白夜行 ターミネーター ドラえもん 夏への扉



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テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

『武士の一分』

★簡単な紹介

〇公開
2006年12月1日

〇スタッフ
原作:藤沢周平
脚本:山田洋次、平松恵美子、山本一郎
演出:山田洋次
撮影:長沼六郎
音楽:冨田勲
プロデューサー:深澤宏、山本一郎

〇出演者
木村拓哉
檀れい
板東三五郎

★評

1:
「一分」のために命を懸ける侍を主人公にした極普通の時代劇。
しかしその出来は普通ではなく『たそがれ清兵衛』と同じく佳作。
脚本、演出、セット、ロケ地、役者、全て良い。「特別に」良いのではなく、「普通に」良い。
救いようのない連ドラ時代劇があまりにも多過ぎるからやるべき普通の事をやっただけのこういう作品が目立つという事。

2:
この映画の目玉はキムタク。
初めは「キムタク」ですが、盲目になってからは三村新之丞です。盲目の時の目の表情は、まぁ合格。『ICHI』の綾瀬はるかより良い。殺陣は良い。全体的には合格。
他のレビューを見るとキムタク嫌いが多くダメ出しが目に付きますが、それ程悪くありません。

3:
ロケ地の中で特に良いのは、後半加世が墓参りに行く寺の石段。長年の風雪に晒され軽く荒れた石段が実に感じ良く、風情があります。まず演出に違いないヒガンバナの赤が栄え大変美しい映像。

4:
三村邸も見栄えが宜しい。
柱、障子、襖、そして庭の大木が映像を分割する事が殆ど。伝統的で自然発生的な日本家屋の風情を表わす映像とまとまりの無い映像の境界線上の映像になっています。
無秩序による秩序、という感じの映像。この秩序を作るのが直交する柱や縁側の直線。もう一つは時に逆らわず風雪に晒され変色した木材の色。
…日本の伝統的家屋は絵になるなぁ。

5:
演出と脚本は終始わざとらしさが無く、特に三村新之丞と藩番頭の島田との果し合いの場面は巧い。
盲目の三村が強過ぎず、切り合いを長引かせず、大袈裟に切られる事もなく、最後には観客の期待通り勝ちます。
果し合いの後も島田に「武士の一分」(=武士の面子)を保たせ相手を告げぬまま切腹させるのも巧い脚本です。

6:
在り来たりな勧善懲悪時代劇でも脚本で手を抜かずロケ地とセットにも気を配れば、佳作になる見本。



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テーマ : 映画評価
ジャンル : 映画

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CYPRESS

Author:CYPRESS
最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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