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『世界の中心で、愛をさけぶ』その169

第八弾


最終話


1:
主人公二人と他の登場人物の左右、再度その1


1-20:
1987年、
26分30秒付近、
松本家、
母富子(大島さと子)、サク(山田孝之)に廣瀬家からオーストラリア行きの誘いを話す。
アキ(綾瀬はるか)の骨を撒くのがアキの遺言だから。

1-20-1:
まず、

左(上手):富子
中央:サク
右(下手):父潤一郎(高橋克実)

…富子、「サク、行きな」
サク、迷ってます。
潤一郎、「サク、お前次第だ」

1-20-2:
潤一郎「分かってたんだろう、あー、もう死ぬわって」

左(上手):富子
中央:サク
右(下手):潤一郎

…潤一郎、相変わらず「サク、お前次第だ」。
スケちゃんと同じでサクの事を深く思っているんです。

1-20-3:
潤一郎「やりたい放題やって ええ 自分が一番かわいそうか」

左(上手):サク
右(下手):潤一郎

…溢れる潤一郎のサクへの深い愛情、思い。
この世で自分より大事な人間はお前と芙美子(夏帆)なんだぞ、サク。
しっかりしろ、
だからサクが「主」。

1-20-3:
カットが変わり、

左(上手):富子
右(下手):潤一郎

…富子「あんた、やっぱり父親だね、いい事言うね」
と思っているはずです。
だから「主」。

1-20-4:
またカットが変わり、
潤一郎「フッ、悲劇のヒーローは 大威張りだな」

左(上手):サク
右(下手):潤一郎

…同じだからサクが「主」。

1-20-5:
サク「俺の気持ちなんか」と言った後、
潤一郎「ほら アキさんのためじゃなくて
お前 自分のために 泣いてるじゃないか」

左(上手):サク
右(下手):潤一郎

…同じだからサクが「主」。

1-20-6:
普段は言葉少なく、家庭内では影の薄い父潤一郎。
それでも父親ですからサクへの愛情は誰にも負けません。
サクに必要なら、サクが傷つく言葉でも使います。
スケちゃんと同じです。
涙ぐんでいる潤一郎から明らかです。
(→何回か観ると分かります)

サクの方は、当然ながら心が弱く自分の状態やアキの死と向き合えず、認められません。

サクの両親、友達はそこがもどかしい。
ここでも、結局、自分を救うのは自分以外いないのです。


1-21:
続いて、
28分4秒付近、
松本家、
サク、痛い所を突かれ、潤一郎に掴み掛かる。
二人の乱闘まがい。

1-21-1:
まず、
サクが潤一郎に掴み掛かる。

左(上手):富子
中央:サク
右(下手):潤一郎

…富子「サク、あんまり本気になるんじゃないよ、お父さんなんだから」
潤一郎「サク、来てもいいんだぞ」
と思っていたのは間違いないでしょ。

1-21-2:
掴み合い、
最初、
潤一郎「どうして送ってやること 一つ出来ない えっ!」

左(上手):サク
右(下手):潤一郎

…ここまではスケちゃんと同じ。
だからサクが「主」。
…深くサクの事を思っているんです。

1-21-3:
掴み合い、
次、
潤一郎「どうして死んだ人間の頼み一つ 聞いてやれないんだ!」
サクを投げ飛ばす。
潤一郎「情けないなあ」

左(上手):潤一郎
右(下手):サク

…ここで潤一郎がスケちゃん、ボウズと同じく怒りました。
…今風な言葉で言うと「切れた」です。
…1987年だとあまり一般的ではなかった記憶が。
…潤一郎はサクを投げ飛ばしました。
…スケちゃん、ボウズと同じく「お前の事が大好きなんだ、大好きだからしっかりして欲しいんだ、
早く元気になって欲しいんだ」と思っているから投げ飛ばしたんです。

…潤一郎の「情けないなあ」はサクに向けただけではなく、自分にも向けた言葉です。
この台詞の時、潤一郎しか映らないからです。
…おそらくサクのこの弱さは潤一郎から来たためだと分かっているのでしょう。
半分は自分の責任と分かっていて、それでも親だからサクに辛い事もしなければなりません。
サクが簡単にアキの死を乗り越えられないのが分かり、自分では大した事が出来ないので、
「情けないなあ」なんです。


1-22:
29分45秒付近、
ウルル、
にやって来た廣瀬夫妻とサク

1-22-1:
ウルルを登る。
真(三浦友和)と綾子(手塚理美)に手を貸し、支えながら。

左(上手):サク
中央:綾子
右(下手):真

…ここでも廣瀬夫妻はサクの友達3人組と同じくサクの事を思い、心配しています。
だからサクが「主」。

…またアキへの思い、アキの死に関しても廣瀬夫妻も友達3人組と同じです。
女性の方が男性より強い、濃い。
智世と綾子は同じ。

1-22-2:
登り切った所で、
カメラの位置が変わり後ろから撮り、

左(上手):真
中央:綾子
右(下手):サク

…これからやるアキの遺灰の散骨は真がリーダーなので「主」。
…アキの第二回目の葬儀の喪主、と言う事です。

1-22-3:
散骨用意。
カメラの位置が戻り、正面から撮り、
綾子「やっぱり あなたやって」

左(上手):真
中央左寄り:アキの遺灰が入った桐箱(→綾子が左手で持っている)
中央右寄り:綾子
右(下手):サク

…綾子が左手で箱を持っているのが、不自然、怪しい(笑)。

…綾子は台詞の通り、アキの死は綾子への影響がまだ大きいので、
アキの遺灰に対し「従」になります。
…サクの場合も同様。
…真も同じように悲しんでいますが、夫として踏ん張っているので「主」。

1-22-4:
真「これは アキの願いなんだ」
「一緒にやろう サク君も」

左(上手):真
中央:綾子
右(下手):サク

…真が葬儀を執り行う喪主だから「主」。

1-22-5:
綾子が箱のふたを開ける。

左(上手):綾子の左手
中央:アキの遺灰入りの箱(=アキ)
右(下手):サク

…このカットで綾子は悲しみを堪え、遺灰を撒く気になったのが分かります。
遺灰入りの箱に対し「主」になっているからです。
…一方サクは立ち位置からアキに対し相変わらず「従」。
まだまだアキの死を乗り越えていません。
、と言うよりも、アキの遺灰の散骨に来て最初の一歩を踏み出しましたが、
その次の一歩を踏み出せていません。

1-22-6:
三人、遺灰を左手に握る。

左(上手):真
中央:綾子
右(下手):サク

…今までの食事の場面を思い出せば分かる通り、
三人共、右利きです。
不自然極まりなし(笑)。
…三人とも、まだまだアキの死に圧倒され、乗り越えていない、と言う事です。
真でさえ心の中で泣き、その涙がこぼれないように堪えていると捉えて間違いありません。

1-22-7:
遺灰を撒く。
最初、綾子。
2番目、真。

左(上手):真
中央:綾子
右(下手):サク

…綾子が先の撒いたのは、やはり、女性の思い切りの良さを表しているのでしょう。

1-22-8:
サク、
握ったまま考える。

左(上手):サク
右(下手):握ったままの左手(=アキ)

…厳密に言うと、まだサクは考えられる状態ではなかったでしょう。
自分で決定する事が出来なかったと思います。
…ですから、
何かが心に浮かんでくるのを待っていた、
とか、
指を開いて10秒経っても風が吹かなかったら撒くのはやめよう、
とか、
消極的な態度だったと思います。
…それでも、自分から進んでやるから「主」。

1-22-9:
サク、離れ二人になる廣瀬夫妻。
綾子「花を 咲かせるかしら」
(カットが一つ飛びます)
「あの子は 命を」
「あの子は 命を育てて」
「母に」

左(上手):真
右(下手):綾子

…真は陰ながら、つまり、精神的に綾子を支えていると言う事です。
だから「主」。

1-22-9:
カメラが変わり、
3人が画面に入ります。

左(上手):サク
中央:真
右(下手):綾子

…いよいよサクの番がやって来たので「主」。

1-22-10:
真は綾子の肩を抱き、二人で向きを変え、降りる準備。
真「下で待ってる
「待ってるからな」
「戻ってくるんだぞ」

左(上手):サク
中央:綾子
右(下手):真

…真直ぐ進めば崖下に落ちるんで(笑)、
当然180度向きを変えねばなりません。
…ですから、左右の位置の変化も大きな意味があるとは捉えにくい。
…それでも、台詞の流れから、アキを失った悲しみの大きさも表している様です。
サク>綾子>真

1-20-11:
サク、一人になる。
左手の中の遺灰を見つめる。

左(上手):サクの左手(→アキの遺灰=アキ)
右(下手):サク

…画面、中央左寄りにサクの左手、
中央右寄りにサクの顔。
…アキの声を待っているので、アキが「主」。

1-20-12:
風が突然吹き、左手を反射的に握りしめるサク。
左手を顔に着ける
涙があふれる。
崩れ落ちる。
(口に溜まった唾が落ちる(笑))

…ここまでは、左右が無く「主従」が起きません。
…サクとアキの悲しみが重なったと言えるでしょ。
…対等な関係になっていますし、サクが遺灰を握りしめた左手を顔に着けるので、
最後の抱擁とキスでしょう。

1-20-13:
カットが変わり、
サク、
号泣し、「アキ」と叫ぶ。

左(上手):サクの握りしめた左手(=アキの遺灰=アキ)
右(下手):サク

…アキが「主」。
…アキがサクを支配しているとも考えられます。
…サクがアキから何かの答えを待っているとも考えられます。
個人的には今までの(解釈の)流れから「アキ、何とか言ってくれよ」だと思います。

…この解釈だと、谷田部先生(松下由樹)が第十話でアキに自分の死の理由は何かと問われ、
「それは残された人 一人一人が決めることなんじゃないかな」
ではありません。
…自分で見つけるべき答えを、意味を、サクは見つけようとしなかったのです。
…そのために17年間の彷徨が始まったと考えられます。

…または、自分でアキの死の理由を考えたけど分からずに「アキ」と叫んだのなら、
つまり「アキ、アキが死んだ理由が分かんないよ」とアキの死に応じたのなら、
答えと理由を探すのに17年掛かったとも考えられます。






タグ 山田孝之 綾瀬はるか 高橋克実 大島さと子 三浦友和 手塚理美 松下由樹





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好きな監督は黒澤明と張藝謀。
気になる監督は堤幸彦。
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