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『世界の中心で、愛をさけぶ』その123

第六弾


第九話


色々、再度その1


1:
電話
この第九話では電話が演出で目立ちますので、
改めて調べると、

1-1:
まずは、アキ(綾瀬はるか)の耳鳴り。
5分35秒付近、稲代総合病院、401号室アキの病室、絵本「ソラノウタ」に何かを書いている。
20分8秒付近、稲代総合病院、401号室アキの病室、結婚寫眞撮影前夜、目覚める(多分興奮して寝れない)。
25分54秒付近、稲代総合病院、401号室アキの病室、結婚寫眞撮影後、様態急変。

39分44秒付近、サク(山田孝之)がアキのテープを聞いています。
その中でアキが「昨日夢を見たよ その中で電話が鳴っていて」と言ってます。

1-2:
公衆電話。
6分52秒付近、稲代総合病院、401号室アキの病室の前、母綾子(手塚理美)と父真(三浦友和)が抗がん剤が効かなくなった事を話す。
黄色の公衆電話。
28分5秒付近、稲代総合病院、401号室アキの病室の前、結婚寫眞撮影後、アキの様態悪化、サクは会えない。母綾子からアキが録音したテープを渡される。
黄色の公衆電話。
33分46秒付近、稲代総合病院、401号室アキの病室の前、母綾子がサクにアキを会わせるために病室に入り、外で待つサク。
黄色の公衆電話。
43分49秒付近、宮浦駅、構内、サク(緒形直人)が小林母子(桜井幸子仲條友彪)を見送る。
構内に緑の公衆電話。
44分8秒付近、宮浦駅、構内、サク、プラットフォームへ向かう小林母子にバイバイ。
構内に緑の公衆電話。
44分11秒付近、宮浦駅駅前、小林母子を見送り終えたサク。
背後に電話ボックス、色はグレー。
44分17秒付近、宮浦駅駅前、小林母子を見送り終え、歩き離れ始めたサク。
画面右側に電話ボックス、色はグレー。
画面中央に構内にある緑の公衆電話。
44分36秒付近、宮浦駅駅前、一樹が走って戻って来る。
背後に電話ボックス、色はグレー。

1-3:
明希(桜井幸子)、東京へ戻る時、宮浦駅駅前で、サク(緒形直人)に、
「うん 戻ったら電話ちょうだい」

「電話」でも悪くはないし、おかしくありませんが、
「連絡」も同じ位ここではおかしくありません。
と考えると、意識的に「電話」を使った捉える方が無理がありません。
「電話」を強調した脚本と演出と考えていいでしょう。

1-4:
2004年、
最後のシークウェンス、
宮浦駅駅前、
電話ボックス

1-4-1:
「その31」(参考→ https://cypresshushizen.blog.fc2.com/blog-entry-422.html )
で2004年では「ワン切り」と書きましたが、
もう少し単純な解釈もあります。

2004年の公衆電話の色です。
グレーですね。
そしてアキの遺灰の色も明るいグレー。
同系色です。
同じ仲間の色。

だから、
1987年と同じ様に誰かの命をもらっちゃうゾ、と考えられます。

ん?

まぁ、「ワン切り」と同じ事か(笑)。

1-4-2:
また、この電話ボックス、
かなり強調してあります。

サクが通り過ぎる時、
わざわざカメラの位置を下にしてサクを下から撮り、
背景に入るのをこの電話ボックスだけにしています。
天井の照明が画面内の主な光源になり、これも電話ボックスを強調する演出。

また、
次のカットで一樹が横断歩道に飛び出すとき、
サクと電話ボックスが重なります。
オマケに画面右側(上手)から照明を当て、闇を背景にし浮かび上げ目立てさせる丁寧さ(笑)。

左(上手):サク、電話ボックス
中央:一樹
右(下手):明希

一樹に対し「主」になるのは、サクか電話ボックスか、
と死神がサクに問いかけているとも捉えられます。
アキの遺灰入りガラス瓶をどうするのか、
尋ねられ次のカットで落としてしまう事に繋がっています。
また、
死神がサクに隠れ一樹の命を求めているとも捉えられます。
嫌だったら一樹の命の代償を払えと死神は言い、
サクは無意識にアキの遺灰入りガラス瓶を落とした、とも考えられる訳です。

それよりも説得力があるのが、
この後のサクが一樹を助ける前の動きを見るとサクがガラス瓶を落としたとは考えにくい。
では、どういう事?
死神が密やかに表れたのをアキが知り、
アキが身を挺して、犠牲になった。
アキが自分の遺灰が入っているガラス瓶を落としたんです。
遺灰はここまでサクと明希と一樹の事を観続けていますから、
3人の関係と思いが分かってるでしょう。
だから自分を犠牲にしたんです。
それが、第九話でテープに吹き込んだ自分が生きた理由と死んだ理由になるんじゃないでしょうか?
サクに自分を忘れ去れ、否、自分をサクの第一位の人から降ろさせ、
明希と一樹を第一位の人にさせるため。
そのために自分が犠牲になった。
アボリジニーの様に2回目の死を選び、2回死んだ。
「サク、私じゃなくて、一樹ちゃん!」
って事。
これの方がロマンチックでいいでしょう(笑)?


2:
1987年、
19分9秒付近、
稲代総合病院、401号室アキの病室、
アキがサクと結婚寫眞撮影前夜、
アキが自分の思いを録音したテープを父真に聞いてもらう。
真「お父さんに見てほしい」と聞いた後急いで立ち上がり、アキの反対側を向く。

…書くまでもないんですが、自分の涙を娘に見せないためです。
…男は「男の子は涙を見せちゃダメでしょ」と躾けられたので、
人前で、それが愛する娘の前でも、涙を流せないものです。
…男はこの様に哀れな生き物であります(笑)。


3:
19分42秒付近、
結婚寫眞撮影前夜、
満月のカットが入ります。

暗示するのは、丸、完璧、完成、成就。

結婚寫眞を撮る事でサクとアキは「完成」し「成就」してしまいます。
寫眞で二人は完成してしまいます。
その後は月は欠けて行き、「暗夜行路」が待っています。

非常に不吉なカットです。
つまり、サクの名前「朔太郎」の「朔」=新月、月の無い夜、闇夜へと向かうだけです。


4:
20分33秒付近、
結婚寫眞撮影当日、松本寫眞館、
サク、寝ていて夢を見ています。
その夢の中でアキが制服の冬服を着ています。

アキが冬服を着ているのはこのカットだけ。


5:
24分48秒付近、
サク、アキのために空の寫眞を撮り始める。

場所が港の堤防。
明らかに始まりを示しています。


6:
34分21秒付近、
稲代総合病院、401号室アキの病室、
母綾子の許可をもらい、漸く病室に入ったサク。

ここで、ガラス窓のアルミの桟がエラく目障り。

漸くアキの会えるんでサクは間違いなく嬉しいはずです。
と同時にサクの躊躇いもあります。
このカットまでに2回、会えませんでした。
どうなってるから分からなかったので、自分の予想より悪くなってるかもしれない、
と言う恐怖もあって当然です。
だから躊躇いを表すと捉えると無理がありません。

アキが崩れ落ちると走り寄るのは、実は、画面から見取れる以上にサクは恐れ、心配していたでしょう。
「凄く悪くなってるんじゃないのか、アキ」と思ったのでは?


7:
35分丁度付近、
稲代総合病院、401号室アキの病室、
面会に来たサクのためにベッドから降りたアキ。
しかし、抗がん剤のために体力が無く崩れ落ちる。

自分で立ち上がるためにすがったのが、点滴スタンド。
サクではありません。

示すことは明らかで、サクや両親、友達、谷田部先生にはアキを支えられない、
助けられない、と言う事。

ただ、重要なのは、
いつまで点滴スタンドがアキを支えられるかは、不明。
あの細さは人の重さを支える物ではなく、点滴を支えるだけですから。






タグ 山田孝之 綾瀬はるか 緒形直人 桜井幸子 仲條友彪 三浦友和 手塚理美






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最近好きな女優は杉村春子と中谷美紀。
好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
山田孝之の実力が分かってきました。

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