『仁清・乾山と京の工芸 - 風雅のうつわ』
2014年10月25日(土)~12月21日(日)
出光美術館東京
HP→http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html
1:
焼き物には殆ど興味が無く、『開運!なんでも鑑定団』とか『美の巨人たち』で観る位(^_^;)。
だから出光美術館で『なんでも鑑定団』でよく偽物(笑)が出る仁清と乾山の展覧会をやると言うんで見に行ってきました。
2:
さて、見てみると…
ん~、心に響く焼き物が無いですねぇ…
私にとって良かったのが、
「第2章 清浄と簡素の<京> - 仁清の白釉」
で展示された白釉の焼き物。
絵が描いてある焼き物は筆致に絵画の様なキレがなく、どうも私には好きになれません。
このコーナーの白釉の焼き物は絵が無く、釉薬を1,2種類掛けてあるだけでその焼き上がりの模様に押し付けがましさ無く、
また水墨画の様な風情が有り、一目で気に入りました。
その中でも野々村仁清作、
展示番号:39 白地鉄釉流鍬形花生
が不思議な魅力を放ってました。
武将の兜に使う鍬形を模して作った花生です。
柱に掛けて使うタイプです。
不思議なことに花を活けている姿を簡単に想像出来るんです。
ベージュ系の白釉だからどんな色に花でも合うだろうなぁ、と関心しながら眺めていました。
3:
展示されていたのは焼き物以外も有り、
蒔絵は、中々の出来。
私の様な殆ど知らない人間にも細工の緻密さ、漂う雰囲気の素晴らしさが分かりました。
展示番号:78 龍田川蒔絵硯箱
は素晴らしかった。
更に良かったのが、
展示番号:77 梅蒔絵硯箱
これは、江戸時代中期の作でおそらく出来てから300年近く経っているはず。
それなのに信じられない程の保存状態の良さ。
オマケに使用感が皆無で、使ったとしてもほんの数回なんじゃないでしょうか?
蒔絵や漆が剥げたり欠けたりしている所が無く、硯に至っては使った痕が無い(@_@)。
細工の緻密さと精細さは今回展示された蒔絵の中では断トツ。
硯箱の中の梅の花の装飾の鋭さ、切れ味、美しさ、他の作品には有りません。
勿論砂子の蒔絵の細かさも素晴らしい。
引き出しに小さな取っ手が付いていて、その小ささに合わせた細工の細かさは讃嘆もの、溜息ものです。
暫く心と視線を捉えられ見つめ続けましたが、どれ位見つめ続けられるか試したくなりました(笑)。
この硯箱、ほ、欲しい(笑)。
4:
絵画も何点かあり、
後期展示の
展示番号:46 唐人風俗図屏風(六曲一双) 狩野尚信作
展示番号:47 叭々鳥・小禽図屏風(六曲一双) 狩野探幽作
には見惚れ、改めて自分が絵画好きだと分かりました。
日本画特有の大きな余白、大胆で自由な筆致、私の好みです(笑)。
特に絵画の脇役の枝、葉、岩、こういった物の描写と画面の中の位置等がとても素晴らしい。
また、後期展示の、
展示番号:63 春秋図御簾屏風(六曲一双) 狩野常信
題名の通り御簾(=みす、ぎょれん)、つまり細かく細い竹細工の簾(=すだれ)を組み込んだ屏風で、夏向きなとてもお洒落で洗練された屏風です。
現代にも十分通じるつくりでした。
これも、ほ、欲しい(笑)。
5:
今回は11月18日(火)以降の後期展に行ったのですが、
前期では
展示番号: 色絵芥子文茶壺 野々村仁清
の後に芥子の絵の基になったと言われる
展示番号:61 麦・芥子図屏風(六曲一双) 狩野重信
が展示されました。
(参考動画→http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ZTyHtruQtO8)
この「麦・芥子図屏風」、図録で見るととても素晴らしい。
今回実物を見られなかったのが非常に残念(涙)。
でも、出光美術館の所蔵品なので次の機会に是非、是非、是非、見たい(^.^)。
6:
こんな感じであーだ、こーだと感じ考えながらあちこち見回ると、2時間近く今回も経っていました(笑)。
お客さんの入りも土曜の午後でしたが、展示内容に相応しい(笑)まぁまぁの入りで近寄っても離れても楽に自由に見れる程度。
そして十分見て納得してからロビーに行くとお馴染みの皇居の木々の広がり。
今回は、仲秋、時間は午後3時。
ケヤキが紅葉し、イチョウも葉を黄色くし、更に秋特有の午後の軽い靄。
そう、窓外の眺めが非常に美しかったんです(^.^)。
焼き物には心に触れる物が殆ど在りませんでしたが、蒔絵、屏風に心奪われた後、
オマケで眼前に大きく広がる秋の美景まで見る事が出来、大大大大満足でした(^.^)。
タグ 仁清 乾山 狩野重信 狩野探幽 狩野尚信 狩野常信
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術