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『尾形光琳300年忌記念特別展 燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密』後期展

★簡単な紹介
根津美術館
2015年4月18日(土)~5月17日(日)
(展示替えがあるので、
前期:4月18日(土)~5月3日(日)
後期:5月4日(月)~5月17日(日))

HP→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html


1:
行ってきました。
連休中と言う事もあり、午前10:30頃にもかかわらず入場券購入待ち行列、美術館前の歩道にまで続く始末(@_@)。
でも、スムーズに進み10分程で支払完了、入場。

そして、根津カフェ。
午前11:00過ぎには早くも席待ち行列(溜息)。
今回もお昼を出来ませんでした(溜息)。

根津美術館でこの季節と言えば、カキツバタ。
HPを見て頂ければ分かる通り5月5日(火)、満開でした(^.^)。
その代り、藤は終わっていて残念。
あの芳香の中でカキツバタを満喫したかったのですが。
それでも今年もカキツバタは美しく、光琳の燕子花図屏風も負けていませんでした(^.^)。


2:
展示作品

2-1:
展示番号14:扇面散貼付屏風 左隻
俵谷宗達

今回はこれを見たかった。
前回の右隻同様、こっちも素晴らしかった。

マックス・エルンストがフロッタージュで描いた様な雰囲気を漂わせています。

「草花を金泥で描き、その上に扇を貼る」、
その非現実感、日常では想像出来ない美しさ、ただただ圧倒され息を呑むのみであります。
こういう絵を作ろうと思う発想がこの上なく素晴らしい。

全体に経年による汚れ、くすみ、絵具や金箔の剥落が多い印象ですが、
近付いてよく見るとそうではありません。
剥離ではなく金泥銀泥で描いたためだと分かります。

ただ展示室2はこの絵を見るには少々狭く、これが欠点でした。
展示していた場所が展示室1から来ると最初の場所になり、
ここに展示される物の説明の垂れ幕がありそれを読む人がいて人の流れが止まり混雑しやすレイアウトになってしまいました。

2-2:
展示番号1:四季草花図屏風
尾形光琳

この絵は意外と手早く作った雰囲気があります。
草花の配置が大体この辺だろうと決め、後は白い花と赤い花を各扇にいれてバランスを取り、
全体のリズム感と空間処理をしたのではないかと思えます。

2-3:
展示番号8:夏草図屏風
尾形光琳

この絵はリズム感ではなく、心地良い穏やかな流れを作ってますね。
右上の真ん中辺りから左下へと向かう緩やかな流れです。

2-4:
展示番号7:孔雀立葵図屏風
尾形光琳

左隻の立葵は垂直線の連なりで安定させています。
よく分からないのが右隻の孔雀。
なんで孔雀を描いたのか、納得出来る答を考え出せず。
具象と抽象の対立、対比の美を面白さ、こんなところでしょう。

2-5:
展示番号5:燕子花図屏風
尾形光琳

はい、何回見てもお見事、いい絵です(笑)。
カキツバタを完全に意匠化し、しかもたったの2色。
これは間違い無くかなり工夫し、頭を使って描いたのに間違いありません。
そうでないと単調になりつまらない絵になってしまいます。
「四季草花図屏風」や「夏草図屏風」とは違います。

2-6:
展示番号6:紅白梅図屏風
尾形光琳

改めて見ると、まぁ、当然ですが、スゲーや(笑)。
左右の梅の木と花が互いに存在感の強さで打ち消し合って平衡させてます。
左隻の梅は幹を殆ど描かず、視線を左側画面外へ誘導しその大きさを見てる人間に想像させ、
頭の中でバランスを取らせてるんです。

ひょっとすると、
神社にある一対の狛犬や東大寺南大門でお馴染み一対の金剛力士像が心の隅にあったのかもしれません。

力対力の大技でバランスを取っています。

そして、かなり「遊び」、つまり自由な心や感性、発想で描いています。
水の表現と画面の中の位置を見れば一目瞭然です。
今回の展覧会の宗達の「扇面散貼付屏風」が完全に写実描写と現実の下で描いているのと好対照ですし、
全体の構成で「燕子花図屏風」よりも抽象化、意匠化が進んでいます。
出来れば宗達の「扇面散貼付屏風」を隣に展示出来れば比較しやすく、見てる人間はもっと楽しめたと思います。

さて、
光琳はこの絵を描く前、下絵や習作を作り入念に考え準備したのでしょうか?
それとも、
モーツァルトの様に頭の中で完成形が全て出来ていて、それを画才と感性、各種感覚に任せて迷いや躊躇無く描いたのでしょうか?
今回の展覧会で光琳の他の絵と見比べると、モーツァルト風に一気呵成に描いた様な感じが伝わってきます。
隣の展示された「燕子花図屏風」の持つ計算され尽した感じとはかなり違うのです。
こういうモーツァルト型とも言うべき事が出来たとしたら、それは勿論今迄の画業、経験があったためです。

もし光琳が、
モーツァルトの様に下書きも無く頭の中で全て完成しそれを憑りつかれた様に、同時に冷静極まりなく描いたとしたら、
恐るべき能力の絵師です。


3:
この様に人類の至宝と美しい庭園を今回も満喫しました(^.^)。

それよりも、
今回気付いた事があります。
金箔、金泥を使う意味。
豪華さ、絢爛さのためだけでないのが分かりました。
今回展示された絵画は殆どが植物を描いています。
墨で輪郭線を描いていないのに、どれもが際立っています。
そう、金箔を背景に使うと植物が際立つのです。
金箔は土の色の薄い色、明るい色でもあり植物の背景として、文字通り、「不自然」ではないのです。
大変写実的表現でもある訳です。

植物画の背景に金箔を使うのは、日本での金の産出量が多いのが理由にあるでしょうが、
やはり、古より山川草木、花鳥風月に親しみ愛でる習慣と感性があり、
影響したのは間違いありません。
土と植物は、自然科学だけでなく、芸術や人間の感性にとっても相性が悪いはずがありません。
植物と金箔の組み合わせは絵として不自然な点が無いのです。
この点を光琳等は気が付いていたに違いありません。

改めて光琳初め日本の絵師の底知れぬ実力に圧倒され、心動かされました(@_@)。


大変素晴らしい経験をした一日でした(^.^)。




タグ 尾形光琳 燕子花図屏風 紅白梅図屏風 俵谷宗達 扇面散貼付屏風



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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

『尾形光琳300年忌記念特別展 燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密』前期展

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根津美術館
2015年4月18日(土)~5月17日(日)
(展示替えがあるので、
前期:4月18日(土)~5月3日(日)
後期:5月4日(月)~5月17日(日))

HP→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html


1:
1年振りに根津美術館へ。

今回も地下鉄表参道駅から歩いて行ったのですが、国道413号(=みゆき通り)の歩道の狭さには閉口(溜息)。
歩行者の多いこと、多いこと。
歩行者の量と歩道の大きさが全く合っていません。
原宿の駅から表参道交差点までは歩道の広さは広いのですが、そこから先の狭さ、非常に不快、不愉快。
何とか拡幅出来んのかね?

オマケに帰りは光琳と俵谷宗達の素晴らしさに日常感覚が麻痺し、原宿駅まで歩いたアホさ加減(笑)。
ポール・スチュワートとかラルフ・ローレンとか寄り道していっても、人出の多さは変わらず。
原宿、青山の人気にウンザリしながら改めて納得したアホでした(笑)。


2:
とは言っても、お昼前に根津美術館自体の人出は入場券待ち行列10人程で安心(^.^)。
帰りは1時半頃でしたが、20人位でそれ程混んでいませんでした。

この季節の根津美術館庭園の呼び物カキツバタは1分咲きと言った程度(4月25日(土))。
それでも心地良い風が吹き渡る庭園をそぞろ歩くのは都会とは思えぬ贅沢な時間でした。
庭園の美しさと心地良さは1年前と変わらず、ま、当然ですナ(笑)。

今回は敷地内の根津カフェでお昼にしようかと思っていたのですが、
お昼前には既に席待ち行列が出来ていて諦めました。


3:
展示作品

3-1:
展示番号6:紅白梅図屏風
尾形光琳

参考、MOA美術館のHPから→http://www.moaart.or.jp/collection/japanese-paintings54/

今回の目玉がこれでしょう。
わざわざ熱海まで見に行く気力が無いので、今回の展示は非常にありがたい。

静かな絵です。
非常に上品な絵です。
圓山應擧の『藤花図屏風』の様な強力な魅力を持った作品ではありませんが、
かなり目立ち視線と関心を捉える絵です。
その理由は中央の水流。
流れの波紋の表現が意標をついています。
派手と言うのではなく、関心と美しいものを求める心の本能的な傾向を捉える絵です。
意匠化、デザイン化、これが大変素晴らしい。
更に色がいい。
他に類を見ない個性的、斬新な意匠を用いたので色で主張する必要がありません。
色は黒と茶(でいいのかな?)。
これ、ルイ・ヴィトンのモノグラムと同じ色使いと構成じゃん(@_@)。
模様は19世紀末、日本の家紋から考え付いたらしいですが、色はどうなのでしょう?
まぁ、人間だから同じ様な物を考え付いたのでしょう。

そして左右の紅白梅。
たらし込みによる幹と枝の表現は抽象的、意匠的ですが写実の範囲を超えていません。
この点は実に見事。
光琳はじめ琳派はこの手の幹に緑青で苔を加えるんですが、これが中々現実感がありいいんです。
近付いて右隻の紅梅をよく見ると、おや、根本から上、真ん中位までは人の両脚と下半身の様な形。
光琳が意識的に描いたかどうかは、当然ながら不明。
左隻の幹は大部分を描かず、画面左側の外へと視線を流し、画面上から枝を下へ向かわせ視線を画面内へ戻します。
それから枝は再び上へ向かい、右へと流れます。
この視線の誘導は、それ程強くなく、あまり意識しているとは思えません。
それだけ中央の流れの描写が強いからです。
次は梅の花。
白と紅。
この左右の屏風の中で色らしい色と言えるのは梅の花の色だけです。
これも目立ち過ぎることもなく、花がもつ美しさを伝えます。

全体は300年の年月を経て、間違い無く出来た当時より鮮やかさが減っているはずです。
金箔の反射が減り巧い具合に派手さが消され、落ち着きが300年前より出ているのではないかと思います。
そして写実表現の範囲内での意匠化の巧さ、その頂点に立つ作品に間違いありません。
写実の範囲内で光琳が思う存分遊んだ作品、と言ってもいいでしょう。
「光琳デザイン」の頂点の一つです。

一つ気になるのは、近付くと分かるのですが痛みが目立ちます。
左隻下部、流れに絵具の剥落が目立ちます。
何とか修復して欲しいものです。

3-2:
展示番号5:燕子花図屏風
尾形光琳

参考、根津美術館のHPから→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=10301

独特のリズム感があり、目に楽しい絵です。
意匠化や遊び心と言った点では、この絵ではあまり意図してないのは間違いないと思います。
花の群青と葉の緑青だけでも視線を奪う美しさ、それを堪能するための作品だと思います。

3-3:
展示番号14:扇面散貼付屏風
俵谷宗達

参考→http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=viewphoto&id=635&c=4

これには、驚きました。
秋草を中心にした風景画とも言える絵を描き、その上に、何と、扇を10も描いているのです(@_@)。
それを写実表現で描写。
シュールレアリズムの如き絵画。
扇屋の広告と言われても、誰も違うとは言わんでしょう。

こんな絵、描く人がいるんだぁ、と圧倒されました(笑)。

この絵には二つの物が、それも二律背反が存在しています。
現実感と非現実感。
日常と非日常。
写実と抽象。
対比の美と面白さ。
対比に魅力に満ち溢れた絵です。
素晴らしい絵です。
これも西洋美術を笑い飛ばす絵です。

宗達の才能にやられました(笑)。
絵画と芸術の広さ、深さに圧倒されました(^.^)。

今回展示されたのは、右隻だけで、
左隻は5月4日(月)~5月17日(日)に展示されるとか。
絶対もう一度見に行きますゾ。

俵谷宗達、スゲー絵師です。
発想力とか感性が並の絵師とは違います。


4:
こんな感じで満足した展覧会でした。
そして俵谷宗達の「扇面散貼付屏風」の左隻、光琳の「孔雀立葵図屏風」が5月4日(月)から展示されるので、
もう一度絶対行くゾ(笑)。



タグ 尾形光琳 燕子花図屏風 紅白梅図屏風 俵谷宗達 扇面散貼付屏風




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Author:CYPRESS
最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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