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『特別展 光琳と乾山ー芸術家兄弟・響き合う美意識ー』

★簡単な紹介

2018年4月14日(土)~5月13日(日)

根津美術館


★評


1:
これも、良かった(^.^)。


2:
光琳は当然としても、乾山の筆の巧さに息を飲みました。

2-1:
乾山は以前、

『仁清・乾山と京の工芸 - 風雅のうつわ』
2014年10月25日(土)~12月21日(日)
出光美術館東京
(参考、私の記事→https://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-1979.html)

で、見ているんですが、当時は心に響くもの、無し。

同じ陶工で青木木米が絵も描いていて出来の良さに驚いたのも出光美術館でした。
(参考、私の記事→https://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-2217.html)

だから、乾山も同じ陶工なんだから、絵が巧くてもおかしくありません。

2-2:
今回だと、まず、2幅の絵。

作品番号:62
「桜に春草図」
東京国立博物館

作品番号:63
「紅葉に菊流水図」
東京国立博物館

に、ビックリ。
巧い、当然だけど(笑)。

2-3:
次に本職の焼き物、

作品番号:41
「銹絵染付金彩薄文蓋物」
サントリー美術館
重要文化財

このススキの描写に驚きました。
陶磁器の絵はどうしても「バフ垂」みたいに甘くなりがちなんですが、
これは、その手の甘さ一切無し。
非常にキリっとしてます。
ススキの鋭さ、人の指を切る縁の鋭さがあります。
しゅっと描けば誰でも描けそうですが、無理(笑)。
美術の時間以外に絵を描いたことがあれば、誰でも分かります。

個人的には、こんなに巧い絵付けを見たのは今回、乾山が初めて。
驚き、興奮して一つづつ見ると、凄い、凄い(笑)。

2-3:
特に印象的だったのは、

作品番号:22
「色絵定家詠十二ヵ月和歌花鳥図角皿」
MOA美術館

作品名の通り十二ヵ月12枚組。
角皿の見込みに藤原定家の歌の絵を描いています。
巧い、当然(笑)。
非常にお洒落。
大きくないんで、欲しい(笑)。

作品番号:44
「銹絵染付絵替筒向付」
湯木美術館

10客組。
これは、今だと小さ目の湯飲み茶碗。
こんな素晴らしい絵付の湯飲み茶碗見た事無し。
非常にお洒落。
これも、欲しい(笑)。


3:
光琳も、悪いはずありません(笑)。

作品番号:1
「秋草図屏風」
尾形光琳
重要美術品
サントリー美術館

作品番号:2
「燕子花図屏風」
国宝
根津美術館

作品番号:3
「夏草図屏風」
根津美術館

最初にこの3作。
美しい。
穏やかな雰囲気。
それでも、「燕子花図屏風」のリズム感、「動き」と言うよりは「流れ」は別格。
素晴らしい。


4:
まぁ、好きな絵師なんで、以前にも書いているんで、この程度しか書く事無し(笑)。
連休中に行ったんですが、中々の人出。
でも、作品が見にくくなる程の人出ではなし。
根津カフェは相変わらずの人気で待ち行列があり、今回もパス。
庭園のカキツバタは満開を少し過ぎた位。
好天にも恵まれ、木洩れ日を楽しみながら庭園をそぞろ歩き、気分最高(^.^)。

乾山の実力も分かり、大変楽しく、最高でした。
もう閉幕まで間近ですが、お勧めです。








タグ 尾形光琳 尾形乾山






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『江戸の琳派芸術』

★簡単な紹介

2017年9月16日(土)~11月5日(日)

出光美術館

HP→http://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/


久し振りに出光美術館へ、


1:
酒井抱一鈴木其一に代表される江戸琳派。
好きだから悪いはずありません(笑)。


2:
江戸の琳派と言う事ですが、酒井抱一の作品の方が多く、全36点中17点。
鈴木其一が11点。
改めて見ると、酒井抱一の作には気品があり、上品です。


3:
今回展示された作品の中で、最も気品に満ちていたのは、

作品番号:30
「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」
出光美術館

昨年2016年、出光美術館開館50周年『美の祝典 III 江戸絵画の華やぎ』で初めて見てビックリした屏風。
派手な色、色使いとは無縁でありながらも、華やぎ、同時に、上品さも忘れていない逸品。
欧米でこの様な色使いの絵を描ける絵師はいるでしょうか?
私が見た絵師のなかではフェルメール、カラヴァッジョ、ラ・トゥールが描けそうですが、無理だろうなぁ。
自己顕示欲や主張が強い欧米人には、自分を抑え対象や題材を引き出す事は非常に難しいのでは?

今回改めて見ると、左隻右端に描かれたひまわり(のハズ。日本には1600年代に伝来)。
12扇に描かれた花の中で、背景との色、彩度の差が最も小さいにもかかわらず、非常に目立ち、飛び出す様な立体感があります(@_@)。
正に夏、生物が成長する夏を象徴しています。

視線と心を釘付けにする絵で、気品と華やぎに満ち、
日本を代表する絵画であり、人類美術史上に残る傑作です。

よく見ると華やぎと上品を生み出す技の一つがたらし込みだと分かってきました。
そのたらし込みの効果がよく分かるのが、次の、


4:
「第4章 <琳派>を結ぶ花 - 立葵図にみる流派の系譜」
酒井抱一の絵画力を計らずも示したのが、立葵図です。

立葵を題材にした絵が4点

作品番号:25
「芙蓉図屏風」
尾形光琳

作品番号:26
「立葵図」
尾形乾山

作品番号:27
「立葵図」
酒井抱一

作品番号:28
「立葵図」
酒井抱一

作品番号:29
「立葵図」
鈴木其一

3人が描いた立葵が揃いました。
尾形兄弟の作は伝になっています。


抜群なのが、酒井抱一です。
まず、尾形乾山は陶芸家が本職なので論外。
描写力も稚拙だし、色使いも素人っぽい。
光琳は地味過ぎ。
其一は、描写力では抱一と同等。
写実的に細密描写し、鮮やかな色使いです。
美しい一流の絵です。

しかし、酒井抱一はその上を行っています。
茎と葉、蕾に褐色を使いたらし込みで描き、花に胡粉を使い際立ています。
全体の色数を減らし、花とそれ以外の物の対比を強め、花の美しさを強調しています。
絵具の鮮やかさに頼らずに花の華やぎを表現しているのです。
地味な褐色を地味のままにさせないのが、琳派独特の「たらし込み」。

今回気付いたのが、たらし込みが生み出す自然の、無意識の滲みに動きやリズムが生まれる事です。
この効果が大きいのが、

作品番号:2
「風神雷神図屏風」
の雲ではなく、

作品番号:3
「八ッ橋図屏風」
の八ッ橋。

風神様と雷神様の乗り物の雲にはどうも、動きが生れていません。
八ッ橋には動きが生れ、カキツバタのリズム感と合成され視線と心を釘付けにしています。

さてさて、話を立葵に戻し、
地味で視線を捉える事もない褐色ですが、
たらし込みによって静かな動きが生れ停滞感を払拭し、色に新たな力を与えました。
目立たないけれど、動きがあるので視線を捉えているんです。
大きくもなければ速く動いている訳ではありません。
極控えめに僅かですが、ハッキリと動き上品さを主張しているのです。
小さいけれど、ハッキリと声を上げているんです。
鈴木其一の立葵図は色で描写し、このたらし込みがありません。

立葵は鑑賞用だけの花ではなく、花弁や根に薬効があります。
医療と言う「困った時の神頼み」型の目立ちませんが重要な事を表わすには褐色の様な色が相応しい。
目と心に楽しい花だけではなく、薬にもなることを褐色のたらし込みで表現したのではないでしょうか?

酒井抱一の「立葵図」2点は一流ではなく、超一流です(^.^)。
実に素晴らしい絵です(^.^)。


5:
とても素晴らしかった(^.^)。
池田学、前原冬樹、稲崎栄利子などと言う荒れ果て枯渇した想像力の芸術家の作品を見た後だったので、
心に染み入る快感を味わいました。





タグ 酒井抱一 鈴木其一 尾形光琳 尾形乾山





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『茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術』

★簡単な紹介

京都国立近代美術館
2016年12月17日(土)~2017年2月12日(日)

東京国立近代美術館
2017年3月14日(火)~5月21日(日)

HP→http://raku2016-17.jp/

樂家HP→http://www.raku-yaki.or.jp/index.html


○前口上
去年2016年、安田靫彦の回顧展を見に来た時には記憶に残らなかったんですが、
ここのトイレも大理石の内装じゃん(@_@)。

建物は改修、耐震強化されてますが、元はあのブリジストン美術館を作った石橋正二郎が金出したんじゃないの(@_@)。
「石橋正二郎」の名前が東京国立近代美術館のHPには載ってないゾ(怒)。
ブリジストンの創業者の石橋正二郎が日本の文化と芸術に多大な貢献をしている事実をなぜ無視するんだ?(怒)。

正二郎の長女安子が鳩山威一郎と結婚し、孫が鳩山由紀夫だから自民党に「忖度」してんじゃないだろうね(怒)?

まぁ、ムカつく事はあれど、この展覧会自体は良かった(^.^)。

さて、この展覧会に行きたくなったのは、NHK Eテレの日曜美術館
「利休の志を受け継ぐ 樂家450年 茶碗の宇宙」
(2017年1月15日(日) 放送分HP→http://www4.nhk.or.jp/nichibi/x/2017-01-15/31/29276/1902708/)
を見て、興味を覚えたからです。
そして、先週の東京国立博物館、平成館の
『特別展「茶の湯」 日本の美、茶の名品ずらり』
が大変良かったからなぁ(^.^)。


1:
まんず驚いたのは、樂家は、本阿弥光悦尾形光琳尾形乾山と血縁なんじゃん(@_@)。
(参考、樂家家系図→http://www.raku-yaki.or.jp/history/genealogy.html)

直系ではありませんが、美意識の遺伝子の破片が受け継がれているのは間違いありません。
と言っても、その血が入ってくるのが第五代宗入が養子として入った時。
宗入は光琳と乾山の従兄弟なんだね。


2:
やはり、一代長次郎の作が印象強い、存在感が強い、力強い、「力」があります。
単純な形と色、ハッキリ残る指の跡(→指紋じゃありません)、釉薬が作る想像力を刺激する模様。

焼き物、、陶磁器に関しては入門、入り口、スタートラインに辿り着いたばかりですが、
「こりゃただもんじゃないゾ」と思わせる雰囲気が漂っているのは分かりました。
この雰囲気が一番強かったのが一代長次郎でした。

抹茶を引き立てる事を第一に考えるのが侘び茶なら、色形はこうなるでしょう。
天目茶碗も悪くないでしょうが、単純に引き立てる事だけを考えれば、樂焼きでしょね。

東京国立博物館、平成館でやった様に、腰を落し口が水平になる高さで見ると、
まぁ当然ですが、バランスがいい(笑)。

見込みを見ると、釉薬が掛かってないのか、艶がありません。
茶筅で傷ついた様でもありません。
ん?????
艶が無い?
はて、そう言えばいつも使ってる湯呑、あれも見込みは艶が無い。
????
「!」
ずっと使ってるからじゃん(@_@)。
ここに展示されている長次郎作の逸品の数々、使い続けたから見込みに艶が無い(@_@)。

茶碗は実用品だから長次郎作と言えども、使わなければその価値の半分しか分からんからねぇ…



3:
次は、順番も影響していると思いますが(笑)、三代道入ですな。
肉厚が薄くなり、油滴風の砂子などもやり、少々華やかになりました。

長次郎もいいけど、道入の華やぎもいいんですよ。

腰を落として見ると、相似形、左右対称、バランスがいい。


4:
その次は、九代了入
八代までと違い、箆使いを駆使。
これが、また、力強く、いいんだなぁ。
力強さと言う点では、初代長次郎に初めて匹敵したのではないでしょうか?

バランス?
はい、当然いい(笑)。


5:
十五代吉左衛門。
現在の樂家当主。

ちょっと力み過ぎなんじゃないでしょうか?
まだまだ分かった風なことを言える程見ていない私CYPRESSですが、
どうも力みを感じます。

例えば、

開きかけの蕾をモチーフにしていると思われる作品、
展示番号:79
「赤樂茶碗 銘 野桃」
2013年
樂美術館

展示番号:80
「皪釉(れきゆう)樂茶碗 銘 梨花」
1998年
樂美術館
は、正対する花弁の位置にズレが無いバランスの良さ。
全体の作りも崩れていません、当然ですが(笑)。

それでも、実際に使うとなると、少々使いにくい、
飲みにくいじゃないでしょうか?

また、多数展示された箆使いを強調した焼貫の芸術的な作品は、
イマイチ技を使いこなれていない雰囲気が強い。

ただ、何かキッカケがあれば一気に才能が開花しそうな気がします。


6:
本阿弥光悦の茶碗も6口展示されました。

が、樂家代々の名工と比べると、作りが甘くないかい?
何かねぇ、バフだれ、って感じで、鋭さが無いし、キリっとしてないんです。
椀の一番下、底の高台がシッカリ作られてなく、だらっとしてるんです。

樂家代々の名工の茶碗は、十五代吉左衛門も含め、高台に弱さが無く力強く、
茶碗の胴をシッカリ受け止めているんです。

光悦、美意識と絵心は優れていたのは間違いないですが、
指先には芸術家と職人の神経が通ってなかった様ですな。


7:
まとめ
450年続く樂家。
代々の精進と努力が分かります。
それぞれ個性的で見ていて飽きる事がなく、大変好ましい。

残念な事は今回も同じ、手に出来ん事(笑)。
根津嘉一郎、出光佐三並みのお金持ちにならん限りは…(笑)。

絵と違い、全体を見ようとすると、爪先立ちになり見込みを上から見たり、
腰を落として側面から全体のバランスを見たりとか、
色々大変でありんす(笑)。
手に取れたらこんな面倒臭い事やらんでも、ジックリ見られるのになぁ。

他の茶碗も見たい(^.^)。
出光美術館でもやってるから、行くゾ(^.^)。



後口上
コレクション展も見たけど、ここは何でもあるなぁ(笑)。

1:
藤田嗣治
「アッツ島玉砕」
「サイパン島同胞臣節を全うす」
なんて、戦争画まであった(@_@)。

まぁ、どうってことない絵です。
好き好んで描いたとは思えん絵。
どうせこんな絵を注文する役人、軍人は、絵心や美意識なんか皆無の無粋人なんだから、
とテキトーに、いーかげんに描いたのは歴然。
そう、戦争賛成公務員を馬鹿にして描いたんです。
そうとは分からん公務員、役人、軍人達。

2:
長谷川潔のメゾチントの銅版画。
去年2016年町田の版画美術館で見た長谷川潔。
ここにもあるんだぁ…(溜息)。


3:
植田正治の写真。
ルネ・マグリット風の写真のアレ。
マグリットより全然いいアレ。
アレもあるんですよ、ここは(笑)。


4:
長谷川利行の「カフェ・パウリスタ
「開運!なんでも鑑定団」2009年2月24日(火)で放送された「カフェ・パウリスタ」がここにあった(@_@)。
やはり、ここにはなんでもある(笑)。


5:
加山又造
「春秋波濤」
参考→http://kanshokyoiku.jp/keymap/momat15.html

この絵は凄かった。
時間は夜、満月。
紅葉の山、満開の桜花の山、金色の松の山、それらの間を流れる大潮流。
三山の表現はマンガ的で可愛さがあり、完全に平面。
平面がこれまたマンガ的。
それらの間を流れる大潮流は単なる銀色の細い線が多数。
ところが、この大潮流が曲者、恐ろしい程効果的。
この大潮流のおかげで絵に、突然、唐突に、空間感覚が生れている(@_@)。
とんでもない奥行き感がある。

こんな一見平面的で下手糞風でありながら、長谷川等伯の「松林図屏風」並の奥行き感、
空間感覚がある絵を描けるとは…(溜息)。
こんな絵、見たこと、ありません。

どうすればこの空間感覚を描けるのでしょう(溜息)?

何なんだ、この絵師、加山又造
凄い才能の絵師です。

加山又造の大回顧展、熱烈希望!!!!!





タグ 樂家 道入 長次郎 了入 本阿弥光悦 尾形光琳 尾形乾山 加山又造 長谷川利行 カフェ・パウリスタ





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CYPRESS

Author:CYPRESS
最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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