『菊豆』その8

色の演出その5


3-41:

黄色

1時間25分付近
物干し台で食事をしながらこれからを語り合う天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)。


干してある反物。

黄色
干してある反物。


…背景が赤と黄色。
黄色の「高貴」と「卑猥」。
赤の「革命」と「むき出しの」。
天青(ティエンチン)が実の父親である事が天白(ティエンパイ)に知られ、今後の心配をしています。
同時に逢瀬の事も考えてるんだからなぁ(笑)。
…赤が示す「革命」が二人の背後に静かに気付かれずに迫っている、と捉えられます。


3-41:

黄色

1時間28分付近
最後
穴倉で逢瀬の天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)。
酸欠で気を失う。
天白(ティエンパイ)が天青(ティエンチン)を染色槽に落とし、撲殺。
それを見ていた菊豆(チュイトウ)、楊家の建物に火を点ける。


天青(ティエンチン)が落とされる染色槽。

黄色
家を燃やす炎の色。

…死という赤、「革命」。
…楊家を清算する黄色、「高貴」と「卑猥」、愛です。





最後に。

まぁ、人は人に恋し、愛さずにはいられない訳です。
古今東西、万古不易の真実。
恋するとは馬鹿になる事。
それでも、いつまで経っても止められません。
切なく、悲しく、愛おしい存在、それが我等人間。
中国人も日本人もアメリカ人も同じ。





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『菊豆』その7

色の演出その4


3-34:
黄色


1時間5分付近
干し台で染物を干す菊豆(チュイトウ)。
貧血で倒れる。
医家へ行き治療、診断。
もう子供を産めない。

黄色
干している染物。


干している染物。
天青(ティエンチン)が出てくる地下室の扉の上に樽の様な物(→おそらく染料の樽)あり、
その蔽いの様な物が青。

…黄色は皇帝の色で高貴を表しますから、天青(ティエンチン)の菊豆(チュイトウ)への愛情、心配を表しています。
…青は若さを象徴してますから、純粋な気持ち、つまり天青(ティエンチン)の愛情は変わらないし、本当に愛してるし思い遣りがあると考えていいでしょう。
…また、青い染物が落ちてきますから、青を空→自由と考えると、「自由」が落ちてきた、
「棚からぼた餅」と解釈出来ます。
…ですから、菊豆(チュイトウ)の今回の「病気」は実は菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)にとっては幸運だと示していると考えられます。


3-35:


黄色

1時間6分付近

金山(チンシャン)、染色槽に落ちる。
溺死。


染色槽。


天白(ティエンパイ)の着ている物。
金山(チンシャン)の着ている物も黒っぽい。
金山(チンシャン)が染色槽に落ちると染色液の色が赤から黒へ。

黄色
吊るされている染物

…間違い無く天白(ティエンパイ)は金山(チンシャン)が溺れているとは思わず、
ふざけていると思っています。
ふざけていると思っているから笑っていると捉えて間違いありません。
しかし、両脚が不自由な金山(チンシャン)をイジメ、笑っているとも捉えられます。
…そこが、黒で象徴される「腹黒さ」、「何を考えているのか分からない」です。

…革命の象徴色の赤も、二つの意味が考えられます。
…金山(チンシャン)の死は、簡単に考えれば天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)が大っぴらに暮らせるようになる絶好の言い訳。
…ただそれだけではなく、天白(ティエンパイ)に人を殺す能力、思考、意志が出来たとも考えられます。
…染色槽の色は金山(チンシャン)が落ちると赤から黒へと変わります。
…全て赤ではなく、金山(チンシャン)が必死にばたつくと赤が出て来るので、撮影の時は上の方だけ赤にしたのでしょう。
…この時の黒は金山(チンシャン)の溺死と関係が深いですから、天白(ティエンパイ)がどういう事か分からずに笑っていた事を考えると、
天白(ティエンパイ)には何やら不気味なものが心の中にあると考えられます。

…吊るされている黄色の反物、何を表しているでしょう?
「高貴」と「卑猥」を表し、金山(チンシャン)ではなく天青(ティエンチン)寄りの色。
金山(チンシャン)が藁をも掴もうとして吊るされている反物に手を伸ばしません。
とすると、天青(ティエンチン)はこの事故とは無関係、天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)には有利と捉えて大丈夫でしょう。
…逆に、金山(チンシャン)が黄色の反物を掴んでも、固定されていないので反物は染色槽に落ち、やはり金山(チンシャン)は溺死、
となると、話が変わってきます。
金山(チンシャン)は天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)の不倫の証拠を残し、いずれ白日の下に現れる、なんてことになるでしょう。


3-36:




1時間8分付近
金山(チンシャン)の遺体を前に。


菊豆(チュイトウ)の喪服。
天白(ティエンパイ)の喪服。


金山(チンシャン)の死装束。
(天青(ティエンチン)の着ている物)


天青(ティエンチン)の着ている物

…金山(チンシャン)の青い死装束はこの世からあの世へ、羽ばたいて行け、って事でしょう。
俗世間のしがらみから「自由」になったと言う事。
…天青(ティエンチン)の着ている物は、分かりにくい色なんですが、おそらく黒っぽいと思います。
菊豆(チュイトウ)と話し合うシークウェンスでは照明で青っぽくしてる様です。
叔父金山(チンシャン)から自由になり、菊豆(チュイトウ)と大っぴらに暮らせる自由を得た、で間違い無いでしょう。

…菊豆(チュイトウ)と天白(ティエンパイ)が白を着るのは直近の家族ですから、喪服として当然ですが、
天青(ティエンチン)が金山(チンシャン)は菊豆(チュイトウ)に殺されたのではと疑ってますから、
どうも白に意味を持たせている様です。
…菊豆(チュイトウ)と天白(ティエンパイ)は不吉の象徴、凶事の前兆の意味も持たせてる様です。


3-37:



1時間12分付近
金山(チンシャン)の柩止め
49回もやる。


菊豆(チュイトウ)、天青(ティエンチン)、天白(ティエンパイ)の白尽しの喪服


金山(チンシャン)の柩

…このシークウェンスの前に楊家一族郎党会議で、菊豆(チュイトウ)の再婚は認められない、
菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)の同居も甥と叔母とは言え認めらないと決定。
…金山(チンシャン)の死は柩の赤が示す様に、二人にとっての革命になり、同居は無理。
…また、葬儀とは言え、3人揃って喪服を着てますが、その色の暗示する事は、不吉。
金山(チンシャン)の死は二人にとってだけでなく、天白(ティエンパイ)にとっても幸せとは結びつかいない、と暗示しています。


3-38:



1時間17分付近
10年後。
天白(ティエンパイ)が菊豆(チュイトウ)の家へ来る。
そこで食事。
贈り物を菊豆(チュイトウ)に渡す。



天青(ティエンチン)の帽子
菊豆(チュイトウ)の着ている物、髪の毛
天白(ティエンパイ)が来ている物。


天青(ティエンチン)が食事中に着けている前掛け(→単なる布?)
天青(ティエンチン)が菊豆(チュイトウ)にプレゼントするスカーフ


…全員黒を身に着けています(@_@)。
何やら良からぬ事を企んでいます。
…天青(ティエンチン)の小さなつばの無い帽子は小さな陰謀(笑)。
…菊豆(チュイトウ)は見事な黒髪で、その髪の毛が暗示する大きな事か?
…天白(ティエンパイ)は歳に似合わぬ全身から発する良からぬ事か?

…天青(ティエンチン)の贈り物の赤いスカーフは未だに消える菊豆(チュイトウ)への恋心の象徴。
同時に結婚という「革命」も考えています。


3-39:

黄色



1時間19分付近
続いて、
仕事を手伝い、反物を干す天白(ティエンパイ)。
天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)は村外れで逢引き。



天青(ティエンチン)の仕事用の前掛け。
天白(ティエンパイ)が干している反物。
物干し台に掛かっている反物。

黄色
物干し台に掛かっている反物。


天青(ティエンチン)の小さな帽子
菊豆(チュイトウ)の着ている物と髪の毛
天白(ティエンパイ)が来ている物。


天白(ティエンパイ)の仕事用前掛け。


…天白(ティエンパイ)が干している物の色が赤。
掛かっている反物の色が黄色。
「高貴」な「革命」を企んでいますナ。
…その企みを示す天白(ティエンパイ)が来ている黒。
…そして天白(ティエンパイ)が何物にも捉われていない「自由」を示す青い前掛け。

…相変わらず天青(ティエンチン)の黒い帽子は小さく、企みや考えが小さい事を示しています。
…さらに、菊豆(チュイトウ)と逢引きする時は、当然ですが赤い前掛けを外します。
革命の様な大きな事が出来るはずがない天青(ティエンチン)です。
…天青(ティエンチン)の気弱さを表しています。
気弱ですが、台詞で天白(ティエンパイ)の将来も心配し染物屋になる事を祈っています。

…それに比べると、菊豆(チュイトウ)の黒の面積が大きく、「天白(ティエンパイ)を連れて村を出て行こう」と言う台詞の通り考えてる事が大きい。


3-40:


黄色


1時間20分付近
天青(ティエンチン)と母親菊豆(チュイトウ)の噂話をしていた男を手斧(?)を持って追いかける天白(ティエンパイ)。
天白(ティエンパイ)は自宅に帰る。
指を怪我していて天青(ティエンチン)が治療しようとするが、嫌がり蹴倒す。
その天青(ティエンチン)の上に掛けてあった反物が落ちて来る。
暴れている(と思われる)天白(ティエンパイ)に菊豆(チュイトウ)は、ついに、実の父親が天青(ティエンチン)だと言ってしまう。


天白(ティエンパイ)が着ている物。
菊豆(チュイトウ)が着ている物と髪の毛。
天青(ティエンチン)の小さい帽子も黒ですが、色褪せてる感じ。


天白(ティエンパイ)の指の血。
蹴られて流す天青(ティエンチン)の血。
天青(ティエンチン)の上に落ちて来る反物の色。

黄色
天青(ティエンチン)の上に落ちて来る反物の色。


…三人共何やら良からぬ事を考えていますが、天青(ティエンチン)の考えが一番小さい。
菊豆(チュイトウ)と天白(ティエンパイ)よりも遙かに小さい。
…血を流すのは天白(ティエンパイ)と天青(ティエンチン)。
つまり、このシークウェンスが二人にとって「革命」になります。
…その「革命」を起こしたのが、菊豆(チュイトウ)。
…天青(ティエンチン)の上に落ちて来る反物が黄色の「高貴」と赤の「革命」。
天白(ティエンパイ)の正当な怒りです。

…天白(ティエンパイ)が起こるのも無理はありません。
ここまで菊豆(チュイトウ)も天青(ティエンチン)も金山(チンシャン)の悪行(笑)について何も話してないのですから。
その点を話すとなると、二人の不倫も話さにゃならんですから、話せるはずないか(笑)。






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『菊豆』その6

色の演出その3


3-24:
黄色






45分付近
金山(チンシャン)、門に鍵を掛け自宅に火を点けるが、
菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)が直ぐに消す。



菊豆(チュイトウ)の髪を後ろで留めている細紐(?)青。
天白(ティエンパイ)の産着。

黄色
金山(チンシャン)の掛布団。
金山(チンシャン)が火を点ける反物。
金山(チンシャン)が火を点けた松明の炎の色。
反物が燃える炎の色。


金山(チンシャン)と菊豆(チュイトウ)の寝台の敷布。
菊豆(チュイトウ)の掛布団。
天白(ティエンパイ)のおくるみ。
金山(チンシャン)が火を点ける反物。


金山(チンシャン)の着ている物。


菊豆(チュイトウ)が着ているシャツ。
天青(ティエンチン)が着ているシャツ。


…色使いは今迄と変わってません。
…まとめて書き出し目に付くのは、金山(チンシャン)だけが身に着けたり関係している色、黄色。
…「高貴」と「卑猥」「堕落」を表しますから、嫉妬をここでは表していると捉えていいでしょう。
そして性が含まれているのも間違いないでしょう。
…火を点けるのが黄色の反物だけでなく赤い反物もあり、金山(チンシャン)は天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)に対し
「革命」を起こそうとしたと考えて間違いありません。


3-25:


48分30秒付近
天青(ティエンチン)が川へ金山(チンシャン)を連れ、入浴


川で洗う反物。
菊豆(チュイトウ)のシャツと後で髪を留めている細紐(?)。

…自由を謳歌している菊豆(チュイトウ)。
…それより目立つのが川辺で洗濯している他の住人、御近所さん。
…全員くすんだ色を着ています。
…少なくとも菊豆(チュイトウ)と同じ様な生き方をしている人間がいない、と示していますな。
…地味ですが、かなり凄い演出です。

…反物を青にした意図はなんでしょう?
…これまでは、反物は楊家の商売道具であり、飯のタネ。
生きていくためには不可欠。
…同時に菊豆(チュイトウ) が金山(チンシャン)と楊家に繋がれていた象徴でもありました。
…しかし、金山(チンシャン)が卒中で倒れて以来、天青(ティエンチン)と家庭内では大っぴらにイチャつける様になりました(笑)。
…空(=青)へはばたく鳥の様に自由を謳歌してる訳です。
…菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)の束の間の自由も象徴しています。


3-26:
黄色




桃色

49分35秒付近
続いて食事中の楊家。

黄色
壁に吊るしてあるトウモロコシ(→おそらく種用)。


天青(ティエンチン)の前掛け。
菊豆(チュイトウ)のおんぶ紐と後ろで髪を留めている髪留め(の細紐?)。
壁に吊るしてある唐辛子。


菊豆(チュイトウ)のシャツ


金山(チンシャン)のシャツ
菊豆(チュイトウ)のズボン


天青(ティエンチン)のシャツ

桃色
天白(ティエンパイ)の産着

…画面の中の色の面積で考えるとトウモロコシの黄色が大きく、画面左側(下手)。
菊豆(チュイトウ)が左端でその直ぐ右側に天青(ティエンチン)。
「痴情」と同時に「高貴」の色ですから、二人が大人の関係で(笑)、愛し合っています。
…赤を身に着けているのも菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)の二人で、「革命」が成功し、進行中。
…そして「自由」を象徴してると捉えられる青を着ているのが菊豆(チュイトウ)で、二人に中で精神的に自由を謳歌してるのは菊豆(チュイトウ)。
…反面、天青(ティエンチン)が着ているのは相変わらず白。
菊豆(チュイトウ)と違い、心の底から二人の関係を楽しめず、むしろ「不吉」を感じ恐れていると暗示しています。

…金山(チンシャン)は黒を身に着け、相変わらず何かを考えています。
…それ象徴するのが、金山(チンシャン)の後の壁に吊るしてある赤い唐辛子。
黄色いトウモロコシは菊豆(チュイトウ)と重なって映ってますが、唐辛子は金山(チンシャン)と重なっていません。
金山(チンシャン)は赤が象徴する「革命」と企んでいるのですが(=黒を着ている)、まだ具体的に何をするかは決まっていません。

…菊豆(チュイトウ)も黒いズボンをはき、天青(ティエンチン)と違い明らかに金山(チンシャン)に非常に注意しています。
良からぬ事(=黒)を考えるだけでなく、やる覚悟があると捉えて間違いないでしょう。
…色からも菊豆(チュイトウ)は気が弱い天青(ティエンチン)と心構えからして違うと分かります。

…桃色は天白(ティエンパイ)の産着のみで、ここで初めて身に着けます。
…今のところ天白(ティエンパイ)は桃色(=痴情)の結果しすぎません。
菊豆(チュイトウ)は金山(チンシャン)から解放され、天青(ティエンチン)と関係を思う存分楽しんでます。
菊豆(チュイトウ)にとって今は天白(ティエンパイ)ではなく、天青(ティエンチン)なのです。


3-27:





50分付近
続いて、
天青(ティエンチン)は叔父金山(チンシャン)を車椅子風桶に入れたまま、天井の柱に吊るす。
そして菊豆(チュイトウ)と共に向かい側一階の部屋へ姿を消す。

…続きですから、着ている物は変わっていません。
…新たに画面に加わったのは吊り下げてある反物で、色は青。
…昼間っから自由を謳歌している天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)です。

…金山(チンシャン)は台詞からも分かりますが、御先祖様達に掛けても革命を起こそうと考えています。
…赤いロウソクも革命(=赤)を暗示しています。

…ここでは、菊豆(チュイトウ)が階段を下りて来て、天白(ティエンパイ)がいません。
2階の寝室に置いてきたに違いありません。
…そして向かい側一階の天青(ティエンチン)の部屋へ行きます。
…天白(ティエンパイ)を天上界に近い二階に置いて行き、二人は世俗そのもの一階の部屋へ行くと言うのは、
天白(ティエンパイ)を大人の世界に巻き込みたくないと菊豆(チュイトウ)が思っているからでしょう。


3-28:



51分付近
数年後、天白(ティエンパイ)は歩ける歳になり、天青(ティエンチン)が作った手押し車型オモチャを押して遊んでいる。
天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)は反物を郊外で干している。
話題は天白(ティエンパイ)が言葉を話さない事。


…天白(ティエンパイ)は何か良からぬ事を考えているとしか思えないこの演出。


…干している反物の色。
…天青(ティエンチン)は上衣を羽織り、下の白いシャツを見せる演出。
…いままで自由を象徴していた青い反物が、ここでは白、「不吉」の象徴に変わりました。

…菊豆(チュイトウ)も赤、青を身に着けず地味。
…天青(ティエンチン)も赤い前掛けを着けていません。
…赤、「革命」を起こした時の高揚は過去の物になった、と言う事。
…そして、エッチをしに行くんですが、「革命」の赤、「自由」の青、「高貴」と「痴情」の黄色もありません。
あるのは、「不吉」の白だけです。

…二人の訪れる「不吉」の黒い影。
…その黒を身に着けているのが、実の子供である天白(ティエンパイ)。
…物語が新たな章へと進みました。


3-28:



53分付近
続いて、
天白(ティエンパイ)は一人で家に帰り、金山(チンシャン)が近付くと、
天白(ティエンパイ)が初めて喋る。
「お父さん」


一人で家に帰ってきた天白(ティエンパイ)が遊ぶ最初の染色槽の色。


天白(ティエンパイ)の着ている物。
金山(チンシャン)が着ている物。
天白(ティエンパイ)が次に遊ぶ染色槽の色。

…天白(ティエンパイ)が黒尽くめの時に「お父さん」と金山(チンシャン)に言います。
…天白(ティエンパイ)が初めて喋った時です。
…親子共々何やら良からぬ事を考えています。
…特に天白(ティエンパイ)は3歳位ですから、底知れぬ恐ろしさを暗示してます。


3-29:



55分付近
続いて、
天白(ティエンパイ)が金山(チンシャン)の車桶を引いて裏小路を進んでいると、
心配して戻ってきた天青(ティエンチン)と菊豆(チュイトウ)に会う。
そこで、金山(チンシャン)は天白(ティエンパイ)に天青(ティエンチン)を「お兄さん」と呼ぶように教える。


天白(ティエンパイ)、金山(チンシャン)、菊豆(チュイトウ)の着ている物。
天青(ティエンチン)のズボンの色。


天青(ティエンチン)のシャツの色。

…天青(ティエンチン)以外は、良からぬ事を考えているのがハッキリしています。
…その点、天青(ティエンチン)は気が弱く、引け目を感じています。それを表すのが白いシャツ。
…不吉を表す色でもある白。気が弱いと言う事は、細かな事に気付くと言う事でもありますから、
菊豆(チュイトウ)と叔父金山(チンシャン)の間に不吉な事が起きるのではないかと感じているとも捉えられます。


3-30:


56分付近
寝室に菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)。
二人を覆う上掛け布(毛布?)が白。

…これは明らか。
二人の関係が白が象徴する不吉になったと明言。


3-31:




57分付近
続いて、
菊豆(チュイトウ)、尼さんから中絶薬を手に入れ試みる。
それから天青(ティエンチン)の部屋を後にすると、階段の上に天白(ティエンパイ)がいた。


菊豆(チュイトウ)の着ている物。


天白(ティエンパイ)が着ている腹掛けの色。


菊豆(チュイトウ)が手に入れた中絶薬の色。

…菊豆(チュイトウ)が企んでいる(=黒)のは中絶。
その薬は赤(=革命)で、天青(ティエンチン)との第二子が出来るのを防ぐ事は正に「革命的」
…天白(ティエンパイ)が白、つまり不吉であると明言しました。


3-32:



59分付近
続いて、
天白(ティエンパイ)の3歳のお祝い会。


天白(ティエンパイ)の着ている物が赤尽し。


給仕のオバサンの着ている物。
「天青(ティエンチン)もおじさんに金を出してもらって、菊豆(チュイトウ)以上の嫁さんをもらいな」
と言います。

…この子が楊家に革命を起こすと高らかに発表(@_@)。
…参列者が皆地味な色ですから、目立つこと、この上なし。

…給仕のオバサンの言う事は、不吉そのものと着ている物で明示。


3-33:




1時間付近
続いて、

菊豆(チュイトウ)が手に入れた中絶薬が唐辛子だったと判明。
酢を試みるも失敗。
菊豆(チュイトウ)、ヒ素を取りだし金山(チンシャン)を殺すと言いだす。
天青(ティエンチン)はあれでも自分の叔父だと弱気と愛情を示す。

そこへ天白(ティエンパイ)が天青(ティエンチン)の部屋の壁に石を投げつける。
菊豆(チュイトウ)が外に出ても石を投げるのを止めない天白(ティエンパイ)。
そんな天白(ティエンパイ)の頬を引っ叩く菊豆(チュイトウ)ですが、最後には抱き締めます。


唐辛子粉


天白(ティエンパイ)の着ている物が黒尽くし
菊豆(チュイトウ)が上半身に着ている物。


菊豆(チュイトウ)のズボン。

…中絶の役に立たない唐辛子(=赤)のために、菊豆(チュイトウ)が隠し持っていたヒ素を出す事になりました。
菊豆(チュイトウ)の殺意。
正に革命的です。
…そして母親と愛人のとの関係に腹黒い、良からぬ考えを持つ天白(ティエンパイ)。
…天白(ティエンパイ)の憎悪や嫌悪はシッカリとしたものですが、
菊豆(チュイトウ)は天白(ティエンパイ)を愛しています。
そのために金山(チンシャン)への殺意も揺らいでいると捉えられます。

…菊豆(チュイトウ)の白いズボンは不吉の象徴になっているでしょうか?
なっていると捉えた方が良さそうです。





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『菊豆』その5

色の演出その2


3-14:



31分付近
寝台に横たわる菊豆(チュイトウ)。
同席しているダンナの金山(チンシャン)と共に医師から妊娠を告げられる。

菊豆(チュイトウ)が着ている物が黒。
髪を後ろで留めている細紐(?)が相変わらずの赤。

菊豆(チュイトウ)が黒を初めて身に着けました。
…おさらいすると、
黒は中国では、
日本語と同じく色の「黒」
その他に、
形容詞として、
秘密の、闇の、
腹黒い、邪(よこしま)の、悪辣だ、

また、連想させる観念が、
犯罪、犯罪者

菊豆(チュイトウ)の妊娠は正に中国の「黒」が仄めかすもの(^.^)。
…父親が天青(ティエンチン)であり、その事は二人の秘密。
…二人が犯した罪は不義密通。

…赤の方は、当然菊豆(チュイトウ)のダンナの金山(チンシャン)への革命です。


3-15:




35分付近
赤ちゃん天白(ティエンパイ)産着が青。
天白(ティエンパイ)の帽子が赤。

菊豆(チュイトウ)のシャツが白。
菊豆(チュイトウ)のが頭に巻いている布が赤。
菊豆(チュイトウ)が頭の後で髪を留めている細紐(?)が青。

…菊豆(チュイトウ)が初めて身に着けた色が白。
…おさらいすると、
中国でも色の「白」を表しますが、
葬儀、葬礼を表す形容詞の意もあり、中国ほぼ全域で不吉な色とされている、とか。

…この出産と赤ちゃんが不吉、不幸の種になった、と言う事でしょうね。

…青。
…菊豆(チュイトウ)は天青(ティエンチン)の赤ちゃんを産んだから革命(=赤)に成功。
…新たに隠している気持ちは青、空に旅立つ様に、ダンナの金山(チンシャン)から自由になりたい。
…天白(ティエンパイ)の産着の青が示すのは、この子が二人を自由へと導くと言う事でしょう。

…しかし、天白(ティエンパイ)の帽子は赤です。
…この子が新たな革命(=赤)を起こす、と捉えて間違いなさそうです。

…どうも簡単には、単純には行きそうもありません。
…菊豆(チュイトウ)の不吉(=白)と自由(=青)。
…天白(ティエンパイ)の革命(=赤)と自由(=青)。


3-16:



38分付近
天青(ティエンチン)、叔父の金山(チンシャン)を探しに山へ。
倒れている金山(チンシャン)を発見、助ける。
金山(チンシャン)が着ている服が相変わらずの黒。
天青(ティエンチン)の着ているシャツも相変わらずの白。

…谷底へ落ちる岩の効果音も入り、不吉な色の象徴の白いシャツでも天青(ティエンチン)の心によぎった考えを示しています。
…でも実行はしなかった天青(ティエンチン)。
…菊豆(チュイトウ)に中々手を出さなかったように、ここでも意気地なし、小心者である事を示しています。


3-17:





39分付近
天青(ティエンチン)が叔父の金山(チンシャン)を家までおぶって帰り、
寝台で金山(チンシャン)が意識を戻す。
医師の診断によれば中風。

金山(チンシャン)が着ているのが、黒。
…相変わらずの腹黒さで何を考え企んでいるのか分からん、状態。

寝ている寝台の敷布が赤。
掛布団と枕替わりの布団(?)が白。
…これ気になります。
…赤=革命、白=不吉、ですから、金山(チンシャン)自身にはどうにも出来ない良からぬことが起きると暗示、
と捉えていいでしょう。

天青(ティエンチン)も相変わらずの白。
…不吉な存在に変わりません。
…冒頭で40過ぎと言われていますから、独立してもいいのになぜかしていません。
…そこへ菊豆(チュイトウ)が来たもんだから、この騒ぎ。

菊豆(チュイトウ)は青の上衣。
後で髪を結んでいる細紐(?)の色も青。
…空の色で自由を連想する色。
…子供も出来たし、ダンナの金山(チンシャン)は中風で倒れたし、気分ウキウキ(笑)。
…暴力ジジィから自由になれた、と間違い無く早合点(笑)。


3-18:



続いて、39分20秒付近
菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)、食卓に。
明らかに今迄金山(チンシャン)が使っていた場所。
猪口で酒を含む二人。

天青(ティエンチン)が黒を着ています。
…これは、色で暗示するより単に黒を着る人間が変わった、
菊豆(チュイトウ)の相手が金山(チンシャン)から天青(ティエンチン)に代わったと示しているだけでしょう。

菊豆(チュイトウ)は上衣と髪を結ぶ細紐(?)が赤。
…それに比べると菊豆(チュイトウ)は明らかに赤が暗示する「革命」です。

…秘密の結婚式、って事なんでしょう、二人にとっては。


3-19:
黄色

続いて40分付近
黄色の反物を掛けてあるカット。

…「高貴」であり、「卑猥」「堕落」を象徴する黄色。
…心が結ばれる二人が卑猥な事、堕落した事をしている訳です。


3-20:
黄色




続いて40分20秒付近
寝台に一人金山(チンシャン)。
嬌声が聞こえ、寝台から降りようとして落ちる。
そこへ菊豆(チュイトウ)が戻ってくる。
菊豆(チュイトウ)は天白(ティエンパイ)の父親が天青(ティエンチン)だと教える(笑)。

先ず、
寝台の敷布が赤。
金山(チンシャン)の掛布団が白い縁取りの黄色。
隣の菊豆(チュイトウ)の掛布団は赤。
…「赤」=革命の舞台がここ、だと言う事(笑)。
まぁ、その通りですが(笑)。
…金山(チンシャン)の掛布団が黄色と言う事は、このカットでは「高貴」と言うより、
「卑猥」でしょう。二人の話題(笑)がそういう事だから。
…菊豆(チュイトウ)の掛布団が赤。
金で買われたと金山(チンシャン)に言われただけのことはあり、大嫌いなんですな。

天白(ティエンパイ)の産着が青。
おくるみと布団、帽子が赤。
…「革命」と「自由」そのものなんですな、菊豆(チュイトウ)にとっては。
菊豆(チュイトウ)と同じ色はありますが、金山(チンシャン)と同じ色はありません。

金山(チンシャン)が着ているのは相変わらずの黒。
…腹黒く何を考えているのか窺い知れない事を象徴する黒。
…下半身不随になったとはいえ、油断してもいい人物ではない、と観客に告げています。

菊豆(チュイトウ)の上衣の色が赤。
…金山(チンシャン)の意識がハッキリしている時に赤を着たのはここが最初。
…革命の凱歌、宣戦布告、であります。
…菊豆(チュイトウ)の怒り、鬱憤、金山(チンシャン)を馬鹿にする快感、
この上も無く表す「赤」です。


3-21:
赤(桃色)


42分付近
仕事中の菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)。

反物が赤。
…二人の労働の結果である反物が赤。
…これは経済力がつき、その結果今迄金山(チンシャン)に養われていた立場から「逆転」したと表しています。
…「逆転」=「革命」=「赤」です。

二人の着ている物が白。
…子供も出来、仕事があり経済力を付けながらも、安心出来ない二人、と言う事です。
…黒と言う不可解を象徴する金山(チンシャン)がまだ生きています。

天白(ティエンパイ)の産着が赤。
…天白(ティエンパイ)の産着が象徴する「革命」は誰に対するものでしょうか?
金山(チンシャン)に対するものか?
菊豆(チュイトウ)と天白(ティエンパイ)に対するものか?
まだ分かりません。
二人にとっては油断できません。

…ここで歌われる子守唄の歌詞からも二人にとって安心出来る未来が待っているとは保障出来ません。

…同時に、このシークウェンスでは、赤は色が薄く桃色と捉える事も出来ます。
…意図的に薄くし、「痴情」も表していると私には思えます。
…楊家内では、菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)がおおっぴらに「夫婦気取り」が出来るようになった、と言う事です。


3-22:

黄色

続いて43分付近
上から楊家を撮るカット。
赤と黄色の反物を干し台に掛けてある。

続いて
再び黄色の反物を掛けてあるカット。

…「高貴」、「卑猥」の黄色。
…「革命」の赤。
…つまり、菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)が「夫婦気取り」してると言う事。


3-23:




黄色

続いて
菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)の「夫婦気取り」を聞いた金山(チンシャン)は、
天白(ティエンパイ)に何かしようとしたけど、失敗。
そこへ二人がやって来る。
天青(ティエンチン)は金山(チンシャン)の首を絞めますが、殺せません。

寝台の敷布が赤。
金山(チンシャン)が着ている物が黒。
掛布団が黄色。
…ここでは金山(チンシャン)が二人の嬌声を聞き、嫉妬してると考えていいでしょう。

天白(ティエンパイ)の産着は青、おくるみは赤。
…「革命」(=赤)と「自由」(=青)の象徴の天白(ティエンパイ)ですが、
だれにとってかは分かりません。
…このシークウェンスでは金山(チンシャン)と共有する色である赤を身に着けているので、
金山(チンシャン)が殺そうとしたとは考えにくい。

菊豆(チュイトウ)のシャツは白。
…不吉な色を象徴する白を着ています。
…天白(ティエンパイ)にお乳をあげますが、共有する色もないので、
菊豆(チュイトウ)側に不吉がつきまとうと考えた方が無理がありません。
…つまり、菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)に不吉な影が射している、と言う事です。

…天青(ティエンチン)が金山(チンシャン)を絞殺さないのは、勿論、気の弱さのため。
…しかし、天青(ティエンチン)を演じる李保田(リー・パオティエン)の演技を観るとそれだけとは思えません。
…両親が亡くなった後、自分を血が繋がっていないのに育ててくれた恩を感じ、
また正気を失ってないのが分かります。
…中々巧い役者です(^.^)。






タグ 菊豆 張藝謀 コン・リー リー・パオティエン リー・ウェイ







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『菊豆』その4

3:
張藝謀(チャン・イーモウ)の初期の作品は色を演出で使っています。
単純ですが、非常に効果的です。
この『菊豆』でも変わりません。

黄色と桃色を使ってます。
主人公菊豆(チュイトウ、演:鞏俐)の着ている物が筆頭です。

まず、黄色。
菊豆(チュイトウ)の着ている上衣(?)の色。
中国で黄色は『開運!なんでも鑑定団』で出てくる官窯でお馴染み、皇帝初め貴人等、高貴な方の色。

(日本語の「紫」と同じですな。富と権威の象徴であり、聖徳太子が定めた冠位十二階では最高位の色。
また現在では、相撲の最高位の行司の軍配の房の色です)

しかし、現在では「卑猥」や「堕落」を表す色だそうで、日本語の「ピンク」英語の”blue”と同じ。
「高貴」と「堕落」、「卑猥」、「低俗」の二つ正反対の意味を持ってるとは、非常に興味深く、面白い。
楊天青(ヤン・ティエンチン)にとって菊豆(チュイトウ)は殿上人であり、娼婦でもあると言う事です。
「高貴」から考えると、「愛」、「愛情」もあると捉えても問題有りません。
菊豆(チュイトウ)の演出から考えると黄色は楊天青(ヤン・ティエンチン)を象徴する色です。

そして上の「2」で菊豆(チュイトウ)が干している反物の色も黄色です。


次に桃色。
菊豆(チュイトウ)が桃色を着るのは、楊金山(ヤン・チンシャン)に折檻される場面が非常に印象的です。
張藝謀(チャン・イーモウ)の意図であって、我等観客に桃色が楊金山(ヤン・チンシャン)の象徴であると教えてくれてます。
そして便利なネットで中国語での「桃色」を調べると、何と、日本語と同じで「痴情」の意があります。
菊豆(チュイトウ)にとってダンナの楊金山(ヤン・チンシャン)は正に子供を作るだけ、そのためのセックスしかありません。


中国語では…

革命を象徴する赤
忠誠
むき出しの



中国語では…

年齢が若い
青年
打撲などで肌が黒ずんでいる

と言う事なんですが、張藝謀監督は、次のように言ってます。
>“紅”は中国の農民が結婚、出産、葬式など、喜びや悲しみの儀式の時に用いる“感情を表現する色”で、
この映画でもそのように使われています。
一方、“青”は二人の不幸を予感させる色としての役割を担っているわけです。
(『菊豆』のBDのブックレットから)

でも、それだけじゃない様です。

では、
菊豆(チュイトウ)が着ている物を中心に、色の扱いを最初から観ていきましょう。


色の演出その1

まず、
楊金山(ヤン・チンシャン)が着ているのは黒
…さて黒。中国では、
日本語と同じく色の「黒」
その他に、
形容詞として、
秘密の、闇の、
腹黒い、邪(よこしま)の、悪辣だ、

また、連想させる観念が、
犯罪、犯罪者
…腹黒い人間だと伝えていると捉えて間違いでしょう。

甥っ子の楊天青(ヤン・ティエンチン)は白いシャツ
…中国でも色の「白」を表しますが、
葬儀、葬礼を表す形容詞の意もあり、中国ほぼ全域で不吉な色とされている、とか。
…登場人物達の中で不吉な存在であると暗示してる訳です。


3-1:
桃色

5分20秒付近
水浴びをする場面
遠景で撮った2階から現れるカットが最初。
早朝のカットで色が飛び分かりにくいですが、桃色ですね。
ここで楊天青(ヤン・ティエンチン、演:李保田)が覗き見をします。

…まだ叔父の楊金山(ヤン・チンシャン、演:李緯)と同じく菊豆(チュイトウ)をセックスの対象としか思ってないからです。
…だから、張藝謀(チャン・イーモウ)は菊豆(チュイトウ)に桃色を着せた訳です。


3-2:
黄色


7分25秒付近
早朝、楊天青(ヤン・ティエンチン)が叔父の楊金山(ヤン・チンシャン)(演:李緯(リー・ウェイ))に命じられ、
叔母である菊豆(チュイトウ)を起こしに行き、そこで初めて出逢う。
場所は2階。

…最初の出逢いの時から殿上人であり娼婦なんですな、楊天青(ヤン・ティエンチン)にとって菊豆(チュイトウ)は(笑)。
…オマケに場所は2階と地上ではなく、1階分天国に近い場所(笑)。
…こりゃ嵌り、抜け出せなくなる訳です(笑)。
…まぁ、こうやって笑えるのも我等観客は当事者でないからで、当人達にとっては不義密通であり大問題になるんですが、
それはまだ先の話。


最初に出て来る反物の色が白。
まぁ、まだ染める前だから白で当然ですが(笑)、
監督が張藝謀だから見逃す訳には行きません(笑)。

…楊家の商売は染色。
…その一家でやってる物が「不吉」の象徴の色。
…この家族に不吉な事が起こると明示ですな、どう考えても暗示ではないでしょう(笑)。


3-3:
黄色

9分15秒付近
続いて、菊豆(チュイトウ)は黄色い反物を、やはり2階の物干し場で干します。
話が続いていますから当然黄色を着ています。
「2」で書いた通り、それを見上げる楊天青(ヤン・ティエンチン)です。


3-4:


11分丁度
天青(ティエンチン、演:李保田)が染色槽に赤の染料を入れ、混ぜます。

…天青(ティエンチン)は叔父金山(チンシェン、演:李保田)に対し反抗心を抱いてる、と示してます。


3-5:
桃色

11分18秒付近
ダンナの楊金山(ヤン・チンシャン)に折檻される。
菊豆(チュイトウ)が桃色を着て、ダンナの楊金山(ヤン・チンシャン)と一緒にいる最初のシークウェンスです。

…ここで、桃色の意味する事を我等観衆に教える張藝謀(チャン・イーモウ)です。


3-6:
桃色

13分5秒付近
覗き穴を大きくしようとしていた楊天青(ヤン・ティエンチン)をたまたま菊豆(チュイトウ)が見つける。
…楊天青(ヤン・ティエンチン)が菊豆(チュイトウ)を意識していないから桃色です。
…だから突然現れビックリです。
…菊豆(チュイトウ)もビックリ。
これまで楊天青(ヤン・ティエンチン)を全く意識していなかったからで、
ここから意識し始めます。


3-7:
黄色

16分15秒付近
8月15日のお月様のお供え物を準備する場面。
そこで楊天青(ヤン・ティエンチン)と会います。
着ている上衣は黄色。
でも持っている飾りと籠の中の物は桃色。
体に着ける物は黄色で、楊天青(ヤン・ティエンチン)を意識してます。
桃色はダンナの楊金山(ヤン・チンシャン)であって、体面だけの夫婦で世間に対する飾りみたいなものって事ですね。
オマケに飾りだからいつでも捨てられる。

…ありゃりゃ(溜息)。
…この演出じゃ不倫やる気満々じゃん、菊豆(チュイトウ)の方も。
…ここで、楊天青(ヤン・ティエンチン)が菊豆(チュイトウ)の痣を心配し、籠を持ってあげ、
初めて気にかけている事を示し、親切もしてあげました。
…でもですな、背景に遠く霞んでいますが、ハッキリと大きな山を入れ、菊豆(チュイトウ)はその山の方へ帰って行きます。
二人の将来にはこの山の様に大きな障壁がある、大問題が待ち構えてる、と暗示しています。


3-8:
黄色

19分23秒付近
8月15日でのお供え(?、か御馳走)の豚を捌いた後、楊金山(ヤン・チンシャン)がまた菊豆(チュイトウ)に折檻をした後。
2階から菊豆(チュイトウ)が階段を下りてくる場面。
続いて覗き見してる楊天青(ヤン・ティエンチン)に水浴びをする前に裸を見せる。

…菊豆(チュイトウ)はダンナから離れていく場面で黄色を着ていますから、ダンナには愛情を感じてないのは明らかです。


3-9:



23分50秒付近
菊豆(チュイトウ)が金山(チンシェン)に折檻を受けた翌朝、
私は殺されると告白します。

天青(ティエンチン)が干している反物が赤。
それを菊豆(チュイトウ)が掴んで告白しています。
菊豆(チュイトウ)が着ている上衣は青。
既に干してある反物は緑がかっていますが、青と捉えて間違いないでしょう。

…これは明らかに菊豆(チュイトウ)の気持ちを表しています。
…「赤」が象徴する「革命」を望んでいます。

…では、菊豆(チュイトウ)が着ている上衣の色が青。
これは、何を表しているでしょうか?
青を着るのは、ここが初めてです。
…当然ですが、黄色で象徴する事でも桃色で象徴する事でもないと言う事です
…まず思い浮かぶのが上で書いた中国で意味する「打撲などで肌が黒ずんでいる」です。
ダンナから折檻され続け打撲の痕が消えない菊豆(チュイトウ)です。
…と言う事は、単純に「助けて」、「救いと求めている」と捉えて間違いなさそうです。
…二人がいる位置から考えても間違いないでしょう。
(物干し台の上が天青(ティエンチン)、下が菊豆(チュイトウ))
…「ここ以外ならどこでも」と言う菊豆(チュイトウ)の思いでもあり、空(=空色=青)へ逃げていく叶わぬ夢の色、
ダンナから自由になりたい願望の色、
と捉えても無理がありません。


3-10:



26分20秒付近
楊家の馬が倒れ、金山(チンシャン)が獣医師(?)の所へ連れて行く。
ダンナが不在になるので、菊豆(チュイトウ)が天青(ティエンチン)を誘います。
ここでも菊豆(チュイトウ)の上衣は青。

…今がチャ~ンス、助けて、天青(ティエンチン)って事。

そして、髪を後ろで留めている細紐(?)が赤。
…黒髪には目立つ赤。
…後ろに隠していても、嫌でも目立つ「革命への思い」、ですな。

また、嫌に目立つ(笑)赤い肉らしき物を菊豆(チュイトウ)は天青(ティエンチン)の丼へ入れます。
でも、天青(ティエンチン)は食べません。
…覚悟を決めて、「革命」をあんたも起こすのよ、と言う事。
…天青(ティエンチン)は食べないですが、おそらく、色を強調するための物で、
人間には食べられない物ではないかと推測。


3-11:
黄色


28分付近
菊豆(チュイトウ)が煮え切らない天青(ティエンチン)の部屋へ行く。
菊豆(チュイトウ)の着ている服が黄色。
髪を後で留めている細紐(?)の色が赤。

…菊豆(チュイトウ)は天青(ティエンチン)が好きなんです。


3-12:
桃色



28分30秒付近
ダンナが倒れた馬を獣医師(?)の元へ連れてゆき不在で天青(ティエンチン)を誘惑した翌朝、
染色の仕事場で。
朝食を食べる菊豆(チュイトウ)と天青(ティエンチン)。
再び誘惑。
結ばれる二人。

菊豆(チュイトウ)の上衣が桃色。
…菊豆(チュイトウ)の方はやる気満々、怖いもの無し状態(笑)。

天青(ティエンチン)の前掛けの色が赤。
…天青(ティエンチン)は革命(=赤)、つまり叔父楊金山(ヤン・チンシャン)を裏切る覚悟は出来ています。
もうひと押し(笑)。

背景にある染め上った青い布。
…空へ飛んでいく様に現状を脱したい二人の気持ちです。


3-13:


30分付近
結ばれる二人。
菊豆(チュイトウ)が留め具を蹴飛ばし、染色中の赤い布が赤用染色槽へ高速落下。

…求め合う二人の熱情の象徴。
…布が天青(ティエンチン)。
…赤い染色液で一杯の染色槽が菊豆(チュイトウ)。

続いて染め上り、吊るしている赤い布を下から上へ移動して撮影したカット。
…染色槽に落ちた布が染め上り、乾かしている状態ですから、
二人にとっての革命(=赤)が成功したと言う事。






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『菊豆』その3

改めて観ると面白く、演出も興味深い。
演出について見て行きましょう。


1:
冒頭、天青(ティエンチン)が橋を渡り村に入ります。

橋は渡れば、「決意」、「決定」の象徴。
渡らなければ「迷い」の象徴。

天青(ティエンチン)はこれから「決意」すると、最初に示しています。


2:
菊豆(チュイトウ)が染め終わった反物を物干し台で竿に掛け、楊天青(ヤン・ティエンチン)が下から見上げるカット。
照明を上から投げかけています。
菊豆(チュイトウ)が文字通りの「高嶺の花」である象徴。
オマケに上から照明を当てていますから、後光を背負った観音様ですよ。
楊天青(ヤン・ティエンチン)は眩しくて、ハッキリと菊豆(チュイトウ)を見る事が出来ません。
直視出来ない程の恐れ多い存在であり、直視出来ない程の美貌であると言う事です。


3:
23分50秒付近

菊豆(チュイトウ)が金山(チンシェン)に折檻を受けた翌朝、
私は殺されると告白します。

ここでは菊豆(チュイトウ)と楊天青(ティエンチン)の位置が逆になります。
物干し台の上にいるのが、楊天青(ティエンチン)。
下にいるのが、菊豆(チュイトウ)。
苦しい地上から天上界への救いを求める菊豆(チュイトウ)です。


4:
27分付近

ダンナが獣医の所へ行き不在の時、菊豆(チュイトウ)は天青(ティエンチン)を誘惑します。
2階で待っているのですが、天青(ティエンチン)は階段の途中まで来て引き返します。
そこで菊豆(チュイトウ)は夜になると、階下の天青(ティエンチン)の部屋へ行きます。

2階が暗示する「天上界」ではなく1階が暗示する「俗世間」で愛を確認しようとする。
まだ「しようとする」で「する」ではありません。
それでも、どうも男と女の関係ですからキレイにはいかんゾ、と暗示してますね。


5:
1時間6分付近

菊豆(チュイトウ)が天青(ティエンチン)と共に医者へ行き、治療の後、峠を越えて帰宅。
「峠」を越えちゃった二人。


6:
同じく
1時間6分付近

染色槽で染色遊びをする天白(ティエンパイ)と金山(チンシャン)。
天白(ティエンパイ)が金山(チンシャン)の車桶の綱を持ったまま突然走りだすと、車桶が引っ張られバランスを崩し、
綱が切れます。
綱が切れるコマ落しのカットは、『金陵十三釵 The Flowers of War』の最初の方にも似たカットがあります。
女子学生が逃げる時に弦楽器の絃が何かに引っ掛かり切れるカットです。
こちらの方はハイスピードで撮っています。
ハイスピードの方が緊迫感、緊張感がありますから、『菊豆』で使わなかったのは予算の関係かもしれません。


7:
また、全編に亘り出て来る干してある反物。
これも、『HERO』の終盤、宮殿内に吊るされている薄幕の数々、絶対この映画から来ているよなぁ。





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『菊豆』その2 BD版

BD版について

1:
最初の楊天青(ヤン・ティエンチン)(演:李保田(リー・パオティエン))がロバを引いて橋を渡り、町へ入るカットからDVDとは違います。
物の輪郭が全てハッキリ、クッキリとなり透明感と鮮明さがDVDとは完全に別物になってます。

色も変わっていて、本来はBD版の方が近かったのではないでしょうか?
冒頭に楊天青(ヤン・ティエンチン)が菊豆(チュイトウ)(演:鞏俐(コン・リー))の水浴びを覗き見するシークウェンスで、
ロバの鳴き声で驚き壁から離れるカット。
DVDでは赤っぽい光で、BDでは青っぽい光になってます。
ここは話の流れから夜と分かりますから、BDの方が正しいはずです。


また、DVDで気になった冒頭での映像の上下の揺れが完全に無くなっています。

BDの円盤自体もピクチャーレイベルになりました。
最初の屋根が沢山映るカットです。





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『妻への家路』その1 驚異の4K(@_@)

張藝謀(チャン・イーモウ)監督の『妻への家路』をBDとHDのアクオスで観たんですが…

久し振りに映像と音で驚きました(@_@)。

4Kで撮影した映画を観るのはこれが初めてです。

これからは、まぁ当然なんですが(笑)、4Kの時代だと改めて実感しました。


1:
やはり映像の解像度と言うものが、フルHDとは違います。
鮮明さ、ハッキリとクッキリとした物の形、屋外の空気の透明感、
言い換えると映像の現実感が、完全にフルHDを凌駕しています。

妻への家路』を観ると、この映画以前の張藝謀監督の作品の映像が、
作り物っぽく見えるんです。
まぁ、記録映画じゃないから別に作り物っぽくても問題は無いんですが、
映し出す映像に現実感を感じられるか、られないかは、大きな差があります。
生活感があると言ってもいいでしょう。
映像に現実感があると、気温や湿度、更には街中に漂う匂い(や臭い(笑))、喧騒を想像しやすくなり、
そのために登場人物達の気持ちや設定も、少々ですが、想像しやすくなります。

そう、登場人物達にも生身の人間を感じやすくなります。
この映画ですと、近所のおじさんやおばさんが通りを歩いているかの様に感じるのです。

そう感じるのも役者が大根だったら無理な事で、
主演の陳道明(チェン・ダオミン)と鞏俐(コン・リー)がどこにでもいそうなおじさんやおばさんを演じているからです。


初めてフルHDのアクオスを観た時の驚き、
初めて地デジを観た時の驚き、
そして『妻への家路』で初めて観た4K映画の驚き、
またしても、映像世界は4Kでドラえもんの「どこでもドア」へと一歩近づきました(@_@)。


2:
フルHDになると、音の方も現実感が増しました。
最初に感心したのは、堤幸彦監督の「20世紀少年 第一章『終わりの始まり』」の初めの方。
ケンヂ(唐沢寿明)のキングマートが襲われ、出火する場面。
ここで灯油が床に落ちる音、これに驚きました。

液体が床に落ちる音以外の何物でもありませんでした。
当然の事ですが、フルHD以前の音とは比べ物にならぬ現実感です。

そしてもう一つが5.1chによる2次元化と奥行き感。
群衆シーンでの喧騒で、あちこちから人の話し声が聞こえるようになりました。
これに驚いたのが、『カストラート』です。

この映画でも、こういう何でもない音が素晴らしい。
冒頭の雨のシークウェンス、
部屋の中で外で降ってる雨の音が聞こえます。
しかし、それだけではなく、何と、軒先から落ち続く雨垂れの音まで聞こえます(@_@)。
ここまで雨垂れの音が録音された作品、今迄に観たことありません(^.^)。
更に、雨合羽に当る雨の音(^.^)。

この『妻への家路』以前の雨の音は何だったんでしょう(笑)?


3:
内容以前に撮影と録音の媒体がかように素晴らしい(^.^)。
人生初の4K体験を大好きな張藝謀でやったとは(笑)。





タグ 張藝謀 チャン・イーモウ 妻への家路 20世紀少年 カストラート 陳道明 チェン・ダオミン 鞏俐 コン・リー





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『金陵十三釵 The Flowers of War』 その3

またまた、
この映画、日本語吹き替えも無ければ、日本語字幕も無し。
英語、中国語(舞台が南京なんで南京の方言らしい)の台詞が殆ど。
日本語の台詞は少々。
字幕は英語、簡体字の中国語、スペイン語が在り。
それでもネタバレが多いので、隠しておきます(笑)。

それでは、その3。
第一弾はこれが最後です。

続きを読む

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『金陵十三釵 The Flowers of War』 その2

引き続き、
この映画、日本語吹き替えも無ければ、日本語字幕も無し。
英語、中国語(舞台が南京なんで南京の方言らしい)の台詞が殆ど。
日本語の台詞は少々。
字幕は英語、簡体字の中国語、スペイン語が在り。
それでもネタバレが多いので、隠しておきます(笑)。

次はその2です。

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『金陵十三釵 The Flowers of War』 その1

この映画、日本語吹き替えも無ければ、日本語字幕も無し。
英語、中国語(舞台が南京なんで南京の方言らしい)の台詞が殆ど。
日本語の台詞は少々。
字幕は英語、簡体字の中国語、スペイン語が在り。
それでもネタバレが多いので、隠しておきます(笑)。

では、その1から。

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『初恋のきた道』SUPERBIT版

1:
以前の私に記事→ http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-426.html

そこに書いたのが、

>7:
この映画、今絶版になってるけど(2010年5月)SUPERBIT版が出てます。観てみたいなぁ。

と言う訳でSUPERBIT版を手に入れ、観てみました。


2:
まず、
画質は変わりません(T_T)。
音質も変わりません(T_T)。

まぁ、SD規格で撮ってるんでしょうからこんなもんか(笑)。


3:
なんだDVDと変わらんじゃんと観始めても、直ぐに集中して最後迄観ました(笑)。
やはり、美しい映画です。
SD規格でも十分に美しい映像だし、
三宝(サンパオ)の音楽は美しく、映画と合い、映画の盛り上がりとも合い、強調してます。
サントラ盤有りますが、絶版(涙)。
(参考 私の記事→ http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1053.html )

気温がハッキリ分かる光と空気。
それを見事に捉えた映像。
美しい(溜息)。

黄金に輝く木は胡楊(=コトカケヤナギ、euphrates poplar 、ポプラの一種)ではなく、白樺の様です。
樹皮が白いから白樺と判断しました。
どちらにしろ、黄金に輝く黄葉の美しいこと、美しいこと(^.^)。


4:
何回観ても美しい三合屯村。

ロケ地は、最後のクレジットから判断すると河北省承徳市豊寧満族自治県(→「豊寧」は映画のクレジットだと簡体字で書かれています)の様です。
北京の北200㎞位の所。
(参考 グーグルマップ→ https://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&q=%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD+%E6%B2%B3%E5%8C%97%E7%9C%81+%E8%B1%8A%E5%AF%A7%E6%BA%80%E6%97%8F%E8%87%AA%E6%B2%BB%E7%9C%8C&ie=UTF-8&ei=2mLSUuCnLomEkwW5j4DoBg&ved=0CAoQ_AUoAg )

ただ、ネットでこの辺を調べてもこの映画の事が出て来ないんで、自信無し(笑)。


5:
そして、主人公「若き日の母」チャオ・ディを演じた章子怡(チャン・ツィイー)。
かわいい(笑)。
表情がちゃんと変化していて、大変宜しい(^.^)。

恋する乙女になってるもんなぁ。

ただ、感情が顔に出やすい人物設定の様ですから、
実際の人物なら、結婚すると感情の変化が激しくケンカが絶えないだろうなぁ(笑)。
やはりかわいいだけで選ぶと危ない(笑)。


6:
お話は、基本的に秋から冬への話。
恋の美しさを表す錦秋。
2年間会えない事を象徴する厳しい冬。
しかし、変わらぬ二人の思いと再会が有る事も暗示する厳しい冬。

40年間変わらぬ妻の夫への思い。
その思いを表す錦秋。

夫を失った母の悲しみを表す厳しい冬。
その厳しい冬でも、夫を故郷の村へ運ぶために集まった100人もの夫の教え子達。
誰一人として金を受け取らぬ教え子達。
その金が新しい校舎の建設費の一部になる。

厳しい冬の後には、晴が再びやって来ると暗示してます。

中々賢い設定です。
でも、緑葉になってるカットが有るんだなぁ(笑)。


7:
久し振りに観ましたが、やはり、いい映画。
母が父と会った時の思い、それが40年間変わらなかった事。
今回は、これにやられました(笑)。
どこの夫婦でも変わりません。
これを繰り返し、繰り返し、歴史になって行くんですなぁ。



タグ 張藝謀 チャン・イーモウ 章子怡 チャン・ツィイー 初恋のきた道



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ジャンル : 映画

『菊豆』

★簡単な紹介

○公開
1990年4月28日

○上映時間
1時間38分

○スタッフ
原作:劉恒(リウ・ホン)
脚本:劉恒(リウ・ホン)
演出:張藝謀(チャン・イーモウ)、楊鳳良(ヤン・フォンリャン)
撮影:顧長衛(クー・チャンウェイ)、楊輪(ヤン・ルン)
照明:紀建民(ジー・ジエンミン)
美術:曹久平(ツアオ・チウピン)、夏儒今(シア・ルージン)
音楽:趙李平(チャオ・チーピン)
プロデューサー:森繁、加藤博之、趙漢皋(チャオ・ハンカオ)

○出演
鞏俐(コン・リー)→菊豆(チュイトウ)
李保田(リー・パオティエン)→楊天青(ヤン・ティエンチン)
李緯(リー・ウェイ)→楊金山(ヤン・チンシャン)
張毅(チャン・イー)→楊天白(ヤン・ティエンパイ)の子供時代
鄭建(チェン・チエン)→楊天白(ヤン・ティエンパイ)の少年時代



★評

題名は「きくまめ」ではありません(笑)。
チュイトウ』です。
中国語は難しい(笑)。

これは『紅いコーリャン』を文芸坐で観た後、ロードショウ公開で観ました。
色の使い方があまりにも典型的、類型的でちとガッカリしました。
ビデオやDVDを借りたこともなく、今回観るのが2回目。
どんなもんでしょうか…


1:
あらま、記憶より遙かに面白い(^.^)。
お話は不義密通の悲しい恋物語と因果応報の一種が一つになった物。

虐待される女性を救う恋物語だから心を捉えられる映画になり、いいんです。

最後の天白(鄭建(チェン・チエン))の天青(李保田(リー・パオティエン))への行為は、日本だと考えられん脚本ですな。
日本だとこういう脚本にはならんでしょう。
その前の金山(李緯(リー・ウェイ))の出来事も事故なのかなぁ…?
それでも少年の潔癖さを表してる脚本になっていてこの点は良い。


2:
映像美に関しては、最初に観た時と変わらず、衝撃的でもないし、印象的でもありません。
でも、決して悪くありません。
「芸術的」ではなく「現実的」なんですな。
舞台を染物屋に設定しているのでそれなりの色の布を使うだけでいいんで、楽でしょう、製作側は(笑)。


3:
ロケ地は中国【安徽省(あんきしょう)黄山市(こうざんし)黟県(いけん)】だけあり、デカい、広い。
ススキなんか生え、日本に似てます。

家屋の並ぶ俯瞰ショットなんか、不思議なリズムが有り、中々美しく、張藝謀(チャン・イーモウ)らしいカットです。


4:
張藝謀の新しい作品と比べると、映像の衝撃度はかなり少なく、映画としての力、魅力は弱い。
「あっさりしている」なんて日本語が相応しい。
もう一度言いますが、いい映画です。
実質2作目の映画ですから、素晴らしい事ですよ、本当に。


5:
登場人物はほぼ3人。
だから役者も3人。

鞏俐(コン・リー)→菊豆(チュイトウ) 嫁はん
李保田(リー・パオティエン)→楊天青(ヤン・ティエンチン) 甥
李緯(リー・ウェイ)→楊金山(ヤン・チンシャン) 男尊女卑のいじめっ子(笑)

目障りな大根がいないから、いい意味で「あっさりしている」んです(^.^)。
文句有りません(^.^)。


6:
徳間書店が出資してるだけあり、スタッフに日本映画特有の「照明」が入ってます(^.^)。



タグ 張藝謀 チャン・イーモウ 鞏俐 コン・リー 菊豆 チュイトウ



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『王妃の紋章』

★簡単な紹介

○公開
2008年4月12日

○上映時間
1時間54分

○スタッフ
脚本:曹禺(カオ・ユー)、張藝謀(チャン・イーモウ)
演出:張藝謀
撮影: 趙小丁(チャオ・シャオティン)
アクション指導:程小東(トニー・チン・シウトン)
美術:霍廷霄(フォ・ティンシャオ)
衣装:奚伸文(イー・チョンマン)
音楽:梅林茂
プロデューサー: 江志強(ビル・コン)、張偉平(チャン・ウェイピン)、張藝謀

○出演
周潤發(チョウ・ユンファ)→国王
鞏俐(コン・リー)→王妃
劉燁(リウ・イエ)→皇太子、元祥(ユエン・シャン)
周杰倫(ジェイ・チョウ)→第二王子、元傑(ユエン・ジェン)
秦俊杰(チン・ジュンジエ)→第三王子、元成(ユエン・チョン)
李曼(リー・マン)→蒋嬋(ジャン・チャン)
猊大紅(ニー・ダーホン)→蒋医師
陳謹(チェン・ジン)→蒋医師の妻



★評


1:
素晴らしい映画!(^^)!。
嘘のデカさが素晴らしい。
「嘘はデカければデカい程真実味を増す」を実証する映画。

この映画の「嘘」は、セットと衣装。
制作費は日本円で50億、日本に当てはめれば物価を考えると100億でしょう(@_@;)。


2:
豪華絢爛な映像(溜息)。
豪華絢爛なセット(溜息)。

王宮の巨大さ、セットを感じさせぬ工作と工事の見事さ、王宮を飾る品々の見事さ、
そしてそこを埋め尽くす大群衆の見事さ。
感嘆の溜息が何回も出る見事さ。

安出来のCGで誤魔化す日本では決して作れません(溜息)。

ハリウッドの超大作CGアクション映画に対抗出来る映画。
どういう風に対抗するか示した見事な映画。
しかもアメリカの真似もせず、アメリカ風にもならず、大変中国的な作品になったのも見事。

そして素晴らしいのが映像に隙が無い事。
映像に関しては舞台を殆ど王宮内にして最初から最後まで観客の視線を他に逸らせぬ完璧な作り。
「完璧」と言う点に於いては黒澤明の『七人の侍』に匹敵してます。
これ程強力な映像を撮れる監督は、他にいません(溜息)。
素晴らしい、実に素晴らしい!(^^)!。


3:
豪華絢爛な映像でありながらも、この映画を観ながら思い出していたのは、
黒澤明の『蜘蛛巣城』。
(参考、私の記事→ http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-400.html )
質素で地味でやたら空間ばかり目立つセットで、この映画とは正反対の映像。
逆に考えると、『蜘蛛巣城』をカラーで撮るとこの映画になる訳です。

凄いね(溜息)。

物語は至って単純で、両方とも権力者の「義」や「孝」とは程遠い生き様。


4:
張藝謀(チャン・イーモウ)の実力の一つを見せつけた映画。
豪華絢爛な映像だけでも一本の映画を作れる事を実証した映画。
出来れば映画館の大きなスクリーンとdts-HDマスターオーディオ5.1chの音声で楽しみたい映画。

張藝謀の才能に圧倒されました。

やはり世の中には我等凡人からは計り知れぬ偉大な人物がいます。



タグ 張藝謀 チャン・イーモウ 鞏俐 コン・リー 王妃の紋章 チョウ・ユンファ



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『秋菊の物語』

★簡単な紹介

○公開
1993年6月19日

○上映時間
1時間41分

○スタッフ
原作:陳源斌(チェン・ユアンピン)、『萬家訴訟』
脚本:劉恒(リュウ・ホン)
演出:張藝謀(チャン・イーモウ)
撮影:池小寧(チー・シアオニン)、于小群(ユイ・シアオチュン)、廬宏義(リュウ・ホンイー)
美術:曹久平(ツァオ・チオウピン)
音楽:趙季平(チャオ・チーピン)
プロデューサー:馬逢国(マア・フォンクオ)

○出演
鞏俐(コン・リー)→秋菊(チュウチュイ)
雷恪生(レイ・ラオション)→村長、王善堂(ワン・シャンタン)
戈治均(コオ・チーチュン)→巡査、李(リー)
劉佩琦(リュウ・ペイチー)→秋菊の夫、萬慶來(ワン・チンライ)



★評


1:
出演に書いた4人以外はまたしても全員素人(@_@)、
と言うか、
『あの子を探して』は1997年の作だからこの映画の経験を元にして全員素人映画を作ったんだぁ…


2:
まぁ、面白いかな。
駄作では決してありません。

2-1:
中国ってまだこの映画みたいな状態なのかなぁ…
この映画が作られた中国の1992年がこういう状況だと現代の日本人にはかなり違和感が強い。
やってる事が日本人にはかなり時代遅れ。
江戸時代って感じですよ。
日本でこの物語を作ると、間違いなく時代設定は江戸時代になります。

2-2:
し、か、し、
この村長の言動を人類共通、世界共通の役人や政治家の傲慢さと捉えると、よく出来ています。
村長は決して悪い人間ではなく、自分の生活と家族が大事でそのために仕事を失う訳には行きません。
村長の言動の原因は政府からのお達し(→人口抑制策以外の)かもしれず、秋菊のダンナの件で謝らないのもそのお達しに従ってるだけかもしれません。
最後の件も政府が下級役人を助けず、トカゲのしっぽ切りで犠牲にしたのかもしれません。

決して謝罪しない村長、役人の特徴を具現化してます。

2-3:
映画の最後まで村長の謝罪を求める秋菊。
「一般庶民に出来るのは、決して諦めない事」の象徴です。


3:
季節は真冬。
終わり方を暗示している季節の設定です。
春はまだまだ遠い。

こういう終わり方の脚本、私は嫌いじゃありません。


4:
普通の農家のお母ちゃん秋菊役の鞏俐(コン・リー)、相変わらず見事です。
美貌を消してるし、強い目力も消しています。
表情の大雑把さなんか、普通のお母ちゃんそのもの。
綾瀬はるかに出来る表情ではありません。

4-1:
上着はいつも赤。
赤い唐辛子を売って都会へ行く旅費を作ります。
怒りの象徴ではなく、途切れぬ熱意、情熱の象徴ですな。

子供の1ヶ月のお祝いの時は上下共赤になり、熱い思いを注ぐ存在が出来た事を強調。


5:
出演者の殆どが素人でカメラマンを3人にして隠し撮りで撮影したとか。
これは大成功してます。
変な事、不自然な事をやってる出演者がいません。
これも見事。



タグ 張藝謀 チャン・イーモウ 鞏俐 コン・リー 秋菊の物語



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『女と銃と荒野の麺屋』

★簡単な紹介

○公開
2011年9月17日

○上映時間
1時間30分

○スタッフ
原作:『ブラッド・シンプル』(血迷宮)1984年アメリカ映画(日本公開:1987年3月7日)
脚本:史健全(シー・チェンチュアン)、徐正超(シュウ・チェンチャオ)
演出:張藝謀(チャン・イーモウ)
撮影:趙小丁(チャオ・シャオティン)
音楽:趙麟(チャオ・リン)
プロデューサー:江志強(ビル・コン)、張偉平(チャン・ウェイピン)、谷昊(グー・ハオ)

○出演
閻妮(ヤン・二―)→ワンの妻
倪大紅(ニー・ダーホン)→ワン
孫紅雷(スン・ホンレイ)→チャン
小瀋陽(シャオ・シェンヤン)→リー
程野(チェン・イエ)→ジャオ
毛毛(マオ・マオ)→チェン


★評

1:
ん~、面白くない(涙)。
喜劇だから笑いの感性が同じでなければ、全く可笑しくない。
今迄に何回も書きましたが、またしても実証。

2:
しかし、音楽が殆ど入らず静かで大変いい。

3:
また、映像は他の張藝謀(チャン・イーモウ)の映画と同じく素晴らしい。
ロケ地は光瀬龍の『東キャナル文書』やレイ・ブラッドベリの『火星年代記』の舞台になりそうな赤い砂漠。
CGで色付けしたかもしれませんが、見事なのは変わりありません。
どのカットも強力で隙が無く、私の様に話が可笑しく感じられなくても目を離せません。
特に変わった所の無い極普通のカットでも実に美しく撮らせるんです、張藝謀は。

『HERO』のロケ地も見事でしたが、この『女と銃と荒野の麺屋』のロケ地の砂漠も溜息が出る素晴らしさ。
こんな土地は日本には有るはずないし、中国の奥深さと映画の可能性がよく分かります。
これだけ多彩なロケ地が有ると日本始め他国では発想出来ない映画が生まれる可能性が物凄く大きい。
21世紀の映画をリードするのは間違い無く中国でしょう。

4:
最初の方に入る麺を伸ばすシークウェンスが素晴らしい。
芸になっていて、日本人だと発想出来ないんじゃないかなぁ…

5:
また、夜の室内の表現もいい。
日本に時代劇と全く違います。
まぁ、気候と家の作りが違うから仕方ない面も有るんですが。

電気の無い時代で満月の夜の設定にし、天井の明り取りの窓から月の光を取り入れるようにしてあるんです。
オマケに荒野の中の一軒家だから、周りが真っ暗で少々明かりが明る過ぎても不自然になりません。

中々賢い張藝謀です。

6:
全盛期の黒澤明と同じく、面白くなくても画面から目を離せない強力な映像。
張藝謀(チャン・イーモウ)、間違い無く才能が有る巨匠です。



タグ 張藝謀 チャン・イーモウ



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テーマ : 映画評価
ジャンル : 映画

『HERO』

★簡単な紹介

○公開
2003年6月13日

○上映時間
1時間39分

○スタッフ
脚本:李馮(リー・フェン)、王斌(ワン・ビン)、張藝謀(チャン・イーモウ)
演出:張藝謀(チャン・イーモウ)
撮影:クリストファー・ドイル(杜可風)
視覚効果:エレン・プーン
アクション指導:程小東(トニー・チン・シウトン)
美術:易振洲(フオ・ティン・ジャオ)、霍廷霄(イ・チャン・チャオ)
音楽:譚盾(タン・ドゥン)
ヴァイオリン:イツァーク・パールマン
太鼓:鼓童
衣装:ワダ・エミ(和田恵美)
プロデューサー:江志強(ビル・コン)、張藝謀

○出演
李連杰(ジェット・リー)→無名(ウーミン)
甄子丹(ドニー・イェン)→長空(チャンコン)
梁朝偉(トニー・レオン・チウ・ウェイ)→残剣(ツァンジェン)
張曼玉(マギー・チャン・マン・ヨク)→飛雪(フェイシエ)
章子怡(チャン・ツィイー)→如月(ルーユエ)
陳道明(チェン・タオミン)→秦王(後の始皇帝)



★評


1:
お話は単純だけど、映像が、すげー(@_@)。
流石、張藝謀(チャン・イーモウ)。
視線と心を捉える強力なカットが非常に多い。
そしてこの映画も他の映画と同じく美しい映像が非常に多い。

2:
それにしても、こんな合戦映画、日本じゃ絶対撮る場所が無い。
こういう映像を観ると、黒澤明の『影武者』と『乱』のショボさを思い出し気分が沈みます、沈みます(涙)。
セットとロケ地に嘘っぽさ皆無だから、CGとワイアーアクションの絵空事の嘘が全く気になりません。

2-1:
ロケ地は特典映像によると…

飛雪(フェイシエ)( 張曼玉(マギー・チャン))と如月(ルーユエ)(章子怡(チャン・ツィイー))が戦う黄葉の胡楊の森
(→内モンゴル西北部パダインジャラン砂漠の中のとある樹林)
(参考→ http://www.arachina.com/china-guid/desert/bdjl.html )
(→胡楊はポプラの一種)

無名(ウーミン)(李連杰(ジェット・リー))と残剣(ツァンジェン)(梁朝偉(トニー・レオン))が戦う照葉樹林帯の湖
(→四川省、成都から400㎞の九寨溝(きゅうさいこう)
(参考→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E5%AF%A8%E6%BA%9D )

秦軍が趙城に進軍する冒頭の砂漠が当金山
(→甘粛省敦煌から200㎞、海抜3,000m!)

終盤、残剣(ツァンジェン)(梁朝偉(トニー・レオン))が無名(ウーミン)(李連杰(ジェット・リー))に文字を書いて教える砂漠が風食作用で浸食された雅丹
(→敦煌から180㎞、海抜2,800m!)
(参考→ http://j.people.com.cn/94638/203144/7772529.html )

2-2:
セットで撮影したのは、

宮殿、古戦場、
無名(ウーミン)(李連杰(ジェット・リー))と長空(チャンコン)(甄子丹(ドニー・イェン))が戦う棋館
無名(ウーミン)(李連杰(ジェット・リー))が無名(ウーミン)(李連杰(ジェット・リー))と飛雪(フェイシエ)( 張曼玉(マギー・チャン))を訪ねた私塾
無名(ウーミン)(李連杰(ジェット・リー))が残剣(ツァンジェン)(梁朝偉(トニー・レオン))らに剣術を披露した蔵書館

場所は浙江省杭州から180㎞の横店(横店影視城)
(参考→HP日本語版有 http://www.tourzj.jp/hengdian/hengdian.html )

世界最大の映画撮影基地でありテーマパークだとかで、年間来場者数500万人!

3:
映像は溜息が出る美しさで、単純な物でも撮り方を工夫すればこんなに変わるのかと嘆息するカットが非常に多い。
いちいち書いていくと撮影用脚本になるので(笑)、一つだけ紹介。

終盤、無名(ウーミン)(李連杰(ジェット・リー))が秦王(後の始皇帝)(陳道明(チェン・タオミン)と宮殿内で戦うシークウェンス。
広大な内部に薄い緑の幕を巡らせ、戦う最中に幕を切り、その幕がゆっくりと落ちます。
この落ちるカットを数回に分け入れています。
シワが寄りながら落ちるんですが、これが、何と、非常に美しい。

天才ですよ、張藝謀(チャン・イーモウ)。

4:
冒頭、秦軍が弓を打ち、趙城に刺さるんですが、この時箆(=の、シャフト、軸の部分)が着弾の衝撃で振動し音がします。
この細部に手抜きをしないのを最初に聞かされ、もう、映画に夢中ですよ、私なんか(笑)。

この文字通りの無数の矢が飛んでくる演出、『蜘蛛巣城』を絶対意識してるよなぁ。

5:
役者でいいのは、如月(ルーユエ)を演じた章子怡(チャン・ツィイー)。
他の登場人物より若い設定らしく、感情が顔に出やすく、それを見事に演じてます。
表情が豊かなんです。

6:
美しく、そして強力な映像の連続。

凄い才能の持ち主です、張藝謀(溜息)。



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『サンザシの樹の下で』

★簡単な紹介

○公開
2011年7月9日

○上映時間
1時間54分

○スタッフ
原作:エイ・ミー
脚本:尹麗川(イン・リーチュヒン)
演出:張藝謀(チャン・イーモウ)
撮影:趙小丁(チャオ・シャオティン)
音楽:キガン・チェン(→ピンインから。間違っていたらご寛容を)
プロデューサー:張偉平(チャン・ウェイピン)、江志強(ビル・コン)

○出演
周冬雨(チョウ・ドンユイ)→ジンチュウ
竇驍(ショーン・ドウ)→スン
奚美娟(シー・メイチュアン)→ジンチュウの母
李雪健(リー・シュエチェン)→村長
成泰(チェン・タイシェン)→ルオ先生
孫海英(スン・ハイイン)→スンの父


★評

1:
よく有る悲恋物語だけど、まぁ、いいかな。

2:
張藝謀を全て観た訳じゃないけど、私が観た限りでは、色が他の作品と違います。
フィルムなのか、デジタル処理なのか、色が全体に薄い。
白黒作品をカラー化したみなたいな色になっています。

『古井戸』(参考→ http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-433.html )
より時代設定が10数年前になり、文化大革命と下放の最中の設定。

『古井戸』では、ある意味、極彩色の映像でしたが、この『サンザシの樹の下で』では鮮やかさを殺し、
古さを表していると解釈出来ます。

その意図は何なのでしょうか?

3:
フェルメールの絵と同じ構図の場面が多い。
画面左側下手に窓が有り、その横に机、その机に着く主人公ジンチュウ。
その他の場面でも部屋の窓の位置は同じで画面左側下手。

光が画面左側下手方面から射して来ると言う事。

3-1:
ジンチュウがスンと出逢う時、スンは画面左側下手から現れます。
3-1-1:
2人が初めて手を繋ぐ時も、
画面左側下手:スン
画面右側上手:ジンチュウ

スンがジンチュウの生活に新たな息吹を吹き込む存在であるのが分かります。

3-1-2:
2人が一つにベッドに入る時、
画面左側下手:ジンチュウ
画面右側上手:スン

まぁ、一歩進めないね(笑)。

3-1-3:
最後、別れの場面では、
画面左側下手:スン
画面右側上手:ジンチュウ

まぁ、映像の通りデス(笑)。

3-2:
もう一つ画面左側下手に現れるのが、題名にも入ってる、
サンザシ。

2人の恋愛の絆、象徴になってます。

4:
最後の場面

4-1:
スンはアキと同じ病気になるんですが、外見大違い(@_@)。
現実にはスンみたいになるんでしょうなぁ…

4-2:
スンにかんしてアキと同じなのは、天井に貼ったスンとジンチュウの写真。



人間、誰でも考えるのは同じような事なんですなぁ…

(参考、TV版『世界の中心で、愛をさけぶ』第九話→ http://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-category-62.html )

5:
さて、主人公ジンチュウを演じた周冬雨(チョウ・ドンユイ)。
アキを演じた綾瀬はるかと全然違い、演技にぎこちなさが無い(溜息)。

場面、状況に応じて素直に表情が変わるんだなぁ。

映画初出演だから、伸びるゼ、この若手!(^^)!。

もう一人巧いのがジンチュウのお母さんを演じた奚美娟(シー・メイチュアン)。
高学歴、知識職を思わせる事物を冷静に判断出来る落ち着き振りが見事。
公式サイトを見ると中国のトップレベルの女優の一人だとか。
納得の演技です。
(参考→ http://sanzashi.gaga.ne.jp/about/cast_staff.html )

6:
ロケ地は、
都会が

湖北省(Hubei フーベイ)宣昌市(Yichang イチャン(?)) 遠安県
例の三峡ダムが有る所だとか。

農村は、
湖北省宣昌市青龍村

サンザシの樹があるのは、
百里荒と言う景勝地

農村は日本とよく似てます。

7:
サンザシの樹の下で』は悪い作りじゃないし、
主人公を演じた周冬雨(チョウ・ドンユイ)も綾瀬はるかより遥かに巧い。
それでも堤幸彦監督のTV版『世界の中心で、愛をさけぶ』を観ちゃうと、
この手の悲恋物は、物足りません。


タグ 周冬雨 チョウ・ドンユイ 竇驍 ショーン・ドウ 奚美娟 シー・メイチュアン 張藝謀 チャン・イーモウ サンザシの樹の下で 綾瀬はるか


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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

『初恋のきた道/あの子を探して』サントラ盤

1:
PCとネットで便利な事の一つに絶版になった映像や音楽を再び観たり聞いたり出来る事。
例えば、
ドミニク・ヴィスがカウンターテナーを歌ったシャルパンティエの『三声のマニフィカト』は30年前にレコードは出ましたが、
その後CD化はされませんでした。
ドノヴァンが歌った『ブラザー・サン シスター・ムーン』はレコード化、CD化されたことは一度もなくマスターテープが残ってるかどうかも怪しい。
YouTubeなんかでこの二曲を検索すると直ぐに出てきます。
DVDが出ている『ブラザー・サン シスター・ムーン』はとりあえず問題有りませんが、
ヴィスの『三声のマニフィカト』のレコードはこの6年間でネット上で一回も見たことありませんでしたから、大変ありがたい。

2:
こんな感じで張藝謀(チャン・イーモウ)の『初恋のきた道』のサントラ盤もないものと思い音楽を探していると、やはり有る有る有る。
その中でDVDの動画を入れてないものが有りました。

はて、DVDの映像を付けたままそのままアップロードすれば簡単なのに、なんで音楽だけ取り出してんだ?

ん?ひょっとしてサントラ盤が有る?
直ぐにAmazonとYahoo!と楽天で調べると、なんと、有る(@_@)。
あの子を探して』の音楽が一緒に入ったサントラ盤がビクターから2000年12月16日に出てる(@_@)
メーカー品番:VICP-61232
絶対無いと信じ込み検索さえしようとしなかったからなぁ…
この3年間、私は何をしていたのでしょう?

早速中古を買いました。

3:
いいね、文句無しに凄くいい。
同じ旋律を編曲した曲ばかりで飽きが来ないし、主旋律が心に染み込む出来具合だから聞き飛ばしたい曲が有りません。
あの子を探して』の音楽もいい。
私にとって魅力的な映画音楽と言えばこの30年、
伊語の『ブラザー・サン シスター・ムーン』、『野生のエルザ』、『エデンの東』
でしたが、このサントラ盤を聞いて以来、
初恋のきた道
が赤丸急上昇中です。
映画の内容に負けない美しい、非常に美しい曲です。
興味が有る方は下記のYoutubeで聞いて下さい。
→ここ
曲名は「初恋のきた道」です。

4:
やはり思い込みはいけません(^_^;)。
今回の一件で久し振りに痛感しました。
まずはネットで検索しましょう。


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テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

『LOVERS』

★簡単な紹介

○公開
2004年8月28日

○スタッフ
原案:張藝謀(チャン・イーモウ)、李馮(リー・フェン)、大斌(ワン・ビン)
脚本:李馮(リー・フェン)、張藝謀(チャン・イーモウ)、大斌(ワン・ビン)
演出:張藝謀
撮影:趙小丁(チャオ・シャオテン)
照明:?
音楽:梅林茂
アクション監督:程小東(トニー・チン・シウトン)
衣装デザイナー:ワダエミ
プロデューサー:江志強(ビル・コン)、張藝謀

○出演
金城武→(ジン(金)/随風(スイフォン))
劉徳華(アンディ・ラウ)→(劉(リウ)
章子怡(チャン・ツィイー)→(小妹(シャオメイ)
栄丹丹(ソン・タンタン)→(牡丹坊の女将)


★評

最初から5分程のところで以前日曜洋画劇場で放送されたのを思い出しました。
放送の時は前半でなんかつまらなくて観るのを止めました。
上映時間120分ですから20分はカットされていたでしょう。
そうだと知っていても期待する気も起きずにDVDを観てみると…

1:
いやいや、これは面白い。
なんかかなり金を掛けて作ったのが分かる映画です(→いい意味です)。
ワイアアクションを大変丁寧に、キレイにコンピュータで仕上げてあります。
それに時代設定を大昔の唐の時代にして巧いこと現実感を薄め、誤魔化すのに成功してます。
人間が有り得ない動きをしても嘘を感じにくいんです。
仙人指路を小妹(チャン・ツィイー)が舞う場面は違和感が有りますが(→「こんな事、出来るはずねーよ」)、
小妹と随風(金城武)が逃げ林の中で戦う場面で有り得ない動きの出来の良さに感心し始め、
竹林の中の戦いの場面では画面に釘付けです。

2:
そして、張藝謀らしく、この映画も映像が美しい。
黄葉の林、竹林、紅葉の山々を背景にした平原、白い樹皮の木々、地面を埋め尽くす落葉、
等々見事なロケ地とその美しさを余す所無く捉えた撮影の趙小丁。
もう一つ美しいのが衣装。
特に冒頭の牡丹坊の内装とその内装に負けぬ女性達の衣装の美しさ、
というか内装と衣装を合わせてあり大変美しい。
張藝謀が撮影した『古井戸』の人民服と同じ位美しい。

ハリウッドが自慢し続けた「豪華絢爛」を初めて凌駕したのではないでしょうか?

3:
画面構成は意外と単純です。
『羅生門』や『蜘蛛巣城』と同じく林の中では、登場人物は迷います。
「疑問符の木々に満ちた林」を抜け、平原に出ると物事がハッキリします。
随風、小妹、劉(アンディ・ラウ)の恋の行方がハッキリする最後の場面も舞台は平原。
また季節は秋に設定してありますから、最後の場面を観なくても厳しい寒さの冬に向かいますから、明るい終わり方をしないのは想像つきます。

4:
曽利文彦監督+綾瀬はるかの『ICHI』は、どう考えてもこの映画から生まれたに違いありません。
盲目の女剣豪という設定は同じですが、主演女優の演技力の差は違い過ぎ。
チャン・ツィイーの表情の細かなこと、また綾瀬が勝てない女優が…(溜め息)


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最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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