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『麗しき故郷「台湾」に捧ぐ - 立石鐡臣展』

★簡単な紹介

2016年5月21日(土)~7月3日(日)

府中市美術館

HP→https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/tateishitetsuomi.html


高野野十郎で立石鐡臣画伯を思い出し、去年2015年の泰明画廊での回顧展を見逃し、
今後10年は本物を見る機会は無いよなぁ…
とガッカリしていましたが、
朝日の夕刊2016年6月7日(火)の美術面を見てビックリ(@_@)。
何と、
立石鐡臣
の太文字がある(@_@)。
場所は府中市美術館だと。
ち、近い(笑)。
早速行ってきました。

まずは、新宿駅でJRから京王線に乗り換え。
中央口の京王線専用乗り換え口へ向かうと、通路で驚きました(@_@)。
何と、両側の壁に貼ってあるポスターが全て、全てですよ、美術展のポスター(@_@)。
こんな公共の場で美術展のポスターだけしか貼ってない所、今迄通ったことありません。
何やら幸先良い予感(^.^)。

京王線に乗って、府中駅か東府中駅へ。
地図を見ると大した距離じゃないので、どちらの駅から行くにしろ徒歩で行く事に決定。
特急だと府中駅は新宿駅から3駅目。
特急だと少し時間があるので橋本行き準特急に乗る。
小田急と違い、京王線を乗るのは今迄生きて来て、え~と、5回目位。
ウォークマンで最近買ったバッハの教会カンタータの全集を聞いていると、調布駅に到着。
何か乗り換えがどうのこうの言ってたけど、大丈夫だろうとそのまま乗り続ける。
ふと気が付くと、明らかに多摩川らしき鉄橋を渡る。
「?」
路線図を見ると、おやまぁ、間違えた(笑)。
調布駅で八王子か高尾山口方面へ乗り換えねばいけなかったのだ(笑)。
次の停車駅の京王稲田堤駅で降り、上りに乗り換え再び調布駅を目指す。
調布駅で急行に乗り府中駅へ向かう。
次の停車駅は東府中駅。
どうせ遅れたから一つ手前の東府中駅から行く事に変更。
そして東府中駅へ降り立ったのである(笑)。

東府中駅で降りたのは大正解でした(^.^)。

東府中駅から府中市美術館への道は予想外の美しさ(^.^)。
「平和通り」を進み、航空自衛隊府中基地で左折、少々進み右折、更に少し前進。
ここがず~っと並木道。
オマケに梅雨の最中なのに気温がそれ程高くなく、肌に心地いい微風も吹き大変気持ちいい(^.^)。
府中基地までがイチョウ。
府中基地の横からはケヤキ。
これが大きな木ばかりで、緑が美しく、堪りません(笑)。
残念ながらグーグルのストリートビューは真冬の景色で超殺風景。
そして府中市美術館がある都立府中の森公園に入ると、今迄の立派な並木道が続いている様な林間公園(^.^)。
ここも実に美しい(^.^)。
更に、美術館へ続く公園の中央の通りはこれまた大木の桜並木(^.^)。
桜のtree canopies、木の天蓋が続いてます(^.^)。
花見の季節は堪らん美しさでしょう(^.^)。

最寄駅から美術館の入り口出口までが、これ程美しい美術館は他にあるでしょうか?
東京都心の美術館だと館までの人出の多さに辟易しいつも早歩きですが、
ここでは人も少なく木々を愛でるために自然とそぞろ歩きになります。
しかも、歩道も十分広く安心して余所見しながら歩けます(笑)。

こりゃ乗り越した分以上に(笑)、幸先が非常に宜しい(^.^)。

ところで、
私が立石鐡臣画伯を知ったのは、画伯が御存命中だったのでどうも呼び捨てにするのは気が引けます。
だから「画伯」を付けないと敬意を払ってない様で申し訳ない。


1:
下手の横好きで絵を描いていた頃に買った教科書「アトリエ 細密画の描き方」(1974年4月号、通巻566号)を書いた
立石鐡臣画伯。

この「アトリエ」を読んだ時、こんな絵絶対描けないよなぁ…、と思ったのを覚えてます。
それでも、思い出と思い入れがあるので、ヨイショの記事しか書けません(笑)。


2:
「アトリエ 細密画の描き方」(1974年4月号、通巻566号)に載った作品

2-1:
P,49のカラスウリ(白黒)
(図録:P,32)

日本画です。
題名は無く、日付が
大正十年十一月廿五日 廿六日 廿七日
と書いてあります。

「アトリエ」の図版は白黒だったので、実物は紙本彩色。
予想より色が濃く、強い。

2-2:
P,50のクモマツマキチョウ(白黒)
(図録:P,148)

今回の回顧展では、
「くもまつまきてふ」
と旧仮名遣いの平仮名になっています。
この蝶を知らないので、実物を見た時はただこんな色だったんだぁ、と感心するのみ(笑)。

2-3:
P,28のギフチョウ(白黒)
(図録:P,115)

回顧展へ行く前に「アトリエ」を見直したので、一目で「あ、あれだな」と分かりました。
昆虫と植物の細密画は染みが出ている物が少なくないのですが、これは殆ど出ていません。
思い入れのある作品に状態がいいので、ちょっと嬉しい(^.^)。


3:
1920年代から1930年代の油彩

あ~、フォーヴィズムだね。
こういうタッチ、好きなんですよ(笑)。

鐡臣画伯、器用なのが分かります。
例えば、この時代だと、
筆致を揃えてる作品があります。
「樹間」(1931年)
「疎林」(1931年)
「春小景」(1931年)
「郊外」(1931年)
(図録:P,P,42~43)
こういう絵を見ると画伯、キッチリとした性格なんでしょうなぁ。
後に図鑑用に昆虫や植物を描くのも分かる気がします。


4:
1960年代の図鑑用細密植物画、昆虫画

ケント紙に描かれ、紙が実際に見ると小さい。
そこに1匹ならいいんですが、5匹から20匹も描いてるんですから、
超小さい。
虫眼鏡が用意されています(^.^)。
原稿ですから、ホワイトで修正したり、何やら指示書きがあります。
これが、意外にも絵に味わいを加え、いいんだなぁ(^.^)。

染みが出ている作品が多く、これが残念。

写生の絵師圓山應擧がこういう絵を見たらどう思ったでしょう?


5:
1950年代~1960年代の油彩

シュールレアリズムと抽象画
悪くないんですが、どうも絵の力が弱い。


6:
1970年代の細密描写の油彩

「月に献ず」(1972年、図録:P,151)
「春」(1973年、図録:P,152)
「旅-網走」(1974年、図録:P,154)
「円舞」(1975年、図録:P,155)
「身辺 秋から冬へ」(1977年、図録:P,160)
「散椿」(1978年、図録:P,161)

穏やかな雰囲気ですが、目を離すのが惜しくなる「力」があります。
生きている生物を描いているのは、魚の群れを描いた「円舞」のみ。
他の絵では自然の生物を描いていますが、静物画とも言えます。

フェルメールやダリの様な写実力があり、その技術の為に視線が釘付けになるのも間違いありませんが、
題材になる花、虫、貝等に魅力がある事も確かです。
美しい色、不思議な形、人知を超えた色の組み合わせ、奇妙な模様、特定の時にだけ現れる色、等々。

暫く見ていると分かるのですが、画伯の絵では奥行き感が無い、もしくは弱い。
全て画伯の世界に留まっています。
この辺が背景を描かないか、画伯よりも単純化している江戸の頃の日本画と違います。
例えば、
長谷川等伯の「松林図屏風」、「竹鶴図屏風」、圓山應擧の「雪松図屏風」、「藤花図屏風」には奥行き感が非常にあります。
その奥行き感のために絵を離れ、自然の世界へと繋がっている感じがあります。
まぁ、描いている題材が違うから感じや印象が違って当然です。

奥行き感を感じなくなる原因は、ずばり、色です。

やはり背景に色が入ると、いい意味でも悪い意味でも、想像力が自由に羽ばたかずその場に留まり奥行き感を感じなくなるようです。
絵の中の世界で留まるか、更に進み自然の中へ飛び立つか。
良し悪しではなく、絵師の好みか考え方の違いになります。
また、色が持つ力を間接的に証明してますね。
「月に献ず」と「春」の背景から色を抜くか、薄墨で描くとどうなるでしょうか?
非常に興味深く面白そうです(^.^)。


7:
「色」
今回は色の力を改めて考えました。
立石鐡臣画伯の絵にはそれだけ力、魅力があると言う事です(^.^)。






タグ 立石鐡臣 府中市美術館 泰明画廊








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気になる監督は堤幸彦。
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