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『特別展 美を紡ぐ 日本美術の名品 -雪舟、永徳から光琳、北斎までー』

★簡単な紹介

2019年5月3日(金、祝日)~6月2日(日)

東京国立博物館
本館特別5、4、2、1室

HP→https://tsumugu-exhibition2019.jp/masterpiece/index.html


★評


1:
狩野派と言えば、美術の教科書によく出る「唐獅子図屏風」。
狩野永徳筆。

見た事無いんでどんなもんかと、行ってきました。


2:
作品番号:1
「唐獅子図屏風」
右隻:狩野永徳
左隻:狩野常信
宮内庁三の丸尚蔵館蔵

左隻が永徳の曾孫常信筆とは、全く知りませんでした(^^;)。

この屏風はとてつもなくデカい(@_@)。
鈴木其一の「朝顔図屏風」よりデカい。

Wikiによると、

>天正10年(1582年)に秀吉が本能寺の変を聞きつけ畿内に戻るため、高松城で急遽結んだ講和の際、その証として毛利輝元に贈った陣屋屏風との伝承がある。
しかし、それ裏付ける史料は一切ない。
近年では224.2×453.3㎝と本間屏風としては異例な大きさで、画面に複数見られる切り詰め部分から元は更に大きな作品だったと見られることから、
元は大坂城本丸表御殿や聚楽第など、秀吉関係の城郭殿舎の大広間を飾る障壁画だったとする説もある。
明治期に皇室に献上された。

戦場で使う陣屋屏風だったのか、はたまた大坂城あたりの大広間を飾る障壁画だったのか、どちらとも納得行く大きさです。
オマケに孫の探幽の極め書きが入ってますから真筆に間違いありません。
安部龍太郎の『等伯』に描かれるあの永徳が描いたんだからなぁ、
それも、間違いなく豊臣秀吉からの命によるものでしょう。

間接的ですが、歴史の一瞬に触れられる貴重な作品です。

では、
絵自体はどうかと言うと、長谷川等伯には敵わん。
どうってことない絵です。


3:
作品番号:12
「秋冬山水図」
雪舟等楊
東京国立博物館蔵
国宝

久し振りに見ましたが、「唐獅子図屏風」とは出来が違います。
遠くからでも分かる力強さ、別格です。
視線を放せません(^^♪。
凄いよ、ほんとに。


4:
作品番号:特別出品3
「納涼図屏風」
久隅守景
東京国立博物館所蔵
国宝

この「納涼図屏風」と言えば、TV東京系の『美の巨人たち』でも取り上げられたし、
サントリー美術館で「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」(2015年10月10日(土)~11月29日(日))でも目玉でしたな。
サントリー美術館の展覧会の方は会期が短く、行けなかった(T_T)。
だもんで、今回初めて見ました。
あらま、なんとまぁ、柔らかく穏やかで、どうってことのない、平凡卑近世俗風景(笑)。
盛夏、夕方、夕涼みの図。
それだけ。

とても穏やかで平和な絵。
退屈な絵ですが、僅かですがハッキリと「何か」を感じられる絵です。
「何か」が人の関心を捉え、少なくとも、忘れがたい絵になってる様です。
この「何か」が国宝になった理由ですな。


5:
作品番号:特別出品21
「七宝富嶽図額」
濤川惣助
重要文化財

今回がこれが断トツ、抜群、最高でした。
濤川惣助の七宝でこれ程大きい作品は初めて。

第4会場の入り口、最初の作品として展示されていて、
「富士山?横山大観かな?」と思って説明文を見たら濤川惣助の名前が。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

どう見ても日本画だけど、絵じゃない!
七宝焼きだよ、七宝焼き!
それも色の間の金属線がない無線七宝!

殆どの人が絵だと思って通り過ぎたか、
七宝焼きだと分かっても無線七宝の超絶技巧を知らないのでほぼ素通り状態(溜息)。
ガラス粉末を1,200℃で焼き、溶かして絵を描いているのです。
筆で描いているのではありません(@_@)。

境界線が無くて隣り合う色同士(ガラス粉末)が混ざり、2色の境目がボケるのは分かります。
水彩特有のボカし技法ですね。
ところが、この作品の富士山の稜線と頂上、その背景の空。
空と富士山の境目が全くボケず、混ざらずハッキリと分かれています(@_@)。

筆の筆致(=タッチ)や筆勢を表すために、色の境目をボカす所とハッキリ別れている所があるんです。

更によく見ると、山麓に雲がかかっている部分があります。
山の地色の上に雲の色を透明感を失わずにかけています(@_@)。


超絶技巧!凄ぇ~!
視線釘付け、その場から動けん!


久し振りに天才に圧倒されました(^^♪。


6:
展示されている作品は粒揃いで最高でしたが、
会場が四ヶ所に別れ、次の会場に入る時に、毎回、入場券の半券を係員に見せねばならず、
これが非常に面倒臭い。

また、
会場が1階と2階に別れ、エレベーターもありますが、
階段を私は使いました。
壁と手すりは大理石だし、段と踊り場はタイル張り。
昭和13年(1938年)にこの本館は完成し、空襲で焼けたりしてないので、
当時の物です。
当時の物を、80年前の昭和初期のタイルを味わいたい訳です。

しかし、
問題があります。
80年前の設計なので、階段の傾斜が急なんです。
私CYPRESSくらいのヲヤヂなら問題ありませんが、
お年寄りには急過ぎます。
再設計で傾斜を緩くし、80年前のタイルを再利用し新たな階段を作って欲しい。






タグ 狩野永徳 久隅守景 濤川惣助 雪舟等楊






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『日曜美術館 狩野永徳 よみがえる実像~国宝 檜図屏風・平成の大修理~』

★放送
2015年3月1日

放送分HP→http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2015/0301/index.html

1:
実物を見てから放送を観ました。

観てると面白いんですが、「へぇ~」とか「ほぉ~」しか出て来ない番組。
絵を描くならともかく、修理とか修復なんてのは我等素人には手に負えませんから(笑)。

いい絵に関する番組ですから、録画保存しておきました。




タグ 狩野永徳 檜図屏風 東京国立博物館



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国宝『檜図屏風』 平成の大修理後初公開

★簡単な紹介
○修理後初公開期間
2015年2月17日(火)~3月15日(日)

東京国立博物館、当作品関連HP→http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1715

映像は、
e国宝、国立博物館所蔵国宝、重要文化財から
http://www.emuseum.jp/detail/100144/000/000?mode=detail&d_lang=ja&s_lang=ja&class=1&title=&c_e=®ion=&era=¢ury=&cptype=&owner=&pos=25&num=4

1:
毎度おなじみ本館2階、部屋番号2、国宝展示室にあります。
尾形光琳の『風神雷神図屏風』、長谷川等伯の『松林図屏風』が展示された例の部屋。

美術館や博物館の部屋は作品保護のために大抵薄暗いけど、大部分の作品が電気による照明が発明される以前の物。
つまり当時の屋内は昼間でも薄暗かった。
だから、当時の状況に近い状態で作品を見ている訳です。
見にくいと思うの最初の5分位のもので、直ぐ薄暗さに慣れます。

初めて見るので、当時の薄暗さの中にいる檜はどんな物か楽しみでした(^.^)。


2:
おや、意外と地味でした。
ネットには「金地で豪華絢爛」とか「戦国の時代に相応しい豪壮な檜」とか書いてありますが、
檜の幹と枝に狩野永徳が自由に動きを与え描いていますが、「ダイナミック」とか「勇猛果敢」なんて形容詞が湧き出て来る様な描き方ではありません。
その原因の一つが檜の幹と枝の茶色が背景の大部分を占める金箔地と同系色だから。
絵の主題に動きを与え引き立てる色使いではないからです。

根津美術館にある圓山應擧の『藤花図屏風』の方が遥かに動きがあり、成長する生命感、躍動感があります。
背景を描かず墨で幹や蔓を描き、強調しているだけではなさそうです。
ゴッホのメトロポリタン美術館にある『糸杉』は緑と青の同系色でまとめ、『藤花図屏風』と比べれば「極彩色」ですが、
『藤花図屏風』に匹敵する生命感、躍動感があります。

『藤花図屏風』と『糸杉』は「主張」し、大変な「お喋り」な絵です。
檜図屏風』は「寡黙」で「大人しい」絵です。

絵師の性格や心の違いが現れていると捉えて間違い無いでしょう。

多くを「語らない」のが『檜図屏風』なんです。
「落ち着き」があります。


3:
だからと言って『檜図屏風』が悪いか、劣るか、そんな事はありません。
見ていて飽きることなく、ずっと見続けていられる「力」や「魅力」があり、
この点は『藤花図屏風』や『糸杉』と全く変わりません。
400年後の人間にとっては、好みの違いで選べる時代になりました。

人間の寿命を凌駕する100年、200年も生き続ける檜の、人間と比較すれば
「地味な」なものを表し、また連想させています。
「長年」の「風雪に耐える」とか
「雌伏」とか
「困難に負けぬ忍耐力」とか
まさに戦国の世の武将に相応しい言葉を連想させます。
狩野永徳はこういう絵の方が依頼主には相応しく、主張する絵にはしなかったとも考えられますし、
また当時は「落ち着き」がある絵の時代だったとも考えられます。

ある意味、描き方と違い、表そうとしている事は大変写実的なんです。
絵としては違いますが、写実表現として考えると圓山應擧の『雪松図屏風』と共通するものがあります。


4:
さて、近寄って見ると、
400年以上経っているので、修理はしたものの修復はあまりしなかった様です。
絵具が剥落している所が目立ちます。
特に右隻上部、檜の葉が殆ど落ち、金箔地になってます。

檜自体はネットで映像を調べて頂ければ分かる様に、永徳が描いた様な曲がりくねった幹になる事はありません。
こんなに曲がりくねるのが普通なら、建築材に使えるはずがありません(笑)。
盆栽にでもしなければ曲がりくねりません。
こうした永徳の誇張や省略で描かれた幹や枝に対して葉は写実的に描かれています。
圓山應擧の『藤花図屏風』と同じ構成です。
(應擧は永徳より後の時代の絵師ですから、永徳等から学んだのかもしれません)

展示ケースのガラスギリギリ迄近付いて見ると、なんと、かなり絵具を盛って描いてます(@_@)。
日本画を初め水彩画で絵具を盛るなんて、私が絵を描いていた頃にもやった事もないし、見たことも聞いたこともありません。
拡大鏡の類も持っていかなかったし、ガラスのためにそれ以上近付けなくて確認出来ませんでしたが、
漆で盛り上げる高蒔絵みたいでした。
そうだとしたら、葉の部分だけ剥落が多いのも当然なのでしょうか?

その代り、表現法としては、檜の葉の鱗の様な見た目は大変巧く表現出来ています。


5:
さて、
いい絵です。
これは間違いありません。
大胆な誇張があり、金箔を大量に使いある意味大変豪華な作りです。
幹や枝の大胆な誇張と省略、葉の写実表現、この対比も見事です。
絵師の意図を考えたり、全体の雰囲気を味わったり、楽しい時間を過ごせる絵です。

後は見る人の好み次第です。

私?
この絵の題名の英訳は”CYPRESS TREES”です。
私の名前と同じ(笑)。
嫌いなはずありません(笑)。
でも、圓山應擧の『藤花図屏風』や『雪松図屏風』、
ゴッホの『糸杉』の方がもっと好き(笑)。
派手好きなんです(笑)。


6:
また、本館手前にあるユリノキの巨木、
この木も見事で見飽きることもありません。
そして『檜図屏風』もこのユリノキの巨木にまけていません。
参考
東京国立博物館のユリノキについて
Wiki→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%AA%E3%83%8E%E3%82%AD




タグ 狩野永徳 檜図屏風 東京国立博物館




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最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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